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願望を抱いて転生を  作者: [装備]片栗粉(紙袋のヤツ)
クーベリカ村の日常
7/26

自己分析のち観察

朝食前のあとヴォイヅェルトは、フランシスカとプラムシリカを連れてクレアルージュの家に向かった。

出迎えたクレアルージュは、ニヤニヤしていて今にも、吹き出しそうだった。明らかにさっきの叫びが原因だろう。毎回のことである。


「ヴォイヅってば無意識に殲滅魔法の構想を…ブフっ…………」

 

ヴォイヅェルトは、「俺、何を叫んだんだ!?」という顔をしていた。ダンヘルドとヴォイヅェルトの叫びは、無意識である。誰も言わないが「双子全裸ミケランジェロー」とヴォイヅェルトが叫んだ事がある。この時、クレアルージュの腹筋が崩壊した。この事は、本人のみ知らないヴォイヅェルトの黒歴史である。というか誰も言えなかった。だがその叫びがクーベリカ村に画期的なアイデアをもたらしでいたのでバカに出来ない。

 

「フラン、プラムおいでー」

「かわいくー」

「かーいくー」

 

フランシスカとプラムシリカは、兄をクレアルージュに取られると思いながらもクレアルージュ本人も好きなのでなついている。

そしてヴォイヅェルトをよじよじ登りながら肩を目指す3歳児がいた。クレアルージュの弟グリムであり高い所が好きなので今いる中で一番高いヴォイヅェルトを登っていた。そこに山があるから的なノリなのだろう。目付きは、良くないが愛嬌のある顔をしている。


グリムが登り終わると肩車しながらクレアルージュの部屋に入った。この世界の一般的な子供の娯楽といえば読書か写生か訓練と称したチャンバラ、女の子ならおしゃれも含まれるだろう。クレアルージュのメガネもおしゃれで着けているだけである。

クレアルージュの部屋に入るとすぐに姿見がある。ヴォイヅェルトは、移りこんだ自分の姿を見た。全体的に父ダンヘルドに似ており髪色は、白銀で前髪の左一部だけ薄めのエメラルドグリーンであり父とは、色の出方が逆である。顔は、美形でキリッとした父の顔立ちに童顔で愛らしい母の顔立ちのいいとこ取りである。今では、間違えられなくなったが女の子と良く間違えられてクレアルージュに笑われていた。瞳は、赤と青のオッドアイである。父の紫の瞳が母の濃いエメラルドグリーンとシルバーグレーのオッドアイに引っ張られたのだろう。妹達の顔立ちは、母のクローンである。フランシスカは、キレイなプラチナがかったエメラルドグリーンの髪にエメラルドグリーンの瞳。プラムシリカは、母と同じプラチナがかったブロンドの髪に紫の瞳である。

種族が混じれば混じるほどどう色の変化が出るかわからないらしい。


クレアルージュとグリムは、髪色が同じで赤に限りなく近いブラウンである。クレアルージュは、母のテレシアに良く似ている。普通なら母に似た知的美人成長するだろうがドワーフの血が入っているため途中で成長が止まるだろう。クレアルージュは、髪を長く伸ばしてゆるふわな感じの一本のみつあみにしている。母とお揃いである。服は、機能性重視だが細かなおしゃれをして楽しんでいる。

グリムは、まだ幼いためなんとも言えないが頭は、よろしくないようで当たって砕けてもめげず高い所を目指している。顔も中身も父ギルムに似たようだ。


ジェスロは、孤児であり親のことは、わからない。冒険者が魔物に襲われた馬車の生き残りの赤ん坊にジェスロと名づけて託していったのだ。11歳前の占いによる導きで狼獣人だけでなく魔人族の血が入っていることを知ったのだ。ジェスロは、孤児院で今、子供達のリーダー的存在である。勉強会もジェスロが考え同じく孤児のアスカと共に始めた。そこにヴォイヅェルトとクレアルージュが乗っかり村全体に広まった。その結果孤児院の困窮もなくなり、子供達の成長にも繋がった。

アスカは、猫獣人の母が病気で亡くなるまで一緒にいた。なくなったあと村ぐるみで育てていたがその村が違法奴隷商に襲われ、このクーベリカ村も襲おうとしたが、返り討ちにあい捕まっていたものは、クーベリカ村の村民になった。


デルコは、家族でクーベリカ村に越してきた。猪突猛進じゃない穏やかな猪獣人一家は、すぐに受け入れられた。デルコを引っ越してきた次の日に勉強会に引っ張りこんたクレアルージュだが、事実は、気絶させて引きずって行っただけ。持ち前の優しさでクレアルージュを許して「今度は、やったらダメ」とクレアルージュを叱った。そのあとに「友達を紹介してくれてありがとう」と。デルコは、数時間で頼られる存在になった。


クーベリカ村の村民は、みんな温和そうに見えるが元冒険者が8割である。しかもAクラスがゴロゴロおりヴォイヅェルトの両親のようにSクラスも中には、いる。グリステン王国の特別自治区扱いでは、あるもののどの国にも属さず街ですらない。自由なので冒険者引退後、集まって来るのだ。


治安がいい理由も悪い噂を持っているやつらは、ここにいる元冒険者達に復讐すら考えられないほどボコボコにされているからである。


そして村長もいなければ孤児院の院長もいない。全員平等で代表もダンヘルド含めた元Sクラス5人である。既婚の場合は、どちらか1人なのでナスタは、代表にならない。代表だからといってにかするわけでもないので形だけであろう。


ヴォイヅェルトが色々考えて頭を回すことで宝物庫という指輪かブレスレット型の空間収納、魔法袋というなのカバン型、巾着袋型の収納が生まれたのだ。更に錬金武装なども開発中である。ただし純粋な獣人は、微弱魔力しかなくこれらの魔道具が使えなかったため研究中である。

魔法袋に関しては、解決できそうだが、宝物庫は、魔力がないと扱えないと結論が出ていた。


「「にーに、できたのー」」


ヴォイヅェルトは、妹達により考え事の世界から帰還した。クレアルージュにセットしてもらった2人の髪型を崩さないようにそっと頭をナデナデしあたとグリムをテレシアに引き剥がしてもらってから勉強会へと向かった。


「ヴォイヅ今日は、何の勉強だっていってた?」

「確か種族の成り立ちとか歴史らしいよ。」

「確かに僕たちには、そろそろ必要な勉強だねー」

「俺は、その辺り終わってるから地理かな」

「ふらんと、ぷらむは、なにをしますか!にーに、おしえて!」

「ぷらむは、たのしい、おべんきょうをしたいのー」

「「フランとプラムは、本が読めるように字の練習」」


ヴォイヅェルトとクレアルージュは、同じ事を考えていたらしい。フランシスカとプラムシリカは、字の練習さえすれば自力で学べるだろうと。そして勉強会に参加するようになり幼い口調も直っていくことになる



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