青い狼
ドラゴン殺しの変態冒険者ひょっとこ仮面が生まれた
ドラゴンがいたダンジョンから逃げて数日がたった。
俺は森の中でモンスターを何匹か狩りながら街へと向かっていた。この辺りのモンスターはそこそこの強さだから力加減が楽で倒しやすい。とりあえずこれでお金の方は問題ないだろう。
森を抜けると向こうの方で青い狼とそれを相手に戦っている人達が見えた。
かなり数がいるようなので、狼を何匹か倒しつつ声をかける。
「手伝います!」
一瞬驚いていたが、一人がこちらの呼びかけに答えてくれた。
「数が多くて困ってたんだ。そっちのブルーウルフどもは任せて平気か?」
「任せてください!」
言われた方の敵を斬っていく。練習のお陰で周りに被害を出さない戦い方は完璧にやれている、やはり最初にダンジョンに行ったのは間違ってなかったな、身につけるべき技術を得られた。
…払った代償はでかかったけど
ブルーウルフを倒した後、先ほど返事をしてくれた人が俺に話しかけてきた。
「俺はアレックス、Bランクのパーティー疾風の剣のリーダーをやっている。さっきはありがとう!君も冒険者か?」
「俺はさとしです。まだ冒険者じゃないんですけど、これからなる予定です」
「冒険者になる予定ってことはこれからケヤンロにいくのか?」
「はい、その街に冒険者のギルドがあると聞いたので今はそこに向かってる途中です。皆さんはクエストですか?」
「俺たちはクエストが終わって帰っていたら偶然ブルーウルフの群れと遭遇してしまったんだ」
アレックスさんは運が悪かったぜと言っているが、あまり苦戦しているようには見えなかった。
まあ森で遭遇したモンスターより弱いけど数だけは多かったからめんどくさかったってことかな。
「それにしても並みの冒険者でも苦戦するブルーウルフを倒せるなんてすごいな!」
ん?あなた方も普通に倒してましたよね?
「しかもすべて一撃で倒すなんて、こいつらと何回も戦ってる俺達でも真似できる芸当じゃないぞ」
倒し方も気をつけないとなのか。
「そういえば君、森の方から出てきたように見えたけどもしかして森に入ったりしてないよな?」
いやな予感がした
「ソンナワケナイジャナイデスカ」
「あの森は危険なモンスターと邪悪な瘴気に満ちていて、入ったら二度と帰ってこれない危険な森なんだ」
普通に出れました
「まあそもそも瘴気がすごすぎて誰も近寄らないんだけどな!」
どうやらあの森のモンスターは売れそうにないですね…




