前へ目次 次へ 3/25 3.the watchtower デスプリンス刑務所は渓谷にあり、天空聳え立つ巨大な見張塔がその権力を誇示していた。 塔の各階に警備員が五人ずつ配備され、カメラが始終囚人たちの動きを監視していた。 刑務所長のアーロン・ウォルチタウアーは椅子に反り返り葉巻を咥え、いつもモニターをチェックしていた。 その長身から見下ろす目は冷たく、低くかすれた声は底知れぬ野望を臭わせた。 1969年10月。 その日ブリウスは看守に腕を掴まれ、所長室に案内された。 先日の食堂での喧嘩その罰か、それとも――。 ブリウスは思い巡らし、中に入った。