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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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みんなとお別れをしました

最終回に遅刻してごめんなさい!


「それでは、勇者送還の儀を始める。リッツ」

「はい」


俺が最初来た部屋で儀式が始まる

リッツさんがよく聞き取れない言葉を発すると魔法陣の周りに置かれた石が輝き始め、それに呼応するように魔法陣も輝き始める



「はぁ…はぁ…、開きました…。何時でも…行けます」

「ご苦労、しばらく休むといい。それではタツトよ、この魔法陣に乗れば其方の世界に帰ることができる。閉じるまでは少し時間がある。最後の別れをするなら今の内に済ませなさい」

「わかりました。王様、今までお世話になりました」


王様にお礼を言った後ラグの亜空間に行く

さすがに小さい姿になっても人数が多くて部屋に入りきらなかった


『向こうの世界でも ちゃんとバランスよく食べるんだよ?』

『お腹だして寝ちゃダメっすよ?風邪ひいちゃうっすからね!』

『運動をっしっかりとするんだぞ?向こうには魔物がいないと聞く。体が鈍らないようにすること』

『貴様は勉学に励め。様々な知識、言語を取得することだ』


ラグ、ルエ、アロ、ヴァスの順番に別れの挨拶もとい元の世界での注意をされる

君たちは俺のお母さんかな?


『それだけ心配しているということだ。タツト、これを』

「これって…」


レイから手渡されたのは33枚の色の違う鱗で作られた首飾り

この鱗の色…みんなの色だ


『これはお守りだ。向こうでもタツトを守れるように皆で作ったのだ』


みんなを見てみるとみんな首元に包帯を巻いている

え、この鱗ってまさか!


「げ、逆鱗で作ったの!?」

『うむ。逆鱗は我ら龍種の唯一の弱点であると同時に親愛の証とされている。最後にタツトに送るに相応しい』

「え、あ、うん、そう…なのかな?」


やっべぇ…

まさかレイたちがこんなものをくれるとは思ってなかったぞ…


「ご主人様、僕たちからも送りたいものがあります!受け取ってください!」


ポポロたちからも?

渡された大きな包みを開けると中から3体のぬいぐるみが出てきた

焦げ茶色のウサギに顔がそっくりな2体の黒い犬


「ポポロとテオとケオだね」

「はい。僕たちの代わりに…連れて行ってあげてください」

「俺達もレイ様たちみたいに自分の毛を使ってるんだぜ!」

「…僕たちの分身です」


お、重いっす…

レイたち同様愛が重いっすよ…

…まあ、それは俺も同じなんだけど


「実は、俺からも皆に贈り物があるんだ」


そう言って収納空間から包みを取り出し皆に配る

全員に同じのだから喧嘩にはならない…はず


『開けてもいいか?』

「うん」


みんなは嬉々として包みを開ける

そしてみんな中の物を確認すると目を丸くした


『…こ、これって!?』

『魔石っす…』

『魔石自体が滅多に見つかることはない代物…』

『だが、これは全てがかなりの高品質だ。いったいこれだけの魔石をどうやって?』

「えへへ、内緒!」


鉱石魔法をレベルMAXにすると魔石を作れるのだ

魔石は魔力そのものや、魔法を吸収させることができるもので魔道具の核として使われる

品質によって込められる量が変わってくるが、みんなに渡した魔石は結構いい品質のものができた

みんなが寝た後に練習しててよかった


「その魔石には僕の魔力が入っている。それを僕の代わりだと思って持っててほしい」


まさかレイたちと同じような贈り物になるとは思わなかった

…ちょっとうれしい


『まさか同じ発想とはな。それも吾輩たち全員が』

『ここまでくると奇跡だよね!』

『絆の奇跡っすね!』

『このまま私たちもタツトの世界に行けるという奇跡は?』

『さすがにそこまでは起こらぬだろう』


そう、俺達の起こせる奇跡はここまで

あとは、さよならだ

俺はみんなにキスをして笑顔を作った

今まで作った中で最高の笑顔を


「みんな、またね!」


そう言って手を振って亜空間から出た

その勢いのままに魔方陣に飛び乗る

あのままみんなのところにいたら多分、いや絶対に帰れなくなってたから

視界が徐々に光に包まれていく

さようなら、異世界アスベルク

さようなら、みんな









「また明日な辰人!」

「うん、また明日!」


あれから4年

俺は大学生になった

ヴァスに言われた通り勉学に励み中高と学年ランキング10位以内をキープ

大学もいいところに行った

アロに言われた通り毎日走り込み10キロ等々を熟すようになった

ラグやルエに言われた通り食事はバランスよく食べるようにして怪我や病気にかからないように心掛けた

レイたちから貰った首飾りは常につけている

それでも、こっちに帰ってきてから俺は心にぽっかりと穴が開いたようだった


「…会いたいな」


意図せずして零れた言葉

最近よく零すようになった言葉

ずっと思い続けている心の声

叶う筈のない願い


「会いたいよ…みんな…」


言葉とともに頬を涙が伝う

こちらの世界に帰って来た日に枯れるほど泣いたはずの涙は尚も流れ続ける


『久しぶりに顔を見てみたら、何とも面白い顔をしているな』

「…え?」


今…レイの声が…

顔をあげると紺色の髪をした俺と同じくらいの男がこちらを見ていた


『もう、そんなこと言ったらだめだよ!』

『そうっすよ!タツトがもっと泣いちゃったらどうするんすか!』


その後ろから似たような背格好の薄灰色の髪をした男と水色の髪をした男が現れる


『そうなったらレイには罰を受けてもらうしかあるまい』

『そうだな。タツトのなでなでを受けられないというのはどうだ?』

『『『異議なし(っす)!』』』


さらに後ろから30代くらいのピンクの髪をした渋い声の男と灰色の髪をした男が現れる

この5人の声…間違いない

間違えるはずがない

大好きなあいつらの声を忘れるはずがない


「…レイ」

『うむ。やっと会えたな、辰人』

「…ラグ」

『うん。やっと見つけたよ、辰人』

「…ルエ」

『はいっす。会いたかったっすよ、辰人』

「…アロ」

『あぁ。久しぶりだな、辰人』

「…ヴァス」

『うむ。久しいな、辰人』


また…会えた…!

一度は止まった涙だったが、今度は違う感情で溢れだした

約11か月と長いような短いような間でしたがご愛読いただきありがとうございました!

これにて本編は完結とさせていただきます!

こんな終わり方かよ!と言う方もいらっしゃるかと思いますが、私としましてはこれが彼らにとって最もハッピーなエンディングだと思っています


なんで人型に?とか、メグラルーテはどうなった?ダンとガウの恋路は?と気になる方も多々いらっしゃると思います

なので、何時になるかわかりませんが後日談らしきものや番外編らしきものも書こうかなと思っています

気長に待っていただけると嬉しいです


最後にもう一度、拙い物ではありましたがここまで読んでいただきありがとうございました!

それでは、また次回作にでもお会いしましょう!

さようなら!

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