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チートスキル【確率操作】を駆使する異世界生活  作者: arice


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鬼を倒します。後、なんかキモいのが居ました

 次の朝、私達は眠たい目を擦りながら向かって来る魔物達を排除しながら山頂へと足を進めた。



「きもいきもいきもい!! なんですか! こいつ!」



 私は今、身体が蜘蛛で顔が人、そして首がめちゃくちゃ長い魔物の攻撃を躱しながら逃げ惑って居ました。



「ひとぐもだよ。 ああ、そう言えばユキネは蜘蛛ダメなんだっけ」



 兄さんが私と並走しながら、呑気に昔話を始めようとしていた。



「ヒオニ! 今はそれどころじゃ無いだろう! さっさと、強化魔法かけろ!!」



 ガイルさんが、ひとぐも攻撃を受け止めながら怒号を飛ばす。

 兄さんは、ブーっと頬を膨らませながら急停止し魔法を唱える。



「虹の衣、その七色の光で皆を守りたまえ〈レインボーヴェール〉」



 私達の、服が七色に光出し空にはオーロラが浮かび上がる。



「ユキネちゃん、切り込んで!」



「えぇ!? あのキモいのにですか!?」



「早く!」



 私は、嫌々ながらも兄さん達に迷惑をかける訳にはいかないので、白雪を抜きひとぐもへ斬りかかる。



 ひとぐもは私を見るとニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべ、口から酸を吐く。

 その笑みにゾワリと悪寒が走り私は、涙目になりながら叫んでしまう。



「いやだぁぁぁぁ!! ……もう、我慢出来ない〈アポロンの炎〉」



 白雪に炎が灯り、横に薙ぎ払うと炎が形を変え斬撃となりひとぐもを横に一刀両断する。



「俺まで焼き殺す気か!!」



「ごめんなさい」



 っと、一悶着はあったが無事に山頂へ辿り着き山頂のひらけた場所に小さい、とは言え民家より数倍大きい身体を持つ鬼が胡座をかいて座っていた。



「あれで幼体なんですか?」



「ああ、成長するともっとでかく、そして強靭になる。だから、今のうちに仕留めようって感じだ」



「それじゃ皆、準備はいい? 命令は一つ死なない事」



「はいなのです!!」



「腕がなるぜ」



「楽しくなりそうですね」



 各々が武器を抜き、兄さんの強化魔法を受け私とガイルさんが走り出し、アイラさんが呪文の詠唱を始める。



 私達が、鬼に辿り着くも鬼は一向に動く気配を見せず座ったまま目を閉じる。



「その首、頂くぜ!!」



 ガイルさんの、攻撃が鬼の首にヒットするがガキン!っと言う音と共にガイルさんの攻撃が弾かれる。



「こいつなんて硬さだ……」



 空中で受け身を取り着地したガイルさんの身体を鬼の棍棒が捉え、ガイルさんは岩肌に叩きつけられ口から血が溢れ出す。



「弱い弱すぎるぞ、小さき者達」



 鬼が、棍棒を肩に担ぎ上げ私達を見渡し首を横にふる。



「こいつ、話せるのか」



 兄さんの強化魔法のお陰で、ダメージを軽減したガイルさんが私の横に着地し片膝を付く。



「大丈夫ですか? 無理しない方がいいですよ」



「このくらい擦り傷だ。 それより、あの硬さの皮膚をどうするかだな」



 この中で一番攻撃力の高いガイルさんの攻撃が弾かれたとなると、恐らくアイラさんの魔法も効かないでしょうね。

 私の魔法でも恐らく擦り傷程度しか負わせられないですし。 困りましたね。



「ふむ、来ないのか? ならば、我から行くぞ」



 鬼が、棍棒を構え足に力を入れた瞬間姿が消え、次の瞬間には私の目の前に居ました。

 鬼は、そのまま棍棒を振り下ろし、ふんっと鼻を鳴らし棍棒を再度担ぎ上げる。



「いやー危なかったです」



 私は、パンパンと服に付いた土埃を払い落とし鬼を見る。



「貴様……なぜ生きて居る。 我の攻撃は確実に貴様を捉えた筈」



「勘違いじゃないですか? ほら、見ての通り私には傷一つ付いてませんし」



「ならば、もう一度潰すまで!」



 鬼が再度、棍棒を振るうが棍棒の軌道が不自然に横に逸れ、私の右側に振り下ろされる。



「また、ハズレですねー。 ちゃんと狙ってますか?」



 額に青筋を浮かべ足を振り上げ私に目がけて振り下ろされる。

 しかし、鬼の足が滑り私の目の前の地面へと当たる。



「何が起こってるのです?」



「分からない。 だが、今が攻撃のチャンスだ。 行くよ、2人共」



 兄さん達が、走り出すのを確認して私は鬼の膝を足場にし鬼の顔の高さまで飛び上がる。



「倒れて下さい」



 私は【乱撃】【豪腕】【風刃】【強化の波動】を発動し力一杯鬼の顔面を殴る。

 鬼は、5連撃の拳と風の刃を受け、仰向けに倒れる。



「兄さん!!」



「よくやった!」



 その隙に、兄さんが更に強化魔法を重ねがけしアイラさんの炎の槍とガイルさんの拳での乱打が鬼を襲う。



「これで終わったのか?」



 私は、油断し鬼に近づいているガイルさんの手を取り後ろに引っ張る。



「そんなわけ無いですよ」



 その瞬間、さっきまでガイルさんが居た場所に鬼の拳が振り下ろされる。



「愉快愉快、我を殴り倒す者が居たとは」



 鬼は、口から少し垂れた血を親指で拭き取り私を睨む。



「鬼の血って青いんですね」



「今、気にするのはそこじゃ無いと思うが?」



 鬼が雄叫びを上げ、私を掴もうと手を伸ばすがその手は空を切り、鬼が転ぶ。

 私は、こけた鬼を見下ろし口元を歪める。



「貴方の攻撃は私には届きませんよ?」




 私の表情を見た鬼が、地面を力一杯殴り雄叫びを上げ立ち上がり、棍棒を空へと掲げる。



「ならば、これでどうだ。〈サンダーストーム〉」



 空に暗雲がかかり、ゴロゴロと言う音と共に雷で出来た竜巻があちこちに現れ私に向かって吹き荒れる。



「ふむ、貴方は私が攻撃を避けたと思ってるんですか? だったら、それは間違いですよ」



 雷の竜巻が私に当たる瞬間、竜巻が霧散し消える。



「なんだと!? 貴様、何をした!」



「簡単な話ですよ。 当たる確率を0にしたまでです」



 私は、ニッコリと笑い黒雪と白雪を抜き鬼に剣先を向ける。



「貴方の勝てる確率は0%です」



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