真・三國無双3エンパイアーズ 〜桃園の誓い〜
なんだか前回はしんみりした終わり方になってしまいました。このゲームで悲しい終わり方は筆者としては本意ではないので、ちょっとしたウラ話で結ぶことにします。
あれから無双シリーズは多くのメディアに派生したのは周知の事実でしょう。北斗無双やベルセルク無双、果てはゼルダ無双など、メーカーの垣根を越えて楽しめるようになりました。まあ、筆者はプレイしていませんが、北斗無双の評価は小耳に挟んだことがあるので、一概にいいことでもなさそうではありますが。
本家の三國無双も8まで出て、その画面の美しさには圧倒されました。一体、どこまで進化するのでしょうか。しかし、凄すぎて自分にはもうついていけないような距離感を感じたのも事実です。そして、なんと言っても忘れてならないのがガンダム無双! 筆者も2まではプレイしました。ゲームとしてのデキはさておき、この作品にも個人的思い入れがありますので、いつかこのエッセイで触れたいと思います。
で、元祖と言える本家無双ですが、シリーズ全般を通してキャラデザは諏訪原寛之氏です。あのリアルでカッコいい武将たちをデザインされてる方なので超有名ですね。無双以前から小説の表紙とかの仕事もやっておられたようですが、メジャーになったのはやはり無双に関わられてからではないでしょうか。筆者も無双で初めて知りましたから。こんな凄い絵描きさんがまだいたんだー、と。
まだというのは、それ以前のコーエー作品、主に歴史物は長野剛氏が手掛けていました。こちらも歴史小説の表紙とかも描かれてる人気の高い絵師です。三國志シリーズのキャラ絵も何作か担当されていたと思います。
しかし、コーエーファンにとって外せないのは漫画家の皇なつき氏ではないでしょうか。この方は光栄伝説のムック本、「爆笑三國志」の挿絵も担当されていたので、光栄ファンの間では馴染みのある名なのです。筆者も爆笑でそのリアルかつ美しい絵に惹かれ、氏の漫画を買った時は衝撃でした。あの挿絵のクオリティのまま、漫画になってるではありませんか。一体、どうやって描いてるのかすら分かりません。それもそのはず。氏はペンではなく筆で描いてらしたんですね。あの水墨画のような絵も納得です。
しかし、悲しいことに筆者にはホロ苦い思い出があるのです。
光栄がきっかけでその名を知ることになった皇氏ですが、なんと後年、あのスク○アがリリースしたゲーム、Sのキャラデザを担当しているではありませんか!
なんで光栄じゃなくてスク○アなんだ! もしかして金か? それとも金か? やっぱり金か? 金なんだな! と、当時は激しく憤ったものです。片想いの人に裏切られた気分だったのです。(別に氏は光栄の社員じゃないのでフリーランスとして仕事を請け負っただけで、なんら後ろめたいことはやってないのですが、そう冷静には捉えられないほど当時はウブだったのですね)
当時の業界は引き抜きが日常茶飯事のように横行していたらしいのでなおそう思ったのでしょう。あくまで伝聞ですけど。
で、店頭にそのSが並んでいるのを筆者は複雑な思いで見ていました。やはりパッケージは美しいの一言。スク○アが出しただけあってショップも販売に力を入れてるっぽい。もし本作が光栄から出ていれば一も二もなく買ったのに! と。
これって好きな人が自分以外の相手と結婚したのを見ているような気分だと思うんですよ。祝福したいはずなのに、素直に喜べないという。
が、詳しくは知りませんが、そのSは大コケしたと後に知った時にはほくそ笑んだものです。
……筆者のようなクソ野郎は一度死んだ方がいいのかも知れませんね。怖いので死にませんけど。
しかしまあ、そんな過去のわだかまりはお互い水に流して(←何様のつもりだ)、未来志向で行きたいものです。ここはもう一度、皇氏にはコーエーととタッグを組んで、一発花火を上げていただきたいものです。それが光栄ファンファンであった、筆者の願望なのです。
筆者のゲームライフはPS2で止まっているので、皇氏キャラデザのコーエー作品がその後リリースされたか、正確に把握しておりません。もしあったら購入したいものです。