真・三國無双3エンパイアーズ 〜荊州南郡〜
本作、エンパ3は決算期とは関係なくリリースされたような気がします。記憶は定かではありませんが、もしそうであれば開発陣がきちんと作り込んでいた可能性があります。事実、本作は非常に丁寧に作り込まれているのです。
それはしばらくプレイしてみればすぐ分かります。(そのしばらくというのも、かなり遊び尽くした上でのしばらくではあるのですが)
天下統一は比較的容易です。ゲームの攻略は簡単といえば簡単ですが、気を抜いてると負けることもあります。とはいえ、絶えず緊張を強いられる程でもないのが個人的に好印象です。そして本作の最大の特徴は、SLGでもあるので自由度が高い。これです。
SLG三國志の最大のお楽しみは自分の軍団を自由に編成できることでしょう。その編成の楽しみは本作にもしっかり盛り込まれ、フリーシナリオなら思う存分味わえます。
軍師ばかりを集めた軍師軍団や重量級キャラばかりを集めたデブ専軍団など、自由に作れます。女性キャラも多いのでハーレム軍団は鉄板ですし、イケメン軍団やオッサン軍団なども王道でしょう。
言うは易いですが、集めるのは結構大変。政策で引き抜いたり敵国の捕虜から配下にしたり。でも、全員集める前に天下統一してしまい、また一からチャレンジしたり。でもそれが楽しい。なにしろ天下統一は比較的簡単なのです。三國志が天下統一に数十時間要するのに対し、本作は運が良ければ二時間足らずでできてしまいます。
全部自分でやる必要はありません。他国が勝手に争って淘汰され、三ヶ国くらいまで収斂したところで敵の本拠地に攻め込み、ごっそり領土をいただく、そんなプレイも可能なのです。運が良ければ開始数ターンで二国に絞られることもあります。もちろん、一国づつ落としても不都合はありません。
武将を育てるのも容易です。レベルが五段階しかなく、戦わなくても政策でレベルアップさせることもできます。武器レベルも領土の技術力で上がるシステムなので、俄然、領土拡張へのモチベーションが上がります。領土が増えるほど収入も上がるので、SLGの出世してる感もしっかり味わえます。
武将には兵士数という、設定上では配下の兵士の数というパラメーターもあり、ぶっちゃけ体力のようなものですが、この数も維持しなくてはいけないので、兵士数と資金には注意を払う必要があります。なにしろ兵士数ゼロの武将を出陣させると一度倒されると敵に捕まってしまいますから。逆に言えば、隣国の武将の兵士数が少なければ、そこは攻め込み時、というわけです。ちなみに敵国の情報は自由に入手可能。三國志では情報を得るだけでもひと苦労ですが、本作ではその手順を省略することによりテンポが良くなってます。
戦闘パートは簡単に言えば陣取り合戦です。各拠点を落とし、勢力下に置き、どんどん陣地を落として敵の本陣を落として勝ち。敵もこちらの空の拠点を狙ってくるので上手く立ち回る必要があります。ルールはほぼこれだけ。いたってシンプルです。しかし、シンプルであるが故に、その駆け引きは奥深いものになっています。
拠点を落とすには武将の力が必須です。味方の武将も拠点を落とすために行動してくれますが、敵に阻まれ、負ければ一旦、離脱します。その間、少ないメンバーで戦線を維持しなければなりません。一定時間経過すれば復活してきますので、そこから逆襲に転じます。逆に、敵を負かせば敵軍の頭数がしばらく減っているので、その隙に拠点をひとつでも多く落とします。どちらを狙うかはプレイヤーの自由。拠点を落とすもよし、敵将を狙うもよし、味方の武将、拠点を防衛してもいいのです。
しかし敵も積極的に攻めてくるので対処は結構大変。的確な判断ができないと、延々と拠点の取り合いをやる羽目になります。
言ってしまえば、それは匹夫の勇というものです。目の前の敵を叩くだけでは大局は動きません。効率よく勝つには戦場全体を俯瞰する戦術眼が求められます。これがリアルなのです。優秀な将がいなければ戦いに勝てない、を見事に再現しているのです。
この基本部分だけでも十分面白いのですが、本作にはさらに隠された楽しみ方があるのです。