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Let'sダンジョン経営

やあ、どーも!私の名前はユキネ・ホワイトベル


 私は今、森の中を彷徨っています。それがなぜかというと簡単に言うと親に捨てられたからですね。


 とはいえ、別に親を恨んだりはしてません。そうなる様に仕向けたの私ですから。


 私は、ラインベルクと言う王国の王様の娘として生を受けました。ですが、父は跡継ぎとなる息子が欲しかったみたいでわたしに冷たい態度をとっていました。

 ホワイトベルは母方の性ですね。


 そして、この世界にはスキルと呼ばれる物があります

この世界に生きる全ての生物がこのスキルを持っており

人間であれば10歳の誕生日に最低1つスキルが発現します。

 そしてお察しの通り私にはそのスキルが発現しなかった為、父は私を最低限の食糧とお金を持たせこの森にぽいっとしました。


 実は、私のスキルは7歳の時にはもう発現してました。

発現したスキルは2つ、1つは【テイム】。

 名前の通り、一部の魔物を除き一定の確率で自分の味方にする事ができます。

 そのへんにわんさかいるゴブリンなどの低ランクの魔物なら80〜100%の確率で味方にできます。

 人語を話さないドラゴンなどの高ランクの魔物は1〜5%の確率です。人語を話す魔物はテイム出来ません。



そして、もう一つのスキルが【確率操作】。

 ありとあらゆる確率を操作できるスキルです。例えば、相手が攻撃をしてくると私の目にはその攻撃の命中率が移ります。

 その命中率を操作して0%にする事もできます。元々の確率が0%か100%の場合は操作出来ません。


 なぜ私がスキルを隠せたかについては後ほどという事で。

先に私の目的と追い出される様に仕向けたかの説明をしましょう。


 私の目的はダンジョンと呼ばれる物を経営する事。

ダンジョンはまあ、言わなくても大丈夫でしょう。なぜ、経営したいかと言うと単純に楽しそうと思ったからですね。


 次に追い出される様に仕向けた理由は、まずこのスキルが将来、父に寄って武力行使に利用されない為です。

 あと、王族やら国のゴタゴタに巻き込まれるのはめんどうだからですね。


さて、そんな私が今何をしてるかと言いますと先日、散歩中に見つけた。恐らく、出来たばっかりのダンジョンを目指しています。


 ダンジョンを経営するにはダンジョンコアと呼ばれる物が必要なのでそれを手に入れようと思います。ダンジョンコアの手に入れ方は二つ、一つは既にあるダンジョンにいるダンジョンマスターを倒しダンジョン毎奪い取る方法。

 もう一つは、闇市で高値で買う事。ダンジョンコアは割とお金になるらしくその手の人達には高値で売れるそうです。


 勿論、そんなお金がある訳ない私はダンジョンマスターを倒す方法でダンジョンコアを手に入れようと思います。


 と、そんな事を話していると付きましたね。



 ユキネは森の中にポッカリと空いた洞穴を見上げ深呼吸をし腰に刺したナイフを引き抜く。


「さーてと、どんなダンジョンなのか楽しみだね」


 ユキネは口角を上げ洞穴の中へと足を進める。洞穴の中は真っ暗で灯りも無く、魔物の気配すらも感じられ無かった。



 んー、やっぱり出来たばっかりだからですかね?何も無いですね。


 ユキネは少し考えた後、指をパチンと鳴らすとユキネの影から一匹の黒い狐が姿を表す。


「早速働いて貰いますね。先に進んで地形、魔物の有無を確認してきて下さい」


 黒い狐はコクンっと頷くと影に溶けるように姿を消した。



 あの子はシャドーフォックスと呼ばれる魔物で、本来ならこの辺には生息してないのですが、どうやら群れから逸れたようで、一匹でウロウロしてる所をテイムしました。

 レベルは20、ランクはEとこの辺なら最高ランクと行ったところでしょうか。


 ユキネはナイフをクルクルと回しながら、闇の中を鼻歌を歌いながら歩いて行く。


 数分後、索敵、偵察に出したシャドーフォックスが壁の影から姿を表しユキネの足に擦り寄りキューンと鳴き声を上げる。


「ふむふむ、成程。地形的には一方通行で魔物はゴブリンが数体のみっと。わかりました。ありがとうございます」


 シャドーフォックスの頭を撫で影に戻し背中を伸ばしてから一気に走りだす。


 一方通行かつ罠も無いならのんびり行かなくてもいいですし何より変に時間をかけて新しい魔物呼ばれても面倒ですからね。


 通路の先にいたゴブリン達の喉を掻き切りダンジョンマスターのいる部屋へと飛び込み、シャドーフォックスを再度召喚する。



「な、何者だ!」


「君がダンジョンマスターですか?会ってすぐで申し訳ないのですが…ここ、貰いますね」


 ユキネはシャドーフォックスにダンジョンマスターの近くにいるゴブリン達を相手するように指示を出しダンジョンマスターへと斬りかかる。



「クッ、このガキ……大金を払って漸く手に入れたダンジョンコアをそうやすやすと奪われてたまるか!スキル【連撃】!」


 男はユキネを弾き飛ばしスキルを発動する。



「【連撃】か。確か、攻撃の回数を1つ増やすスキルでしたかね」



 要するに相手が一回剣を振ると2回振った時と同じ攻撃になるって事ですね。

 なかなか、いいスキルですね。貰いましょうか。



 スキル【テイム】にはもう一つ能力がありましてテイムした魔物のスキルを使用する事が出来ます。

 シャドーフォックスのスキルは二つ、【影隠れ】と【強欲】

 【影隠れ】はその名の通り影に隠れる事が出来ます。シャドーフォックスが私の影にいたスキルですね。

 【強欲】は相手の使用したスキルを奪う事が出来ます。

相手は奪われたスキルを使用する事が出来なくなります。


 「そのスキル頂きますね。【強欲】」


 ユキネが手の平を前に出しスキルを発動すると黒い霧が手の平から溢れ男を包み込む。

 数秒後、霧が霧散すると男がその場で片膝を突き額に冷や汗を浮かべた。



「お、俺のスキルが……」


「さあ、これでおしまいです。素敵なプレゼントをありがとうございました」


 ユキネはニコッと可愛らしい笑顔を浮かべ男の首にナイフを突きつけ男の首を掻き切る。



「ふぅ、中々楽しかったですね」


 ユキネはナイフについた血を振り払いナイフを腰にしまい男の背後にあった黒い球体に手を触れる。

 ユキネが手を触れた瞬間、部屋に声が響き渡る。



『ダンジョンマスター トライが死亡した事によりダンジョンマスターの権限がユキネ・ホワイトベルへと移行します。尚、ダンジョンマスターが死亡した事により保有されていたダンジョンポイントが新しいダンジョンマスター、ユキネ・ホワイトベルの保有ポイントへと移行します』



 よし、ではダンジョン経営を開始するとしましょうか。



 今の保有ポイントが130ポイント、それで一回ガチャ回すのに50ポイント、計2回回せる事になりますね。



 ユキネは床に座り目の前に表示されているウィンドウをスクロールしながら顎に指を置く。


「ふむ、正直ポイントが圧倒的に足りないですねー。えーっとポイントを稼ぐ方法は……あった、これですね」


 シャドーフォックスを背もたれにしながらダンジョンについての説明などを読み上げていく。



[魔物ガチャ]

ダンジョンポイント50を消費しダンジョンに設置出来る魔物を召喚する物。

排出される魔物のランクは最低ランクのF〜Xランクとなっておりレベルは1で排出されます。

Fランクの魔物の排出の確率が1番高くXランクの魔物は1%の確率となっております。


[ダンジョンポイント(DP)]

DPとはダンジョン内に置いて様々な用途に置いて使用するポイントです。

主な使用は魔物ガチャ、ダンジョンの拡張、罠などの配置などです。

獲得の方法は様々です。ダンジョン内に侵入してきた者の討伐、他のダンジョンマスター(DM)の討伐。既に保有している魔物をポイントに変換する事も出来ます。


 と、主なダンジョンの説明はこのくらいかな後は、同盟とか決闘とかだけど今の所は関係無さそう出し無視でいいですかね。


「とりあえず、一回ガチャ引いてみましょうか」



 ユキネはウィンドウに表示されているガチャのボタンを押しスキル【確率操作】でXランクの魔物の排出確率を100%にしガチャを回す。


 これで、手に入る魔物はXランクが確定します。流石に、種族迄は決められないですけどまあいいでしょう。



 ダンジョンコアが、赤く光り輝き床にでかい魔法陣が浮かび上がる。


「ドラゴン系なら嬉しいけど流石に初期の状態のダンジョンにはデカすぎますからねー」


 光が収まり魔法陣が収縮すると魔法陣の中央に黒い羽を生やした猫が座っていた。



「これは、猫又ですね。妖怪族の中でも四番目位の強さの魔物ですね」



 ユキネは猫又に近づき手を伸ばす。猫又はユキネの手の匂いを嗅いだ後、喉を鳴らしスリスリとユキネの手に頭を擦り寄せる。


「可愛いからOKです。さて、名前を付けないとダメですね」



 SSからXランクのダンジョン産の魔物には名前をつける事が出来名前をつける事によりステータスが大幅に上がったりします。中には話せるようになる魔物もいるとか。


「じゃあ、ノワールとでも呼びましょう」


 猫又が黒い影に包まれると部屋に声が再度響き渡る。


『猫又の名前が決定しました。よって初心者ミッション『召喚した魔物に名前を付ける』及び『初めてXランクの魔物を使役する』をクリアしました。よって、DP5000ポイントが付与されます』


 おっと、これは嬉しい誤算でしたね。そういや、ミッションについても説明が書いてありましたね。まあ、普通に経営してればクリアできるでしょう。



「名前を授けて下さりありがとうございますにゃ。これより僕はユキネ様の忠実な僕として精一杯働きますにゃ」



 ノワールは、ユキネの足元で首を下げ尻尾をゆらゆらとさせながら言葉を続ける。


「して、ユキネ様。これからどういう方針でダンジョンを経営していきますかにゃ?」


「と、言うと?」


「ではご説明を。ダンジョン経営は人によって色んな形がありますにゃ。例えば、戦闘特化型のダンジョンを作りダンジョンの外へと魔物を放ち人を殺す形。

防御特化にして自分達からは何もせず入ってきた冒険者達のみを殺すダンジョンなどですにゃ」



「んー、そうですねー。あんまり自分達から攻めて余計な仕事増やしたく無いですしかといって、守るだけってのも面白く無いですし。まあ、適当にやっていきましょ」



 ユキネは、シャドーフォックスにもたれ掛かりウィンドウをスクロールしながらノワールを撫でる。


 こうして、元王族のユキネ・ホワイトベルのダンジョン経営が幕を開けた。


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