[天魔祭]-バトルロワイヤル5-後、侵入者居たのでサクッと帰っていただきました。
辺り一面が花畑になったが私の目線は地面ではなく空を向いていた。
「なんか、面白そうなのが出てきましたね」
私の言葉にスミレさんも上を見上げるとそこに居たのは赤くかつ所々が黒く濁った液体で構成された羽を羽ばたかせ顔色が悪い男の人が私達を見下ろしてました。
「あれはヴァンパイアだね」
「あれも何かのイベントですか?」
スミレさんも小さく微笑みながら首を横に振る。
「違うよ。 あれはまあ、乱入者だね」
「ふーん、とりあえず邪魔者って事ですね」
「そうだけど、あんまり甘く見ない方がいいと思うよ」
確かヴァンパイアは周りの血を操り、自身の強化などをするって本に書いてありましたね。スキル名は確か『血盟』でしたかね?
「スミレさんもう一つお聞きしていいですか?」
「どーぞー」
「参加時に登録してないスキル使った場合何か罰則とかありますか?」
「無いよーただ、バトルロワイヤルは失格になるけどね」
「それは、チームがですか? それとも私個人ですか?」
「君個人だね」
なら、大丈夫ですね。元よりさほど興味がある物でも無かったので後はルナ達に任せましょう。
私は、血盟が手に入れば満足です。
「わかりました。では、スミレさん、また何処かであったら今日の決着つけましょうね」
「何を言ってるのかな? 私も加勢するよー」
「いりません」
私は、風の魔法でスミレさんを吹き飛ばし周りに誰も入って来れないように結界を張る。
「愚かな人間よ。 貴様の血肉ワタシが喰らってやろう!【血盟の槍“ブラッドランス”】」
「はい、いただきます【強欲】」
放たれた血の槍を飲み込みながら闇がヴァンパイアを飲み込み飲み込まれたヴァンパイアは地上へと落下する。
「ほぉほぉ、中々良いスキルじゃ無いですか」
私は地面に落ちていた刀の破片で指を切りつけ血を地面へと垂らす。
「貴様! 何をした!」
「貴方のスキル、私が貰っちゃいました。【血盟の大剣“ブラッドブレイド”】」
地面に垂れた血が形を変え真っ赤な大剣へと姿を変え私の手の中に収まる。
「重さは感じないですね。元が血だからでしょうか?」
「それはワタシのスキルだ! 返せ!」
「ふふ、嫌です」
私は、とてもいい笑顔を浮かべヴァンパイアへと走り出しヴァンパイアの目の前に着くと同時にヴァンパイアの腕を斬り飛ばす。
「大剣の威力はそのままに重さは羽のように軽い……いいですね」
腕を押さえ後退したヴァンパイアに大剣を思いっきり投げ飛ばしヴァンパイアのお腹事木を貫きヴァンパイアの身体を木に固定する。
「貴方にはまだまだ、実験に付き合っていただきます」
作り出した鎖でヴァンパイアの手足を拘束し、ナイフで切りつけそれによって流れた血を操りまた別の形へと変化させヴァンパイアに攻撃をする。
十数分後には騒いでいたヴァンパイアから生気が無くなり周りに静寂が戻った。
「なるほど大体理解しました。作った武器の威力は使った血の分だけ上がり重さは羽のように軽い。 使いすぎると失血死する恐れもありますが、周りに流れた血を使い回復も出来る。 ふむ、チート能力ですねこれは」
攻撃さえ当てれれば永久的に回復と攻撃が出来ると言った感じですね。
それに、大きい物を作ろうとするとそれなりの血が必要な様です。
「これはいい、拾い物でしたね」
私がヴァンパイアの死体を炎で焼いた所でアナウンスが流れ、私は光の粒子となりその場から姿を消した。
そこから、モニターで観戦してた所、気が付いたルナ達が善戦するも、スミレさん一人に二人ともやられスミレさんも自分と渡り合える強い人が、もう居ないと悟った様で自分でクリスタルを砕きリタイアした。
今回のバトルロワイヤルの優勝チームは私達と同じ位の年齢の子達が集まったチームで力こそ他のチームには劣るが罠の使い方が上手くなんとも呆気なく優勝したのだった。
そして、私はと言うと……。
「ねぇ、ユキネ? なんで何の相談もなく失格になったのかな?」
「いや、ルナ達気絶してましたし……」
「起こす事は出来たよね?」
「まあ、うん。そうですね」
と、この様にルナにめちゃくちゃ怒られました。
カミラさんは屋台の方にふらっと歩いて行ったので暫くは帰ってこないと思います。
「ちゃんと聞いてるの?」
「え? ああ、聞いてますよ」




