クラスメイト
現実に戻った零斗は、買い物に出ていた。近くにあるモールで、食用品を買うためだ。
あの2人は、買い物すらもろくに出来ないので零斗が行かなければならない。何故か、買い物にいくとお菓子ばかり買ってくる和俊は元より、雪梛は、買う物を間違えるという初歩的なミスが多いのだ。
ともかく、このような理由もあって自分で行かなければならない。何を作るかその場で変えることも出来るので2人が買い物を出来ないことに問題はない。
数日分の食用品を買い終えた零斗は、持参した買い物袋に詰め込んでいた。
「あれ、レイくんじゃん!」
「ああ、燁霞さんか。こんにちは。いや、こんばんわ、かな?」
声を掛けてきたのは、如月燁霞。クラスで最も人気があり、俺らの学校での五大美少女の一人だ。
他のメンバーは、雪梛や生徒会長、物凄いゲーマーな後輩が呼ばれている。
あと一人は何故だか俺だ。『俺は男だ』と、何度か抗議しているが、毎回のように無視されている。
「こんばんわ、レイくん。そんなに大荷物でどうしたの?」
「これか。2人が暫く家に泊まるからな。殆んど食用品だよ」
「持つの手伝おうか?一人じゃ大変でしょ」
「気持ちはありがたいが、流石に女子に持たせるわけにはいかないよ」
「そう?そういえば、レイくんも、『OLO』やってるんでしょ?」
「うん、やってるよ。燁霞さんもやってるの?」
「ううん、でも明後日から始めるよ」
「第2陣かな?俺に出来ることがあったら頼ってもらっていいよ」
「ありがとう!お言葉に甘えて、頼らせて貰おうかな」
「いいよ。プレイヤーネームはレイズだよ。イベントにも出るから良かったら見に来てよ」
「頑張って応援するね!」
「ありがとう。燁霞はプレイヤーネームどうするんだ?」
「私は、ユウにしようと思ってるよ。使われて無いといいな~」
その後も当たり障りない会話をしながら帰っていった。
燁霞の家は俺の家の真後ろだったそうだ。燁霞は、俺の家だと分かっていたそうだ。
キヅイテナクテスイマセンデシタ