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チートスキル【確率操作】を駆使する異世界生活  作者: arice


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15/48

敵と接敵しました。後、私怒りました

 翌日、私達は準備を整え鬼が住むと言うミリオス山の山頂を目指して居た。



「ユキネ、大丈夫? しんどくなったら僕が背負ってあげるからね」



「ちょっと兄さん、あんまりベタベタしないで下さい」



 私は、兄さんのウザ絡みを躱しながら気配察知を全力で使いながら周りを警戒する。



 兄さん達が居るとは言えこの山は推奨ランクダイヤモンド以上の場所ですからね、私からしたらその辺に居る雑魚でも強敵ですからね。



 そうして、数分歩いていると気配察知に複数の魔物が感知され私は皆んなを呼び止める。



「皆さん、何か来ます……11時の方向と1時の方向です」



 私の言葉に全員武器を構え私を囲む様に戦闘態勢を取る。



「アイラ!」



「わかってるのです! 【観察眼】」



 アイラさんが、観察眼を使い相手のレベル等を確認し苦笑いを浮かべ口を開く。



「リーダー格の魔竜剣士のレベルが60、お供のリザードマンがレベル20……数が魔竜剣士の後ろに各15体ずつなのです」



「15!? 数が多すぎる……」



 ふむ、15体ですか……レベルは低いものの数が多すぎますね。



「合流される前に1時の方向から来てる一体を討伐するのが先決か……」



「いや、一体に苦戦をしてたら背後から残りの2体に挟撃されて不利になります。 誰かが11時から来てる一団を足止めしないとダメだと思いますよ」



 アイラさんと兄さんは、補助系の戦い方、ガイルさんは防御面で不安があるのと多対一の戦闘には向いてない……私ですかねー適任なのは。



「私が足止めします。 幸い私が得意とする呪文は相手の数が多ければ多い程輝きますし」



「馬鹿! ユキネちゃんにそんな事させる訳にはいかないのです! 私が行きます」



「アイラさん……大丈夫ですから」



  私は、アイラさんの腰辺りを押し退け手を上にかざす。

 私の上空に幾つもの魔法陣が展開される。



「私の魔法に巻き込まれてもしらないですよ?」



 魔法陣を見て口をあんぐりと開けてる3人に目を向け忠告し手を振り下ろす。



「光の剣に貫かれてください。〈光刃千手〉」



 魔法陣が光輝き、幾つもの光の剣が魔竜剣士達に向かって飛んでいき、リザードマンを次々に絶命させていく。



「いいか? ユキネ、危なくなったら絶対に助けを求めるんだよ?」



「分かってます。 ここで死ぬつもりはありませんから」



 私の言葉に、手をギュッと握りヒオニ兄さん達は1時の方向から来ていた魔竜剣士達へと走り出す。



 さてさて、これでようやく遠慮なくやれますね。



「メルティ、行きますよ」



「キュ!」



 私は腰に指していた黒雪と白雪を抜き放ちメルティと共に走り出す。



 私の魔法でリザードマンは大方片付いた様ですが、肝心の魔竜剣士達はほぼ無傷ですね。



 魔竜剣士の一体が、持っている大剣を大きく振りかぶり魔力を大剣に乗せ振り下ろす。

 降り下ろされた大剣から魔力で出来た斬撃が放たれる。



 私は、斬撃を黒雪で逸らし斬撃を放って来た魔竜剣士なは斬りかかるがもう片方の魔竜剣士に大剣で防がれ、斬撃を放って来た方の魔竜剣士に殴り飛ばされる。



「おお!? まさかの連携して来るとは」



 私はギリギリで魔法障壁で防御し距離を取る。



「メルティ、一体相手出来ますか?」



「キュ!」



 メルティが風を纏い私の攻撃を防いだ方の魔竜剣士を吹き飛ばし一気に距離を詰める。



「さあ、私も行きますかね」



 私は、スゥと息を吸い込み足に雷を纏い一気に走り出す。



「【乱撃】【豪腕】」



 これで私の攻撃は一撃で5連の攻撃になり攻撃力が増します。この組み合わせが一番使いやすいんですよ。



 横から振るわれた大剣を地面を滑りくぐり抜け太ももの裏を切りつけ足元に風を起こし空へと浮かび上がる。



 急降下し、魔竜剣士を一刀両断にしようとした瞬間、魔竜剣士の周りから地面が盛り上がり私のお腹を殴打する。



「ガハッ!」



 私は口から血を吐き近くの岩場へと激突する。



「この、トカゲが……痛いじゃ無いですか!」



 超回復のお陰で、傷はすぐ治りますが痛いもんは痛いんですよ……。



 魔竜剣士は、自分の大剣を眺めニヤニヤと笑みを浮べる。



「その笑み……不愉快です」



 バチっと音がした瞬間、魔竜剣士の手が空を舞い、次に戸惑って居る魔竜剣士の足が無くなる。



「なるほどなるほど、憤怒の条件は私の怒りの度合いですか」



 魔竜剣士が這いつくばりながらも、魔法で私を攻撃しますが雷を超える速さで動く私の姿を捉えきれず全て空振りで終わる。



 メルティの方も心配ですし、こっちはもう終わらせましょうか。

 バチっと言う音と共に魔竜剣士の手足が無くなり、最後には首が空を舞う。




「なんともまあ呆気ない最後でしたね」



 私は、倒れそうな身体を白雪を杖にして支えメルティの向かった方向へと駆け出す。



 憤怒のスキルは強いのですが、反動がデカすぎるので使い所考えないと行けませんね。帰ったらルナと相談しましょう。




 向かった先には、メルティと魔竜剣士がお互いボロボロになりながら、睨み合って居て身体が小さい分メルティの方が息が荒いです。



 ほぉ、Xランクのメルティが押されて居るとはなかなかやりますね。



 疲労のせいで、体勢を崩したメルティを魔竜剣士の大剣が襲い掛かる。

 その攻撃をギリギリで受け止めメルティを抱え後ろに大きく後退する。



「大丈夫ですか?」



「キュゥ……」



 メルティをルナに買ってもらった白の猫耳パーカーのフードに入れ、刀をくるくると回して構えを取る。



「よくも私の大事な友達に傷を付けてくれましたね。 その身を持って償って下さい」



 とは言え、憤怒のせいで私の体力もギリギリなんですけどね。



 私が、走り出そうとすると魔竜剣士の上空から炎の滝が降り注ぎ呑み込まれた魔竜剣士が雄叫びを上げ崩れ落ちる。



「ユキネちゃん! 大丈夫!?」



「これはこれは、アイラさん。 助かりました」



 どうやら、私が一体と戦ってる間に兄さん達が来てくれた様です。



「向こうの死体も確認した。 流石、僕の妹だね!」



 兄さんとガイルさんも、合流しその日は私の体調を考慮しその場で休息を取ることになった。



「しかし、あの雷なんだったんだろうな」



「レビルレイの王様がなんか言ってたよね」



「“白銀の悪魔”なのです」



 ふぁ!? いつの間にそんな通り名が……。




「まあ、それらしい気配も無かったしユキネの魔法だろう」



 兄さんは一人でうんうんと頷きながら私の頭を撫でる。



「さあ、明日には山頂に到達する予定だから皆よく休むんだよ。 見張りは交代で行おう」



 との事、なので私は早々に眠りに付く事にした。

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