allegro 先輩side
前に書いたデータを見直しつつ上げていますが、データが見つからなかったので考えつつ上げました。違和感を感じられても広い心でお読み頂けるとありがたいです。
幼稚園、小学校、中学校、高校。いつかの場面でひどく笑って喜んだり、すごく泣いて悲しんだり。ずっと縁をつないでいたい人が出来たり、すぐにでも縁を切りたい人が出来てしまったり。
「あれ覚えているか?」
「あー、あれな!」
話を振られれば答えられる、合わせられる。でも全てが前に「人並みに」という表現がつく。
「人並みに」楽しい
「人並みに」悔しい
「人並みに」苦手だ
「人並みに」得意だ
中学に入ると比較が多くなる。他人より自分は「上手く」出来ることが分かった俺は、有効活用して高校への足掛かりにした。
高校に入れば大学への足掛かり、他人の弱点も「上手く」行動すると簡単に情報が手に入った。
情報を元に「人並みに」楽しく過ごしていたが、どこかさめている自分がいた。
「章司君」
「太田」
「はい、これ委員名簿」
「今頃か?前回終わって日数経つけど」
廊下の途中で呼び止められる。生徒会活動が盛んで、委員会毎で割り振りもあるから委員長は委員把握の為委員名簿を持つ。渡されたものは、綺麗な字で纏められていた。
「奈央子ちゃんが“個々の字で読みにくいので書き直します、これも書記の仕事かもしれませんし”ですって」
「細川が?小さく固まって、たまにちょっと震えながら書いているけど」
「ああ、それは…でも板書も綺麗だし、文字震えてないでしょ」
「まぁな」
そんなに気にもとめていなかった委員会の後輩。太田から渡された名簿と語られた言葉は、興味をもつには十分で。何ヵ月後か俺はあいつに宣言するんだが。
「章司君」
「太田」
「奈央子ちゃん、遊んで良いのは私だけだから」
「それって」
「軽い気持ちで手、出さないでね」
「…肝に命じておく」
その少し前にこんなやり取りがあったことは正副委員長の秘密だ。だから奈央子、そろそろ諦めな?




