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グラン&グルメ~器用貧乏な転生勇者が始める辺境スローライフ~  作者: えりまし圭多
第四章

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ハーフエルフでよかった

誤字報告、感想、ブックマーク、評価、いいねありがとうございます。

 しまった、俺としたことが大変な事やらかした。

 そして、周囲からは多数の視線を感じる。それは全て俺の方に向いている。

 助けてタンク様!! このをヘイト全部持って行ってくれ!!


「カリュオン助け……」

「これは、俺でも無理だ」

「これは、完全にグランが悪いわ」

「グランさん……これは酷いですね……」

「ホント、そういうところだよね」


 俺から少し距離を取り、四人がヒソヒソと小声で話している。

 ヒソヒソしていないで助けてくれっ!!





 ここは十三階層目のセーフティーエリア。本日の野営場所である。

 そして、今俺は夕飯の準備をしている。

 いやー、米も手に入ったし、シランドル旅行でユーラティアでは見かけない、スパイスもたっぷり確保した。

 だから、ついやっちゃったんだよね。前世でのキャンプの定番メニュー。

 以前作った時はアベルやラト達にも好評だったし、キルシェ達にもお裾分けしたら喜んでもらえたアレ。

 そう、カレーである。


 ジュストもいる事だしと思って、米とカレーを用意をして来たんだ。

 セーフティーエリアに到着して、他のメンバーにテントの準備を任せて俺は食事の準備に取りかかった。

 カレーを取り出す前に、トッピング用のボアカツをジュワアアアアアアアアッと揚げている時から、何だかチラチラと見られていた。

 揚げたてのカツメチャクチャいい匂いするからな!!


 そしてカツが揚げ終わって、収納に突っ込んだカレーが入った鍋を出して温め始めたら、カレーのスパイシーな香りが周囲に広がってしまい注目の的になってしまったのである。


 そして今、テーブルを出して、でっかいボアカツの乗ったカレーを並べながら、周囲からのじっとりした視線を体で受け止めている真っ最中である。


 ユーラティアで一番人口の多い町――王都近くの、稼ぎの良い大規模ダンジョン。

 先日行った、オーバロの小規模ダンジョンとは比較にならない程、訪れる冒険者が多い。

 大規模故に泊まりがけで来るパーティーも多く、セーフティーエリアには多くの冒険者が野営をしている。

 そこで、うっかりカレーの香りテロをしてしまった。

 めっちゃ見られてるううううう!!! ごめんなさい!!! うちのパーティーは大食漢ばかりなので、お裾分け出来るほどないんです!!!


 やばい、これはすごく食べ辛い。

「この恨めしそうな視線に晒されながら食べるのも、優越感があっていいね。あ、でも見てるだけなんてかわいそうだから、せめて匂いくらいお裾分けしてあげる?」

 夕食の準備のできた簡易テーブルにアベルがやって来て、椅子に腰を下ろしながらそよそよと風魔法を使った。

 今更だが、むちゃくちゃ性格悪いな!?

「スパイスの香りがすごいわね……。シランドルの南部のスパイスかしら?」

 さすが食通リヴィダス。スパイスにも詳しいのか。

「何これ? すごいお腹の空く香り! お、上に乗ってるのはボア肉のフライか! 白いのはリュの一種か? エルフ里でリュはよく食べてたな」

 カレーの香りはカレーを知らなくてもお腹が空くものなのか!? それともカリュオンだからか!?

「カ……か……角切りのニンジンがでっかくて美味しそうですねぇ!」

 ジュスト、今なにかポロリしそうなのを誤魔化したな? というかニンジンは角切りじゃないぞ?

「え? ジュストはニンジン好きなの? 俺のもあげようか?」

 アベルは普段ニンジン食わねーんだから、カレーの日くらいニンジン食っとけ!!


 というわけで、今夜はカツカレーである。

 みんなよく食べるので、食べ応えがある方がよさそうだと思い、野菜はゴロゴロと大きめに切り、カツも大きめだ。

 カレーならアベルもニンジンを食べるんだよなぁ。


「ホント、俺、エルフじゃなくてハーフエルフでよかったよ。エルフだったらこんなに肉を食べられないもんな」

 ものすごい勢いでカツを口に運びながら、カリュオンが言う。

 カリュオンだけカツが二枚分だ。


 俺もよく知らないが、以前カリュオンに聞いた話だと、エルフは肉や魚を食べ過ぎるとお腹を壊すとかで、肉や魚控えめの菜食メインらしい。

 聞いた感じからして、エルフは動物性タンパク質か脂肪の消化が、苦手なのかもしれないな。

 カリュオンはハーフエルフで人間の血が混ざっている為、肉も魚も全然平気というか大好きである。むしろ、肉ばかり食っているイメージである。


「いやー、ホント普段肉を食ってたら、ぜぇーーーったい、エルフの里になんか戻りたくなくなるよ。あそこ、野菜しか出てこないし、肉が出てきてもほとんど鶏肉か白身の魚だし」

「うっわ、絶対行きたくない」

 野菜嫌いのアベルがカリュオンに同調する。

 野菜は嫌いじゃないが、そればかりだと食べた気がしないしなぁ。いや、でも野菜ばかりの場所には、菜食の為に工夫された料理もあるはずだよな。それは少し気になるな。

 もしかしたら、肉を使わず肉っぽい食感の料理とかあるかもしれない。機会があればエルフの料理も食べてみたいな。




 夕飯が終わって少しだけカレーが残っていたので、パタイモを茹でて潰して残ったカレーに混ぜて、それにパン粉の衣を付けて揚げてカレーコロッケにした。

 うっかり匂いテロをしてしまったので、ご近所さんに詫びコロッケだ。

 とても喜んでもらえて、お礼に素材を色々貰ってしまった。

 ええ、コロッケを少しだけだったのに、配りに行った先々であれこれ貰ってしまい、自分達のテントに戻って来た時にアベルに呆れられた。


 貰った物の中には、質の良い魔石や鉱石、薬草や魔物の素材など、コロッケの対価には高すぎる物ばかりだった。せっかくなのでありがたく収納の中に納めておこう。

 なんだっけ、そう、わらしべ長者な気分だ。









 昨夜は、セーフティーエリアでうっかりカレーテロをやってしまったので、朝食は周囲に匂いテロにならないものにしよう。同じ失敗は繰り返さないのだ。

 いつものように、見張りは最後だったので早朝から朝食の仕込みをしていると、他のパーティーの見張り役が、料理を教えてくれとやって来たので、一緒に料理をしていた。

 日持ちのする材料で、野営でも簡単に作れる料理をいくつか教えると、またお礼を貰ってしまった。

 昨日から色々貰いすぎだな!?

 皆が起きてくる前に解散になったので、色々貰ってしまったのは内緒だ。


 というわけで、今日の朝食は安くて保存の利く食材で、誰でも簡単に作れそうなメニューになった。

 乾燥させたイッヒの果肉を一口サイズに切って、チーズと一緒に薄切りベーコンでしっかり包んで、フライパンで焼いただけだ。

 マルゴスに何にでもチーズを使いすぎ言われたばかりだが、イッヒもベーコンもチーズが合うから仕方ない。

 イッヒは腹持ちがいいから、ダンジョンでの朝ご飯には丁度いいんだよね。

 もちろんそれだけでは足りないので、パンとスープ代わりのポトフも用意してある。



 朝ご飯が終われば、片付けをして出発だ。

 今日は十五階層でミミックを狩って、余裕があれば十六階層まで行く予定だ。

 十六階層は森のエリアである。

 そして、ここにはエンシェントトレントがいっぱいいるし、ボスはエルダーエンシェントトレントだ。

 エンシェントトレントの材木のストックが減ってきたし、十六階層でエンシェントトレントをたくさん狩るしかないな!!

お読みいただき、ありがとうございました。

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