装甲騎兵ボトムズ 青の騎士ベルゼルガ物語 〜レッドショルダー〜
前述しましたが、ゲスパ・ラビトットという小悪党の兄貴分がかなりナイスなキャラです。見た目はひと昔前のアメリカンなロックスターっぽいゴツイ風貌なのに、何故か口調は紳士的で、敬語が標準です。でも、言ってることは無法者という。
で、主人公をバトリングに引きずり込むのですが、「バトリングの前に、その見苦しいATをどうにかしてきてくださいね」とか言うので、バトルの前にATを調整させてくれるんだな、と、普通は思います。実際、そういうイベントは多いです。が、この兄貴はこう畳み掛けます。
「などとこの私が言うと思ったのですか? 敵に塩を送って墓穴を掘りたくはありませんからねぇ」
とかなんとかいって問答無用でバトルに突入。まあ、兄貴のオクトバはそんなに強くないので調整できなくても一向に構わないのですが(笑)。
憶測に過ぎませんが、これってテストプレイかなんかで「ここの調整、いらなくね?」とか、時間の都合でATの調整を挟む余地がなかったんじゃないでしょうか?
んで、仕方ないので兄貴のセリフを、ちょっといじってごまかした……あくまで憶測ですけど。
でも結果的にゲームのテンポが良くなるのならオーライです。しかも兄貴の小悪党っぷりも際立って一石二鳥。さらに味のあるシナリオになっているのです。
このゲスパと兄貴は行く先々で主人公に因縁つけてくるプチライバルです。最初は組んで襲ってきますが、主人公に負けて仲違いし、別行動で絡むようになります。
ゲスパは偽レッドショルダーになって小金を稼いで成敗されたり、兄貴はファッティーで雪辱戦を挑んできます。(語感からして太っちょ野郎とかいう意味なのでしょうが、このファッティーが無骨な作りで性能も悪くなく、筆者も好んで使ってました)
残念ながら、この二人の顛末は最後まで描かれることはありません。よくいる敵キャラと言ってしまえばそれまでです。しかし、筆者としてはこの二人のエピソードを最後まで描いて欲しかったと思うのです。
次回はもうひとつの主役、AT編です。