野獣刑事
本エッセイは筆者の乏しいゲーム知識を総動員し、今までにプレイしたゲームのレビューという体裁をとっております。ただ、筆者は下手の横好きに過ぎず、いわゆる名作と言われるゲームすべてをプレイしたわけでもなく、カルト的人気を誇るマニアックなゲームもことごとくプレイしてきたわけでもありません。正直、ゲームのレビューができるほどコアゲーマーを名乗れるほどでもありません。
しかし、下手の横好きなりに再評価したい、されたいゲームは誰しもあるものです。ここでは筆者の独断と偏見、そして心に残ったゲームを発掘するのが主な目的となっております。
もちろん、ただのレビューにとどまらず、なぜこの作品が心に残ったのか、紹介したいのか、等の理由も考察していきたいと思っています。そうすることによって筆者の好み、ゲームに込められた作り手の想い、こだわり。そういったものが再発見できるのでは、そんな希望もあるからです。
そういう理由もあり、本エッセイでは当然ながら筆者がプレイしてきたゲームしか紹介できませんが、いわゆる名作というゲームを網羅しているわけでもありません。
さらに言えば、ゲームレビューでありがちなクソゲーレビューといった、笑えるレビューでもないことを明記しておきます。そういうものを期待して読まれても恐らく肩透かしを食うと思いますので。
また、本エッセイを書くにあたり、時系列で作品を並べようとも思いましたが、なかなか面倒なので順不同にしております。なので、最近のゲームを紹介したと思ったら、次回はその昔のゲーム、またはその逆、ということもあります。告白しますと、筆者はすでに過去にプレイしたゲームを再プレイできる環境がなく、エッセイを書くにあたってプレイし直すことができないのです。全て記憶や思い出が頼りですので、曖昧な点や事実と相違する部分も多々あるとは思いますがどうかご容赦ください。
以上のような理由から、本エッセイはゲームのレビューというより作品感想といった意味合いが強いかと思います。では、前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ本題に入るとしましょう。
はい、いきなり出ました。ニンテンドーDSが世界に誇る屈指のカルト作。というか、制作サイドがあえてそのポジションを狙って出したとしか思えないネタゲーです。同時に「落シ刑事〜刑事さん、私がやりました〜」という謎解きアドベンチャーゲームも姉妹作でリリースされたと記憶しますが、残念ながらそちらは未プレイです。やっぱりアクションが好きなんですね。あと、バカゲー風味に強く惹かれたのが理由でしょうか。
本作をざっくりと紹介しますと、めちゃくちゃ過激な刑事たちが所属する警察署の管内で発生するテロリズムをほぼ腕力と火器のみで対処していくという、実に分かりやすい内容です。敵キャラも悪どいテロリストばかりなので遠慮は無用。中には拳法家とか元刑事の傭兵とか、その女とか、ツッコミどころ満載の、こちらを笑わせる気マンマンの面子が揃ってます。
もちろん、それに対抗するプレイヤー側、即ち刑事側も一筋縄ではいかない連中ばかりです。
まず主人公、宍戸 仁はアフロヘアーに白いスーツを着た、まんま故、松田優作演じるジーパン刑事をパクってます。いや、筆者は懐かしのドラマ特番とかで「なんじゃこりゃあ!」の名シーンしか知らないので断言はできないのですが。
そしてその宍戸の上司にして頼れる刑事長、カバさんこと樺島刑事。髭面でロングコートを羽織った重量級キャラです。次に唯一の女性刑事、軽量級キャラの兵藤刑事。この二人も名前はあったはずですが、記憶していません。
この三人はプレイヤーキャラとして使えますが、ほかにもいます。
刑事部の古参、モーさんこと牛島刑事。オープニングで走る電車の屋根にしがみついてるシーンが印象的な、昭和臭がプンプン漂う名脇役です。いや、昭和の刑事ドラマがそんなんだったのかはよく知らないのですが。大体、なんの必然性があって電車の屋根にしがみつくのか謎です。まあ、面白いからいいのでしょう。
最後が、唯一の常識人にしてインテリっぽいメガネ男子の鹿賀刑事。武闘派の刑事たちの中でたった一人、常識的な判断でいちいち捜査方針に反対するので(そりゃそうだ)憎まれ役に回りがちなのですが、最後に美味しい見せ場があったりします。
この二人も是非プレイしたかったところですが、大人の事情で不可能だったのでしょう。そこは理解してます。
お気付きのように、登場人物にはほぼ、動物の名前が込められています。敵キャラにも「根津 実」とかいたり、警察署の名前が八重洲署で通称野獣だったりで、本作のタイトルも野獣刑事なのでしょう。ただこのタイトルロゴって西部警察かなんかのオマージュっぽいのですが、野獣といえば松田優作の刑事じゃない映画を連想してしまい(見たことありませんが)、なんかもう支離滅裂って感じです。でも面白ければいいんです。大体がして本作の基本コンセプトがどうも当時の人気作、「龍が如く」を確信犯的にパクっているようなので、そのあたりにツッコむのはヤボってものでしょう。
ソフト面はこれで大体感じ取れると思います。システム面の説明をいたしますと、基本的なベルトスクロールアクション、とか、当時のゲーム誌で紹介されてたと記憶しますが、基本的の定義がよく分からない筆者はちょっと異議を挟みたいと思います。
確かに横スクロールはしますが、擬似三次元で奥ラインへの多段移動システムが導入されています。ジャンプもできますが、基本的に多用はしません。パンチ、キックで敵を牽制し、囲まれたら掴み技で敵を巻き込み、敵の飛び道具はライン移動で躱す、が、基本戦術となります。もちろんこちらも飛び道具としてピストルとかロケットランチャー(!)が使えますが、威力が乏しく制限も多いため肉弾戦が主体となります。多分年齢制限とかの問題でしょう。
そこらへんを考慮すると格ゲーの操作感に横スクロールを導入した、「ファイナルファイト」や「天地を喰らう」に近いシステムと言った方が伝わりやすいと思います。
大まかな説明が済んだところで次回は攻略面について説明したいと思います。