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二人の母親
次の日の朝、零斗は朝早く起きると日課のランニングをする。
帰ってきて朝ごはんを食べるとインターホンのなる音が聞こえた。
玄関を開け、外を見ると、見知った三人の顔が見えた。
二人は和俊と雪梛で、もう一人は二人の母親の深雪さんだ。
「零斗君、夏休みの間二人を預かってくれないかな?」
「どうしてですか?」
「優人さんが、海外旅行のペアチケットを当てたんだけど、二人だけで家にいさせたら家中にごみが散らばって、そのうち餓死しちゃいそうでしょ?だから、零斗君に頼めないかなと思って」
「はぁ。まあ、断ったせいで二人が餓死したっていうニュースが流れて欲しくもないですからいいですよ」
「ありがとね。零斗君」
家は父は出張、母はモデルやドラマの撮影に行っているため普段から俺一人だから家に頼んだのだろう。
「明後日から夏休みでしょ。私達、明日の夜には出るから明日からお願いできるかしら?」
「明日からですね。分かりました準備しておきます」
「ありがとね。それじゃあよろしくね」