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機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜 〜死神の列〜

 本作はアニメで語られなかった戦争の主要部分をゲーム化してます。いわば、ファーストガンダムの世界観そのものです。アニメの物語はあくまで戦争の末端部分で起きた、小さな事件に過ぎなかったのですね。(オデッサではアムロが核ミサイルを迎撃して大局を動かしたりもしていますが)

 これって戦争映画の手法ですね。第二次大戦という大局を背景に、小さな人間模様を描く。制作スタッフにその意図があったのは時にアムロがランバ・ラルと酒場で出会ったり、自分が潰した基地の生き残り兵に水を与えたシーンからも明らかです。そしてその世界観はゲームのオープニングムービーにも存分に生かされています。それを70年代に子供向けアニメでやるという発想自体が凄い。というか無謀(笑)。今でもスポンサーが付かないんじゃ? などと思ってしまいます。


 もっとも、宇宙に反転攻勢してからは戦争映画のテイストがだいぶ薄まったのは残念ですが、これも個人の感想でしょう。

 そんなファーストガンダムで筆者が最も好きな回が、ありがちと思われてしまいそうですが、「時間よ、止まれ」です。

 ガンダムの大きさがおかしいとか、爆弾が強力すぎとか後年、ツッコまれてもいますが、そこは問題じゃありません。

 わずか三十分のアニメなのにまるで二時間ムービでも見たかのように濃密な内容。やや使い古された感はあるものの、戦争さえなければ彼らは友達にもなれた、という普遍的なテーマも内包してます。子供の頃はなんのことやらよく分からなかったのも当然です。この話の主人公はアムロたちではなく、敵であるジオンの名もない若年兵だったのですから。


 そのジオン兵にしてもガンダムに挑む動機は故郷に帰りたい、という非常に切実なもの。シャアやランバ・ラルにはできない役どころです。そしてパイロットも光彩を放ってます。慰問のマジックショーには目もくれず、自分のザクの整備を黙々と行う。ザクとはいえ、部隊唯一のパイロットならエリートのはず。それが一人で整備をやってる。それはただただ、自分が死にたくないため。誰かに任せたら必ず悔いが残る。でも自分で整備しておけば、死ぬときも納得できる。そんなやりきれない思いが伝わってくるのです。そんな説明は一切入れず、演出だけでやってしまうのが凄い。そういうことに気付くのはずっと後、ギレンをプレイした後のことです。


 ゲーム、PS版ギレンの野望の発売から程なく、ファーストガンダムの再放送があったのは幸運という他ありません。当地のような田舎でなぜ、そんなゲリラ的再放送があったのか未だに謎です。しかも深夜帯に一挙二話放送という力技。もしかすると編成部にギレンをプレイした人でもいたのでしょうか。ただの憶測に過ぎませんが。

 しかし、それまではあやふやな記憶のもとにゲームをプレイしたので、「こんなアニメだったかなあ」と、首を傾げていたので、再放送は嬉しいサプライズでもありました。


 次回はいよいよギレン最終回です。


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