装甲騎兵ボトムズ 青の騎士ベルゼルガ物語 〜コールドスリープ〜
……と、欠点ばかりを列挙すると相当ダメなゲームのようにも思えますが、そんなことは決してありません。筆者は本作を何度も周回プレイしました。分岐も全部見たし、イベントも全部こなしたはずです。それだけ当時はやり込んだのです。そのモチベーションとなったのは味のありすぎるシナリオだけではないでしょう。やっぱりバトルパートもそこそこ楽しかったのです。欠点が気になるのは、それだけこのゲームが好きだったという証左に他ありません。
後年、やはりボトムズのSLGがリリースされてますが、こちらは未プレイです。PS2でもボトムズのゲームが出てたと記憶しますが、こちらも未プレイです。どちらも評価はそこそこ良かったと思うのですが、なぜか買いませんでした。本作は好きだったのになぜか?
思うに、本作のインパクトがあまりに強く、ゲーム的にまとまったボトムズのゲームはあまりプレイしたくなかったのでしょう。本作の続編だったら買ったと思うのです。
筆者にとって本作は、初代PSでもトップ5に入るほどの名作なのです。
さて、作品の解説も概ね終わったところで、そろそろ白状しましょうか。筆者がこの作品のお世話になった理由ってやつを。
実は筆者はフリーゲームを作ったのですが、そのデビュー作が本作の影響を強く受け……というか、ぶっちゃけパロディなんですね。
ボトムズの世界観の方ではなく、本作のADVパートの、ツッコミを入れずにはいられない展開、キャラクター、あと、味のあるセリフ回し。
本作を遊び倒していた頃、筆者もいつかゲームを作ってみたいと夢想したものです。これは誰しもが抱いた願望でしょう。願望に過ぎませんでしたが、作るなら、筆者はこのゲームのツッコミどころ満載な部分をやってやろうとか思ってました。ゲームなんか作れるわけはないとは分かっていても。しかし、月日が経ち、図らずも筆者はその夢をフリーゲーム制作という形で叶えることができました。
いわば、本作は筆者の夢を叶えてくれたゲームでもあるのです。まあ、どこまでパロれたかは甚だ微妙ですし、拙作をプレイして、「この作者、さてはあのゲームをやってるな」と、ほくそ笑むユーザーがどれほどいるかも謎です。が、自身が満足できりゃ充分でしょう。
これが筆者が本作にお世話になった理由です。個人的すぎて恐縮ではありますが、それだけ筆者が本作にハマっていたということなのです。
本作は明らかにおかしい部分も、欠点も多々、あります。それらもひっくるめて筆者は好きなのです。ここまで好きなユーザーを少なくとも一人、獲得したのですから、売上げが振るわなくっても本作が世に出た意義は大いにある、と、筆者は思うのです。