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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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ノーブル以外の神様に会いました

ちょいと遅れやした!


今日も今日とてリンシェンです

今日の予定は最初にフィフの頼みで鍛冶屋に行き、次にノーブルとルーヴの頼みで神社巡りです


『来たで来たで―!刀鍛冶や―!匠の技や―!技前や―!』

「フィフって刀も打てるはずだよね?なんでわざわざ鍛冶屋に?」

『そんなもん技を盗むためや。ワイはまだまだやからな。もっといいもん作りたいねん!魂の籠ったもんが作りたいねん!』


おぉ、燃えている…

熱い、熱いぞ、鍛冶に対する情熱が肌を焼くようにじりじりと感じる


『てなわけでワイはしばらくここで見させてもらってるわ!タツトは興味なくて暇やろから別の場所行ってくれてもええで?』


まぁ、確かに興味はあまりないかな

現にレイたちは既に鍛冶場の外で待ってるし…


「でも、今日は最初はフィフについていくって約束だから。最後まで一緒」

『…ま、タツトがそれでええならワイはええんやけど。ワイはこれから集中して見るから構ってあげられへんで?』

「いいよ、そのために来てるんだから。俺の事は気にせず見たらいいよ」


フィフはニカッと笑った後刀を作る作業をじっくりと見だした





『タツト、待たせたな。もう十分見たし行こか』

「ふぇ…。あ、うん、わかった」


あ、いつの間にか寝てたみたい…

久しぶりだな、寝落ちしたの…


『ぐっすり寝とったな。やっぱ暇やったか?』

「ううん、刀を打つ音と部屋の温度が気持ちよくて、気が付いたら寝ちゃってた」

『はは、刀に気に入られた証拠や!さすがタツトやで!』


いやぁ~、それほどでも~!


「なら、今度フィフが作ってね?」

『任せとき!最っ高のもん作ったるわ!』


約束だよ?

持って帰るつもりでいるんだからね?

変なもの作ったら怒るからね?







『ここが神社と呼ばれるところか』

『そのようです』

「…日本かな?」


赤い鳥居に狛犬、手水屋などなど日本の神社と遜色ないものでびっくりです

まさか異世界で石畳の上を歩けるとは…


『…ふむ、確かに神がおるのぅ。これは少し挨拶に行かねばならんのぅ』

「あ、やっぱり神様いるんだ。俺たちも行った方がいい?」

『そうだな、一緒に行こうか』


といってノーブルは手を差し伸べてくる

俺は異世界の神とはどんな方なのだろうかと思いながらノーブルの手を取った


『それでは行くぞ。神界は神以外には光が強い。目を潰しかねんから閉じておきなさい』


神界怖すぎません?

速攻閉じましたよ

俺が目を閉じると一瞬ふわっとした浮遊感を感じた後、眼を閉じているにも拘らず目の前がすごく眩しくなった


「まぶっ!?目、目がぁっ!」

『思ったよりも強かったようだのぅ。……ほれ、これで大丈夫だ』


ノーブルが手で目を覆い隠し聞き取れない言葉を発した後手を離した

するとさっきまでの眩しさが嘘のように光が弱くなり目を開けても大丈夫なようになっていた


「ノーブル、ありがとう」

『気にしなくていい。それよりも、タツト、あちらがさっきの神社で祀られている神だ』

『ようきんさったなぁ、龍神はん。それと可愛い勇者はん』


わぉ……

謎の逆光の所為で顔が見えないのになぜかわかる超美人

着物を着た神様は6畳敷かれた畳の上に座りお茶を啜っていた


「あれ?ルーヴは?」

『あぁ、彼はよんどらんからここには来れへんのよ。うちが許したんは龍神はんとあんさんだけや。彼はお仲間が別空間に呼んでそこで待っとるよ』


あ、ラグが亜空間に呼んでくれたのか

流石、気が利くラグさんだ


「教えてくださりありがとうございます、異世界の神様」

『ふふ、うちは確かにこの世界で祀られとるけど、あんさんの世界でも祀られとるんやで?稲田姫って聞いたことあらへんか?あ、あんさんの年齢やと奇稲田姫くしなだひめって言った方がわかるかもしれへんなぁ』


あぁ!聞いたことある!

確か素戔嗚尊の奥さんで八岐大蛇の生贄にされたって言う神様だっけ

そっか、有名な神様だと異世界でも祀られるんだぁ…


『にしてもあんさんホンマおもろいなぁ。うちの神気浴びてもケロッとしとるやなんて』

「神気?」

『神気というのは神が放つ気の事だ。それぞれの神によって神気に特徴があり、稲田姫のは魅惑、魅了の気だのぅ』


なんと、そんなものが!

確かにそう言われてみると奇稲田姫様を見ているとちょっとふわふわするような気がしなくもなくもない…?

…やっぱり気のせい?


『タツトには儂の神気も威圧も効かんからのぅ。調べてみても何もわからん』

「え、勇者だからじゃないの?」

『阿保言うたらあかんわ。たかが勇者なだけで神の気を防げるわけあらへんやろ?龍神はんの全知全能でもわからへんのやからうちもお手上げやけどね』


そっか…、でも勇者だからじゃないとすると何のおかげなんだろう?


『まぁ、気にしていても仕方がないことだ。稲田姫よ、急に来てしまって悪かったのぅ』

『ええよ~、うちも久しぶりにお客さん来てくれて楽しかったしねぇ。また暇があったらおいでぇ、美味しいお煎餅用意しとくわ~』

「はい!またお参りに来ます!今度はラグの作ったお菓子をお土産に持ってきますね!」

『ホンマに~?じゃぁおはぎリクエストさせてもらおかな~。小豆やったらこの町のどのお豆屋さんでも買えるさかい』


了解です!帰ったらすぐに頼みます!


『ほなまたおいでな~』


顔が見えないが多分微笑んで手を振る奇稲田姫様に礼をして俺たちは神界を後にした

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