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グラン&グルメ~器用貧乏な転生勇者が始める辺境スローライフ~  作者: えりまし圭多
第七章

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閑話:王都の休日――とある商人の娘の場合・終

誤字報告、感想、ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。


本日二話目ですご注意ください!!

 ええ、店に入ったらなんかやばそうなおじさんだらけで、まずいと思って店から出ようと思ったら入り口の扉を閉められてしまって。

 他にもお店はあったのになんででしょうねぇ……なんというか、ここで道を聞かなきゃみたいな感じですか?

 ルナちゃんもです? そうそう、何かすごくこの店に入りたくなったんですよね。


 それでお店にいたおじさん達にまずルナちゃんが捕まってしまって――え? ルナちゃんを捕まえたおじさん?

 えーと、あの人ですね。ええ、そうです、後ろから腕を掴んで……ヒエッ! ルナちゃんのお兄様の騎士さんの手から光の剣が生えて来た、すごいっ!! あ、グランさんが止めてくれた。

 そうですよね、重要な参考人ですからね、さすがにいきなり斬ったりはしませんよね? でもルナちゃんの腕を掴んで引っ張ったのでしっかりお仕置きしてください!!


 え? 僕ですか? 僕も捕まってしまって、その時に女だとバレてルナちゃんと一緒に地下室みたいな所に閉じ込められたんです。

 なんで女ってバレたかって? えぇ……っと、胸ぐらを掴まれた時におじさんの手が胸にあたりまして……。ね、姉ちゃんほどじゃないですけど、ぼぼぼぼぼ僕にも一応ですね……っ! そ、それに今は成長期だからこれからきっと僕も姉ちゃんみたいに……っ!!

 え? そうじゃない? 胸ぐらを掴んだのはどいつだ? あのおじさんで……ああああああああ!? グランさん!? なんでいきなり剣を抜いているのですか!?

 すっごくよく切れそうで高そうなミスリルのロングソードですね!! 屋内でロングソードなんて……え? もう店内の椅子も机もひっくり返して広くなったから長い剣を振るう広さがある? 違う、そうじゃないと思いますよ!!

 いやいやいやいやいや、おじさんが金輪際悪さできないように手首を切り落とすって、やり過ぎですよおおおおお!!

 よかった、騎士さんが止めてくれた。ええ、僕は何ともありませんから、悪いことを全部白状してもらって、悪いことをした分だけちゃんと罪を償ってもらってください。


 って、あーーーーーっ! カメさんが飛んでったーーーー!! おじさんの顔にカメさんの華麗なる跳び蹴りがーーーー!!

 続いてルナちゃんを掴んだ方のおじさんの顔面にもーー!! そこから連続でパンチとキックがーーーー!!

 そうですよね、ただのカメさんだから仕方ないですよね。いいですね、もっとやってください。



 あ、すみません、捕まってからグランさん達と合流するまでの話でしたよね。

 地下室みたいな所に閉じ込められたのですけれど、そこの奥の方に鉄の檻があって、その中にあの妖精ちゃんがいたんです。

 それと、捕まっていたわけではないのですけれど、妖精ちゃんの周りにはエメラルドグリーンのフラワードラゴンがウロウロしていて?


 それで閉じ込められた時に手足を縄で縛られてしまって、武器になりそうなものも取られてしまって。

 でもしゅ……っしゅ……あ、正義の味方の騎士さんになら知られても大丈夫な感じです?

 ええ、収納スキルがあるのでそれで縄を収納スキルに収めて、僕もルナちゃんも動けるようになりました。


 妖精さんは僕達の言葉はわかるみたいですが、喋れないみたいでしたね。なんだかお腹が減っていそうだったので、残っていたお菓子と葡萄ジュースをあげましたね。

 フラワードラゴンにもたかられたのでフラワードラゴンには収納に入れていた果物をあげて、もう飲み物は水しかなかったので道中で貰ったワインをあげました。

 ええ、フラワードラゴン達が妙に元気で、人がいる場所でも姿を隠さなかったのはほろ酔い気分だったのかもしれませんね。


 それで、妖精さんも一緒にそこから出たいみたいだったので、僕が抱っこして一緒に脱出することにしたんです。

 え? 檻? ルナちゃんが身体強化でぐにゃーっと? すごいですよね、ルナちゃん!!

 小型妖精用のあまり頑丈じゃない檻だったから、あまり強度が高くなくて簡単に格子が曲がった? なるほどー!!


 地下室の外に見張りがいる気配があったので、こっそり入り口の鍵を外して眠くなるお香で眠らせてから脱出しようと思ったんですよね。

 そうしたらフラワードラゴン達が入り口のドアを蹴り倒して飛び出してしまって。ワインのせいなのですかね、妙に元気いっぱいで止める間もなく扉を蹴破ってしまって。

 フラワードラゴンって本当に幸運の象徴なんですか!? 王都のフラワードラゴンは不幸の象徴だったりしませんか!? 大丈夫ですか!?


 ええ、扉を蹴破ったものですからもちろん見張りの人にも気付かれましたので、ラトさんに貰ったホホエミノダケを投げて逃げました。取られた武器も近くに置いてあったので、その時に取り返せました。

 それにしてもあのキノコを初めて使ったのですが、人を傷つけることなく無力化できるすごく便利なキノコですねぇ。

 え? 麻薬ではないけれど、取り扱いには注意の必要な危ないキノコ? 笑いすぎて呼吸困難になる? ええ、確かにそんな感じでしたね、次から気を付けて投げます。 


 地下室を脱出した後は、裏庭みたいな場所だったのでそこから裏口を見つけて脱出しようとしたのですけれど、フラワードラゴン達が建物――お店の方へと走っていって、僕達だけで裏口を探して逃げればよかったのに何故か追いかけてしまったのですよね。

 ああ、この店に入ってしまった時と同じような感覚です。なんかこう、そうするのがいいみたいな思い込みみたいな?

 慌ててしまって視野が狭くなってしまっていたのかもしれませんね。気を付けます。


 それでフラワードラゴンを追いかけたらグランさん達がいて――です。

 結果、フラワードラゴンを追いかけて正解だったのですけれど。

 不思議ですねぇ、まぁフラワードラゴンは幸運の象徴ですから……本当に幸運の象徴なのかはわかりませんが。


 あの妖精さんは幸運を呼ぶ妖精さんだって、青いお兄さんが言っていましたよね。

 ここの奴らが妖精を幸運能力目的に捕まえたものの、その妖精が幸運を呼ぶ力を自分のために使って、僕らがたまたま巻き込まれて呼び寄せられたのかもしれない?

 力はなくとも自分の都合のいいように幸運を操る妖精ですか……、想像するととても怖いですね。

 そうですねぇ、グランさんと逸れてしまってご迷惑をおかけすることになったし、変なおじさん達に絡まれたり、閉じ込められたりしましたけれど、ルナちゃんと出会えたのは幸運でした。


 僕はピエモンに住んでいるのでなかなか会いに来ることはできませんが、手紙をたくさん書きますね。

 ええ、僕宛の手紙はピエモンの冒険者ギルド留めで大丈夫です。ルナちゃんのは――王都の冒険者ギルド留めで受け取れるように、騎士のお兄様が手を回してくれる? そうですか、では王都の冒険者ギルド留めで手紙を出しますね。

 冒険者になった方が郵送料が安くなるから、僕と文通するために冒険者に登録できるように騎士のお兄様が一番上のお兄様に掛け合ってくれる?

 貴族様なら送料くらい……あ、これが粋な計らいってやつですか!! ルナちゃんのお兄様は素敵なお兄様ですねぇ。

 え? はい! ルナちゃんとずっと仲良くします! たくさんお手紙を書きますね!!


 あ、そろそろ時間ですか? ここから冒険者ギルドまで十五分くらいでしたっけ?

 まだ少し早いけれど待ち合わせに遅れないように早めに出発しろ? 騎士さん、お気遣いありがとうございます!!

 今度はグランさんと一緒なので迷いませんよ。はい、また明日詳しいお話をしにグランさんと一緒にお伺いします。

色々ご迷惑かけてすみませんでした、ありがとうございました。



 あれ? 今、窓の外に銀色の頭が見えたような……、アベルさんかと思いましたが誰もいなかったようですね。僕の気のせいでした。

 そうですよね、アベルさんがいたら中に入ってきますよね。

 あ、はい。ではそろそろ冒険者ギルドに行きますね。


 ルナちゃんまたね!!







お読みいただき、ありがとうございました。


※明日と明後日の更新はお休みさせていただきます。

日曜から更新再開予定でグラン視点に戻ります!!

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― 新着の感想 ―
次から気を付けて投げます。 あ、使わないようにしますじゃないんだキルシェよ・・・ まったく誰に似たんだか! 今回の出来事は、明らかにキルシェがグランの言い付け守らずに起きたことではあるが(ルナの…
[一言] 座敷わらし?に、呼ばれてしまったらしい
[一言] キルシェの体に触れる不届き物は手を落とされて腕の肉を生ハムみたいに削がれても、しょうがないッスなぁ!
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