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チートスキル【確率操作】を駆使する異世界生活  作者: arice


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ダンジョン改装しました。後、侵入者来ました

「さて、みんなに集まって貰ったのは他でもありません、最近ルナベル大深層に来る冒険者達が少ない事についてお話しを聞きたいと思います」



 私は、丸いテーブルに肘を付き顎に手を乗せ集まってくれた各階層のXランクの子達を見る。

 最初に発言したのは、アガレスだった。



「ワタクシが思うに、知名度が足りないと思います」



 ふむ、知名度……ですか。確かに、表立って宣伝みたいな事はして無いですね。



「後、ダンジョンのレベルに対して戦力が強すぎるのだと思いますわ」



 レティが、羽の手入れをしながら私を見つめる。



「と、言いますと?」



「一般的にダンジョンレベル5のダンジョンの戦力はF〜Sが主な戦力ですわ。 しかし、このダンジョンを見て下さいませ」



 私は、ウィンドウに今の戦力の一覧を表示し頬をポリポリと掻く。



「あー、確かにF〜Sなんてほぼ居ないですもんね。 しかも、Xランクがゴロゴロしてて階層も100階層……これは、あれですねやりすぎましたね」



「だったら、一旦ダンジョン整理してみたらー?」



 フランの言葉にポンっと手を叩きウィンドウを操作する。



「なるほどなるほど、こんな感じですかね? グリム、どう思います?」



「ん? どれどれ、ほぉこれはなかなか面白い」



 私が行ったのは、ダンジョンを100から一般的な広さの10階層に変更し、最高層の10階に週替わりでXランクを一体配置すると言う方法、これなら、1〜9階層は楽ではないけど突破出来るので、難易度的にもちょうど良いと思う。

 それに、この方法なら戦えなくて不貞腐れる守護者も居ないと思う。



「だが、ユキネよ。 これだけでは恐らく、冒険者共は増えないぞ?」



「なして?」



「そもそも、冒険者がダンジョンに挑むのは、ダンジョン内にあるレア度の高い武器などが目当てだ、このダンジョンにはそれが無い。 宝が無いと知れば命をかけてダンジョンに挑む意味は無いからな」



そういえば、そうだ。宝箱何一つ設置してないや。



「アガレス〜適当に宝物見繕ってくれますか?」



「了解致しました。どうせなら質の良いものを選びたいのでワタクシはこれにて失礼させていただきます」



 アガレスは、被って居たシルクハットを取り綺麗なお辞儀をして会議室を出て行く。



「広報の方はいかがいたしますか?」



 ビートンの言葉に少し考えニコッと笑う。



「それに関しては大丈夫かな。ルナと私、冒険者だし。適当に話広めておくよ」



 さて、これで少し様子見って感じかな。



「ん? ユキネ様、侵入者ですにゃ」



「おお、ちょうどいいや。 今日の守護者は……リーさんで良いかな」



「む? わしか、了解したのじゃ」



「さて、じゃあ一旦解散ね。 果たして今回の人達は十階層まで来れるかな」



 私は、ダンジョンコアがある部屋に移動し玉座に座り監視蟲から、送られてくる映像を眺め「ふふふ」と笑う。




「ここが、新しく出来てたって言うダンジョンか」



「たまたま、近くを通った冒険者が見つけたみたいだぜアギルの兄貴」



 俺は、弟分であるアーリオの背中を叩きダンジョン内へと足を踏み入れる。



「ふむ、この辺のダンジョンにしてはレベルが低いな」



「生息してる魔物はランクだけ高い奴だし。今回は、余裕かも知れないな」



 アーリオの言う通り、ランクだけ高い魔物が集まってるな、でもレベルが軒並み低い、出来たばっかりなのか……。

 とりあえず、奥に進んで見れば済む話か。



 俺は、周りを警戒しながらダンジョンの奥へ奥へと進んでいく。



「これで、5階層目か……アーリオ、マッピングの方はどうだ?」



「バッチリだぜ兄貴。 しかし、宝箱も何もないとは驚きだな」



 普通なら5階層まで、潜れば宝の一つや二つは手に入るもんだけどな。

 俺達は、罠の位置、生息している魔物のレベル、ランク、種類などをマップに記しながら、更に下の階層へと足を進める。



「どうやら、ここが最下層のようだな」



「ここは……墓地? と言う事は、アンデット系のボスですかね?」



「よく来た、愚かな冒険者共よ」



 俺達の、目の前に黒いローブを羽織った骸骨が降り立ちその骸骨の周りからスケルトン、ゾンビ達が地中から這い出てくる。



「こいつがボスか」



「俺達、兄弟の敵じゃないぜ!!」



 アーリオが大剣を構えるのを見て、フッと笑い俺も片手斧を構える。



「ああ、俺達なら余裕だ!!」



 俺達は、一斉に走り出し骸骨へと切り掛かる。




 ふむふむ、どちらも近接特化型の冒険者か……バランスの悪いパーティじゃの。



 わしは、二人の攻撃を魔力障壁と呼ばれる魔法陣の盾で防ぎ、弾き返す。



「この魔力障壁なんて硬さだ!!」



「普通のリッチじゃ無さそうですね」



 二人は、その場から大きく後退しわしから距離を取る。



 ふむ、魔法使いであるわしから距離を取るとはな愚か愚か。



「このルナベル大深層に足を踏み入れた事、後悔しながら死んで……」


 わしが、魔法を放とうとした時、ユキネ殿から通信が入る。



「リーさんリーさん、どっちか片方でいいから逃しちゃって。宣伝に使う」



「む、了解した。 んん! このルナベル大深層に足を踏み入れた事、後悔しながらどっちか一人は死んでゆけ!!」



 わしが、指をパチンと鳴らすと、男二人を黒い竜巻が包み込み、更にその竜巻が激しく燃え上がる。



「〈黒風炎撃〉なんて事ない複合魔法じゃよ」



 さて、大分手加減はしたのじゃが……。



「……出てこんの」



 もしやとは思うがこれくらいで死んだりはしとらんよな?




 わしが恐る恐る魔法を解除すると、そこには炭となり息絶えている二人の姿があった。



「リーさん? 手加減下手すぎない?」



「いやー、すまん!! まさか、これくらいで死ぬとは思わなかったのじゃ。 ダイヤモンドじゃったし」



 わしは、ポリポリと頬を掻き肩をがっくしと落としユキネ殿元へと戻った。


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