準決勝第2試合①
和俊とキートの試合が終わると、直ぐにレイズとcartonの試合が始まった。
『準決勝第2試合、レイズ対cartonの試合を始めます。準備してください』
『3』
『2』
『1』
『START』
cartonの武器は短剣だ。両手に一本づつの短剣を持ち、確実に首や頸動脈などを狙い一撃で倒しに来る。今までの試合では、開始数秒で倒していた。
cartonは今までと同じく、攻撃を仕掛けてきた。レイズは大太刀を鞘に収めたままにする。そして、cartonを地面に叩きつけた。
cartonの速さは、他のプレイヤーに比べ隔絶したものだ。しかし、レイズの空間把握能力は周りの空気の動きを知ることができる。いくら速かろうとも、何処に来るかが分かっている攻撃を受けることはない。その攻撃に合わせれば、避けることは簡単で、そのまま叩きつけただけだ。
ここまでの試合では全くと言っていいほど、2人とも手の内を見せていない。2人とも、わざわざ戦い方を相手に見せるほど馬鹿でもないし、ナルシストでもない。手の内を見せていないのは当然とも言えた。
cartonは、このままでは勝ち目がないと思ったのか、スキルを使い始めた。使ったスキルは【風の衣】だ。【風の衣】は、自信の周囲に風を纏わせ、AGLを1.5倍にする。風の衣は遠距離武器の対抗スキルとしても有名だ。
レイズは大太刀に手をかける。両者共に次の一撃で決めようとした。




