死神と問い
実を言うとまだ途中。(そのくせ上げるやつ)
「言ってなかった?」
社長もさっきのゴーグル君のように、「あれー?」みたいな感じで首を捻っていたけれど聞いてねぇよ?
×
怪物との一悶着の後、無事に仕事を終え私とゴーグル君は会社に帰り着いた。
怪物を倒し終えたゴーグル君は怪物の体液で色々汚れまくっていたけれど、替えの服や汗拭きシートのようなものを持ってきていて、すっかり綺麗に着替えていた。驚きと困惑が綯交ぜになった私は、帰りの車の中ではすっかり黙りこくっていた。ゴーグル君はまた、調子っ外れな鼻歌を歌っていたけれど。
会社に着いた私に、ゴーグル君は
「それじゃーしゃっちょさんのとこに行こ?」
と、私の手を引っ張って社長室まで連れてきたのだった。……会社の重鎮にどうしてこんな簡単に会えるのだろうか。
×
「それじゃー仕方ないね!今から説明してあげよう!」
社長はパ、パン!と二回ほど手を叩くと、秘書くんと……誰? 見たこと無いほど美しい女の人がホワイトボード(キャスター付き)と複数の資料を持って現れた。
「ホントは教育係の担当に教えてもらおうかと思ってたんだけどなー」
うーん、と考える仕草をしつつ社長は言う。っておい、ゴーグル君の担当だったんかい。
「まず、『ボクの会社』が掃除会社だってのは理解してるよね?」
「……はい」
研修の内容は見事に掃除会社のそれでしたからね。




