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真・三國無双3エンパイアーズ 〜曹操の台頭〜

 無双ファンの間ではデストレーガが語るに外せない作品というのはもう定説です。なので、ここでもデストレーガは少し触れておくことにします。

 このデストレーガは箱庭アクションと言ってしまって良いのか、という、少し変わったシステムではあります。箱庭とはいっても、無双のように広くはありません。一画面にステージが収まるくらいの広さです。キャラが接近するとカメラがズームし、離れると画面全体が見渡せます。このあたりはサムスピのカメラワークに近いです。

 また、対戦では一対一の対戦格闘形式を採用し、無双とは大きく異なります。いや、複数の雑魚キャラを倒すステージもあったような気もしますが記憶が定かではありません。やはり基本は対戦格闘のジャンルなのでしょう。カプコンのパワーストーンに似ていると言った方が伝わりやすいかと。


 システムもちょっと工夫が見られます。ステージごとに様々な地形があり、この地形を利用した駆け引きも重要です。戦いは殴る、蹴るに加え、武器を装備したキャラもいます。そして、なんといっても特筆すべきは飛び道具でしょう。

 デストレーガでは飛び道具こそが戦いの主流です。全てのキャラがド派手で強力な飛び道具が使え、これの打ち合いによって勝敗が決すると言っても過言ではありません。先に言った地形が重要、というのもそれが理由です。敵が飛び道具を撃ってきても物陰に隠れれば防げます。逆にこちらが撃った時は死角に入られないような位置取りが重要です。敵の飛び道具が高性能な場合は飛び道具を防ぐバリアダッシュで間合いを詰め、肉弾戦に持ち込むことも可能です。パターンとして飛び道具の強力な敵は肉弾戦が苦手という傾向があるので、それを利用するわけです。つまり、肉弾戦の得意な敵は飛び道具が弱いのです。主人公はどちらもそこそこ強力というバランス型です。

 ちなみに飛び道具は主に魔法です。デストレーガは光栄作品でありながら、剣と魔法の世界観の西洋ファンタジーものなのです。

 

 光栄をよく知らない人には意外かも知れませんが、コアなファンにすれば大して違和感はありません。歴史パラダイスではヨーロッパ戦史やギリシャ神話までフォローしていたのですから、むしろ専売特許なのです。しかもこの作品では今までの光栄のイメージをぶち壊そうという意気込みが見て取れます。ゲームのパッケージからして光栄らしくありません。なにしろ、デストレーガという、既存の歴史をモチーフとしていない世界観にこそ、制作サイドのこだわりがあったのでしょう。

 しかし、そこは光栄。昔からのファンのこともきちんと考えています。


 攻略後のお楽しみ要素として、キャラを三國無双のキャラにチェンジできるという特典があったりします。それによって性能が変わるということもないので、完全なオマケです。それでも、キャラのモデルが大体誰なのか想像できるのが非常に楽しい。例えば主人公が趙雲、ラスボスが曹操、腹黒な魔術師が諸葛亮といった塩梅です。


 そして声優陣も結構豪華。この声優のメンバーがほぼそのまま真・三國無双に引き継がれているのも興味深い。

 その声優陣演じるストーリーパートがバトルステージの幕間に繰り広げられるのですが、そのストーリーも中世ヨーロッパ史を彷彿とさせる、敵味方が目まぐるしく変わる、陰謀渦巻く権力闘争の様相を呈し、なかなか重厚。ストーリーパートが長めで若干、冗長な部分もありますが、一度攻略してしまえば後は好きなステージでフリーバトルを楽しめる仕様となっております。


 ……と、PS光栄時代ではかなり頑張ってる作品なのですが、悲しいかな、本作も隠れた名作の位置付けです。やはり光栄ブランドで西洋ファンタジーで格闘アクションというミスマッチが受け入れられなかったのではないでしょうか。コアなファンにとっては決してミスマッチでも何でもないのですが、一般的なユーザーから見ればやはりミスマッチだったのでしょう。その中間にいた筆者には両者のジレンマが痛いほど分かります。

 作品はそこそこ面白いんだけど、コア層にも一般層にも訴求できるほどのものではなかったのですね。しかし、この苦い経験こそが、PS2での真・三國無双誕生の原動力になったというのは有名な話なのです。

 さあ、次回はいよいよ真・三國無双の登場ですよ!

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