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グラン&グルメ~器用貧乏な転生勇者が始める辺境スローライフ~  作者: えりまし圭多
第十二章

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閑話:古代竜超会議――あそこのその後

誤字報告、感想、ブックマーク、評価、いいね、ありがとうございます。

「うむ、赤毛達と森の奴らは寝たようだな。それではここまでの報告とこれからの話し合いをするとしよう。小さき者の暮らしに介入することは控えるべきではあるが、古代竜の子に手を出すということはどういうことか知らしめなければ古代竜の威厳に関わることになる。故に由緒正しく最古で元祖の古代竜の俺、シュペルノーヴァの名においてこの度の人間への制裁は何も問題ないとしよう。二つ名持ちの古代竜が集まって騒ぎすぎたから、小うるさいアルコイーリスが起き出して文句を言ってくるかもしれないが、その時は俺が誤魔化しておこう。まぁ、あいつは不貞寝中だから大丈夫だろ」


「ていうか、そもそもあんな大騒ぎになったのは、おっさんとおっさんが大人げなく蹴飛ばし合いを始めたからだろ? 古代竜たる者、己の偉大さと絶大さを理解し周囲への影響を考えまずは魔力比べから始めるものだろ? アルコイーリスが出しゃばってきて、面倒くさい説教を始めたとしても、俺様達はおっさん達を止めに入っただけだし俺様達は関係ねーし……って、あいつのことだから俺様達の話は聞かずに全員まとめて説教を始めそうだな。あいつのそういうとこが面倒くさいんだよ」


「…………………………」


「…………………………」


「亀が常識的なことを言っているぞ! つい千年くらい前までは、力比べなんてすっ飛ばして先手必勝とか叫びつつ津波を起こすしか脳のない亀だったのに! 何だか悔しい気がするが、自分の子ではなくとも子供の成長というのはやはり喜ばしいものだな。うむ、先日はついカッとなって悪かった。偉大で大人な俺は、己の非を認めて謝罪することができるのだ」


「うむ……悪いのはほんの一部の者だけだとわかっていながら、子供のことでついカッとなってしまってすまなかった。しかし、あの亀がすっかり成長して……古代竜の力を持つ亀が生まれたと聞いてうちの親父と共に祝いにいった時はあんなに小さくて可愛かったのに、何をどうやってあんなにやさぐれてしまったのか……いや、だがすっかり大人になって多少は常識も身に付けて――って、貴様! うちのご先祖様の墓の入り口にダンジョンの海を作り出し、入り口を水没させたのは貴様だろ! 我が先祖の眠る墓故に彼らの記憶より生まれしダンジョンではあったが、その一部を海に塗り替える非常識な所業――間違いなくクーランマラン、貴様の仕業だろ! ていうか、墓の入り口が海の底になってしまって、墓参り行けなくて困ってるから何とかしろ!」


「何だその一瞬の間は!? 失礼なおっさんどもだな! って、俺様をいつまでも子供扱いするな!! あ? リーベルタースのご先祖様の墓? んなもの俺様が知るわけ――――――ぁ……………………っ」


「あ? その反応、やはり貴様か! ほぼ確信はしていたが、うちのご先祖様の墓を海底に沈めたのはやはり貴様か!」


「いやいやいやいやいやいや、あれはあそこに眠る徘徊老竜……違った、あの地に眠る亡霊が目覚めて出てこようとしたから、寝床に戻ってもらってもう徘徊しないように蓋をしただけだ。海で」


「今、徘徊老竜と言ったな!? 僕の親父やご先祖様を徘徊老竜と言ったな!? 確かに墓から抜け出して徘徊してたら、徘徊老竜――亡霊なのだが。だからって、墓の入り口を海で蓋をしたら墓参りにいけないだろうが! この馬鹿亀がッ!」


「あ? 今、俺様のことを馬鹿と言ったか? あぁん? いい年こいて非常識なおっさんのくせに、賢い俺様に馬鹿と言ったか? もしかして喧嘩を売ってんのか? この非常識おじめ!」


「おじ!? 僕はまだ若い! お前等の世代より数千年程度しか変わらない! おっさんとか爺とかいうのは、僕達より数万年上のシュペルノーヴァやアルコイーリスの世代のことだ!」


「どさくさに紛れて俺を爺扱いするとは、良い度胸だな。やはり先日の決着を――」


「お~い、おっさん達~? ここは赤毛の家の温室だぞ? こんなところで偉大な勝負を始めると、いくら偉大な僕が偉大な睡眠魔法をかけているからといっても、カリュオンや赤毛達が起きてしまうかもしれない。偉大な僕が鍛えたカリュオンは気配に敏感だし勘も良いから、僕の魔法をすり抜けて起きてしまうかもしれない。カリュオン達だけではない、森の奴ら――世界樹の女神は夜は力が弱まり、また白い珍獣は酔っ払って、どちらもぐっすり眠っているが、古代竜がすぐ近くで争いを始めれば奴らも起きてしまうだろう。森の奴らはなんだかんだで面倒くさいから、おっさん達のくだらない喧嘩の決着はどこか遠くの南の島でやってくれ。ていうか、何故リーベルタースがここにいるのだ」


「テムペストまで僕のことをおっさん扱いしやがって……しかし、白い珍獣もいるのか。あいつは面倒くさいから、起こさないためにシュペルノーヴァとの勝負はまた後日そのうちいつか覚えていたらにするとしよう。うむ、僕がここにきたのは――そうだ、そこの阿呆亀が、うちの墓を水没させたのをどうにかしろと言いにきたのだ。それとセロ――僕の息子を閉じ込めてた連中への報復に参加してくれた礼を言いにきただけだ。亀に墓は水没させられたが、それとこれは別の話だからな」


「うむ、古代竜の子に手を出したことも許せぬうえに、あそこは色々臭かったから偉大な俺の偉大な炎で燃やして浄化しておいた。例のナリソコナイ達を元に戻すことは不可能だが、部外者が一方的な判断で始末するよりは当事者に委ねるのが良いと判断し、燃やすのは研究施設とその持ち主の住み処だけにしておいた。俺は慈悲深い古代竜だからな」


「僕がそこに雷を落としてその周辺では植物が育ちやすくなってそうだったから、幸福を吸って育つ三つ葉の苦労葉の種を大量にばら撒いておいたぞ! 吸い取った幸運を凝縮した四つ葉の苦労葉も稀に現れるかもしれないが、あの地のエメラルドグリーンのフラワードラゴン達は四つ葉の苦労葉が大好物だからな、幸福の四つ葉はフラワードラゴン達に食い尽くされてしまうことだろう――あの自分だけに幸運を呼ぶ邪竜達に!」


「さすが森に引き籠もりオタクのテムペストはやることが陰湿だな。しかし古代竜は繁殖力が低い故、我が子でなくとも子は宝。そしてそれに仇をなす者には徹底的に我らの偉大さを示さなければならない。というわけであの地には地震を起こして土をフカフカにしておいたついでに、向こう百年程度ひたすら雑草が育つ偉大な呪いをかけておいた」


「マグネティモスも十分陰湿だと思うが。お前等と違って爽やかな俺様は、雑に偉大な水柱を生やしただけだな。が、俺様の水を得て苦労葉は更に良く育つだろう。そこに住む者の幸せを糧として――っていうか、碌でもない植物だな!?」


「では、僕がかけた夢見が悪くなる呪いと苦労葉の効果で、首謀者一族どもは、人間に与えられた短い時間を不運と悪夢で苦しみながら過ごすことになるだろう。ふはははは、古代竜の恐ろしさを思い知るがいい!」


「でもお父さん、僕にお菓子をくれてあの人間のとこに連れていったのは、人間じゃなくて顔の半分だけお面を付けた不思議なお兄さんだったよぉ」


「…………セロ、良い子だからそいつのことは忘れるんだ。いや、そいつには絶対関わってはいけないと覚えておくんだ。お菓子をくれてもそいつは悪いお兄さんだし、無駄に強くてぶっ飛ばせないので関わってはダメな奴だ。いいか? あの顔とあのお面を見たら即反転だ」


「いやいやいやいやいやいやいや、そもそもその食い物に釣られてひょこひょこついていく教育をどうにかしろ! 賢くて偉大な古代竜の俺様は知っているぞ、子は親を映す鏡! 子は親の背を見て育つ! 非常識は親から子へ! 断ち切れ、非常識の連鎖! ということでリーベルタースの子よ、反面教師という言葉を知れ。この世には悪い手本の大人はたくさんいる。いいか? 己の目で常識を見極め常識のある古代竜に育つのだぞ。この俺様、クーランマラン様のように! あと、あの半面には絶対関わってはならない。それから薄い紫色の髪の毛をしたやたら美人な女もだ。ついでに赤毛系の人間も用心のために要注意人物リストに入れとけ」


「もっともらしいことを言っているが、クーランマランもつい数百年、数千年前まではいきり散らしてからな。いいかい、幼き古代竜よ。非常識とは一見常識のような振りをして近付いてくるから気を付けるのだ。常識と非常識、それを見分けるためには知識を身に付けることだ。知識は場所を取らない、知識は武器となり防具となる、そして一言に常識といってもところが変われば常識も変わり、その場所と場合に合わせた常識を知ることをできる。幼き古代竜よ、森の大賢者という異名を持つ僕――テムペスト様のように賢く博識な大人になるのだ。それからクーランマランの言うように、半面奴は決して関わってはならぬ。あれらはこの世の諸悪の権化だ。紫髪の女神は……女神だからまぁいいんじゃないかな? たまに都合良く利用されるが、物知りで色々教えてくれるし」


「テムペストは知識は豊富だが、森に引き籠もりすぎて世間知らずなところがあるけどな。そこはこの私、偉大なマグネティモスのように――私もつい最近まで休眠期だったから最近の事情には疎いな。だが、古代竜たるもの、そのような細かいことは気にしてはならない。終わりのない時の中、なるようにしかならないことも無限にあるのだ。幼き竜よ、大らかたれ。細かいことなど気にすることなく育つが良い。それから半面奴、あいつは関わってはならん。紫髪の女神は……被虐趣味があるなら関わってもいいのではないかな?」


「そうだよ! お前等のような奴だよ! さも自分は常識の化身みたいな顔をした非常識な奴らっていうのは! いいか、セロ。こいつらは今でこそ多少は落ち着いたが、つい数千年前までは古代竜界隈を震撼させた、三大クソガキ竜だったからな? 適当な力加減で遊んで、そこをシュペルノーヴァのおっさんに力尽くで止められて抵抗して、地震雷火事津波の大災害。四大元素を司る古代竜が非常識という常識を確立した連中だ。まさに反面教師! ていうか半面! ここ最近、僕は被害を受けてないが、紫髪の女神! どっちもシュペルノーヴァが仲が良かった奴らだよなぁ!? あいつらが何かやらかす前に何とかしてくれよ! 最古で偉大な元祖古代竜なんだろ? 頼むぞ、偉大なシュペルノーヴァ!!」


「ギクゥ!! そんなこと言われても、何とかしろで何とかなってたら、有史以来の悲劇と惨劇がどれだけ回避できていたことやら。なのであれは諦めろ。リーベルタースも己で言ったではないか、無駄に強くてぶっ飛ばせないので関わってはダメな奴だと。そう、関わってはならぬだ。古来より言われる、触らぬ神に祟りなしとはまさに奴らのことだ。リーベルタースの子が人間に捕まっていた件も、あのリュウノナリソコナイが作り出されていることも、だいたいは半面野郎の仕業で間違いないが、偉大な古代竜ですらどうにもならないこともある。それがこの世というものだ。無理なものは無理と己の限界を認めることができるのも、偉大で賢いからこそだ。というわけでいさぎよく諦めて関わらないことにしよう」


「そうだな、あいつは面倒くさいからな。うちの親父もあれに関わったが故にガーランドと大げんかになり、その結果に生を終えることになったからな」


「うむ、うちの爺様もあいつは神の中でも非常識中の非常識だから触るなって言ってた」


「僕んとこの森も、あいつにソウルイーターっていう厄介な害虫をばら撒かれて大変だったからな。あいつとはもう二度と関わりたくない」


「まぁ半面奴は関わらないに越したことはないな。あとアレの双子の兄も非常識の塊だから絶対触ってはならんぞ。同じ顔で仮面を付けてない奴に会ったら、そいつが非常識の片割れの非常識だ」


「うむ……我ら古代竜は偉大で賢い。手の及ばぬ者は触らないという選択肢は、賢いからこそできる選択肢なのだ。決定! これで決定! 半面奴のことは気付かなかったことにして、触らずほっとこう! 最古で元祖で偉大なシュペルノーヴァ様にもどうにもならないことはあるのだ。一応奴とは付き合いの長い俺が会うことがあったら適当に他のことに興味を逸らさせておくことにする。なので奴の話は終了! 奴の話題をしてると、ヒョッコリ現れそうだからこれにて終了!!」









お読みいただき、ありがとうございました。



※明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!!

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― 新着の感想 ―
ある意味、ゴキブリ扱いやな二神
新たな小型謎生物とセロ君が食卓に並ぶ日も近い?!
あけましておめでとうございます。 皆非常識!w反省会なのか皆でダベってるのかw 徘徊老竜w 結局皆、昔は、いきりまくりだったんですね!w大人しく?なったけど、結局今でも非常識!w
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