チェス、リバーシ、トランプ
ヴォイヅェルトとクレアルージュは、お互いに夢の内容を話して娯楽を模索していた。そこには、ジェスロ、アスカ、デルコの他に勉強会に出て一月で幼い口調が消え始めたフランシスカとプラムシリカ、この村で唯一の商人の息子、ハイル・ベンラム、木工職人の息子、ガーラントの2人も参加していた。
ハイルは、12歳で黒髪で白い肌の純粋な人間の女の子。仕事を手伝っているため勉強会には、たまに、出るだけであるがヴォイヅェルトとクレアルージュの閃きに商会として資金提供を受けている。
ガーラントは、13歳で肌の色は、肌色で髪の毛は、黒に近いブラウン。去年まで勉強会に参加していた。今は、職人見習いで実家を継ごうとしている純粋なドワーフでTHE・漢見たいなヤツだ。
ヴォイヅェルトとクレアルージュの夢から娯楽でたどり着く再現可能なのは、チェス、リバーシ、トランプのみであった。
トランプは、開発後にゲーム紹介の為の本を作る為後回し。チェスとリバーシを作ることにしたのだ。
リバーシのルールは、覚えていたがチェスは、曖昧な記憶なので将棋のルールを混ぜて作り上げることにした。
「俺がデザインするから、ガーラントが下地を加工して、ジェスロは、孤児院の学校に通いたい子たちに声をかけてくれ。集まったらクレアルージュの指導のもと手伝ってくれ。」
開発や制作のときは、ヴォイヅェルトがリーダーになり、開発、デザインをする。デザインをもとにクレアルージュが完成品を作り上げる。
ガーラント、クレアルージュを中心には、手先が器用な数人がパーツを作り上げ、残りみんなで組み立てていくのが常識である。
最近は、万能魔法袋が出来上がったが子供たちが作り上げたものでかなり高額で商人たちや貴族が買ってしまった。
容量が100メートル四方のものだった。がもうこんな容量後にものは、作らないだろう。魔法袋は、空間魔法を使える魔法使いと錬金術師が既に量産を始めている。自重を知らない子供たちとは、違うのだから…
「頭の中でデザイン出来たけどチェスは、加工が複雑になりそうだから、50組にしておこう。リバーシは、ルールも単純だしデザインが高級なものを50組、簡易に木材加工下あとに塗装しただけのものを100組作ろう。」
「ヴォイヅに賛成だけど。僕の意見は、チェスの駒は、職人に任せた方がいいよ。今、かかれたデザインだとガーラントだけしか加工できないから。ガーラントの意見も聞いた方がいいよ」
ヴォイヅのラフデザインの駒を見ていたガーラントに全員の目が向いた。
「確かにオレっちにしか加工無理だ。オレっちが加工したものを親父に見てもらってから量産だな。今回は、無理だがこっちでデザイン簡易すれば安い量産品いけるな。今回、木材加工は、職人巻き込んでやるべきだ。最初以外丸投げならな」
ハイルがガーラントの話を聞いて口を開いた。
「皮やフェルトなどを張って高級感を出さないか?金物屋で細工するだけじゃなくてさ。材料は、私の方で用意させてもらうよ。あとは……ヴォイヅ、デザイン用の絵の具まだ大丈夫?」
「絵の具は、大丈夫だ。ラフ用の炭がそろそろなくなりそうだ」
「わかった。用意する」
「チェスは、あえて塗装だけでいくから、彫刻含めて全て職人任せにしよう」
「最初から丸投げって………オレっちのせいか、帰ったら親父に相談だな…………」
ガーラントが自爆して頭を抱える
クレアルージュがそれを見て吹き出しそうにプルプルしている。いい性格をしている。他人の不幸は蜜の味。
そんな中学校にいくつもりのないデルコが口を開いた。
「今回もおチビ達は、任せるんだなぁ。」
デルコが参加している理由は、その間の勉強会の為だ。開発、制作、生産中は、勉強会に参加しない事が多い。孤児達にとって学費を稼ぐチャンスだからこそ大切なのだ。ジェスロとアスカの助けになるためにデルコは、参加している。
「デルコいつもすまない。ボク達が動いてる間頼むよ」
「ワタシ達、いつか必ず必要な時にデルコをたすけるわ」
ジェスロとアスカがデルコにお礼を伝えた。デルコは、いつもの優しく幸せそうな笑顔で「気にするな」と示した。
フランシスカとプラムシリカは、「お兄ちゃんスゴい」とずっと目をキラキラさせているだけだった。がデルコの手伝いをすると申し出て手伝うことになったのだった。
ヴォイヅェルトが少し気合いを入れた目をしたあと一言
「みんなで成功させよう」
全員が一声に返した
「当然」
「任せろ」
「おーーーーー」
「「頑張るのーーー」」
「にゃふーーーー」
「やるぞーーーー」
「どんとくるんだな」
最後バラバラでなんとも締まらなかった。本当に成功できるのだろうか?
なんとも言えない空気のなか無言で解散、現時点でできる事をそれぞれ始めるのだった。