andante 始
「お腹すいたー、お腹すいたー」
「あとちょっで昼だろ、我慢しろ」
「眠いー、眠いー」
「じゃあ寝ろ」
「暑いー、暑いー」
「夏だからな」
「寒いー、寒いー」
「エアコン効かせ過ぎなんだよっ」
だって暑いのに。
「疲れたー、疲れたー」
「俺もお前の相手するの疲れた」
…なかなかやるようになったな、おぬし。
「面倒くさいー、面倒くさいー」
「でもお前がやろうって始めたよな?勉強」
退路を塞いでくれてどぉも。
「分かんないー、分かんないー」
「だからやれ」
「分かんないー、分かんないー」
「だから解けって」
「分かんないー、分かんないー」
「………」
「分かんないー、分かんないー」
「だからぁ、問題解いてから教えるって言っただろうがっ。数学追試嫌だって言ったのお前だろっ。何が分かんないんだよ!?」
やっと聞いてくれたね。
いつも返事をくれるからって、いつも的を射ているとは限らないんだよ?
「聞くのが遅いのです」
「…お前、俺を怒らせたいわけ?」
「プレゼント」
「は?」
「だから、君の」
「…は?」
「テスト最終日、あんたの誕生日じゃない。だから、何が欲しいのかなと」
「……」
「考えたけれど、分からないよ。テストもあるのに、短絡的なあたしに色々考えさせないでくれる?」
「…偉そうに」
「素直に思った事言うのが偉いって言ったのあんたじゃん」
「…時計、同じ店で買いたい」
久々に君の赤い顔が見れたから、まぁいっか。




