魔王戦(3)
お久しぶりです!
激しい頭痛が来たりお盆が来たりと忙しく投稿ができませんでした!
楽しみにしてくださっていた方々申し訳ありませんでした!
嫉妬の魔王戦
「あら、今回のお相手はあなたとそのお嬢さんなの?」
『何か不満?』
「いいえ、とっても楽しみだわ。あなたたちはどんな嫉妬を見せてくれるのかしら?」
『ねぇねぇ、しっとってなぁに~?』
『とても醜いものだよ』
「えぇ、とっても醜いもの。でも生きているものならだれもが少なからず持っているもの。醜くてとっても美しいもの。あなたたちの嫉妬も私に見せてちょうだい?」
パチンとユルシェラが指を鳴らす
それだけであたりの空気が一変する
遠く離れたところでは動物たちがユルシェラの≪嫉妬≫に掛かったのか喧嘩を始めてしまった
「あら?あなたたち、どうして嫉妬に狂わないの?」
そんな中ラグとシェラは何事もないように立っていた
『簡単な話だよ。シェラはまだ幼くて嫉妬を理解していない』
『?』
ラグとユルシェラの会話にシェラは首を傾げる
シェラは生まれてまだ500年しか経っていない
ドラゴンにとって生後500年は這い這いを覚えた人間と同じくらいなのだ
嫉妬というものを理解できるほうがおかしいのである
「あら、それじゃああなたが狂わないのはどうして?」
『僕の種族名忘れたの?僕は時空龍皇、時空を歪めたりするのは僕の十八番なんだよ。今僕の周りの時空は歪んでいてね、僕はここに存在しているけどここにはいない』
「…あらあら、あなたたち私と相性最悪ね」
はぁっとため息を吐いたユルシェラは魔力を膨らませる
その魔力は今までの『狂わせる』というものではなく明確な『殺意』のものだ
『やっと本気になってくれた』
「あら、あなたは本気で来てくれないの?」
『僕が本気を出しちゃうと一瞬で終わっちゃうからね』
「あら怖い。それじゃぁ、本気を出される前に始末することにしちゃうわ」
『できるもんならどうぞ?あ、シェラはこの中に入っててね?終わったら呼ぶから』
『はーい!』
シェラは元気よく返事をするとラグの開いた亜空間に入っていった
シェラが入ったのを確認するとラグは亜空間の入り口を閉じた
『それじゃぁ始めよっか』
「えぇ、始めましょう」
そこからは凄まじい魔法の応酬だった
周囲の地形は見るも無残なものになっていた
そんな中ラグだけが無傷で立って辺りを見回していた
ユルシェラはラグの足元にボロボロな状態で倒れている
『あーあ、これはタツトに怒られちゃうな。…嫌われたらどうしよう』
「…うふふ、まさか無傷とは予想外。あなた強いわね、嫉妬しちゃうわ」
『あれ、起きたの?しばらく起きないように落としたはずなんだけど、パワーアップしたせいで見誤ったかな?ま、いいや。しばらく亜空間にいてもらうから』
そう言うとラグは亜空間の入り口を開いた
入口が開くとシェラが顔をのぞかせた
『おわった~?』
『終わったよー!それじゃあさっきの人を中に入れるからシェラは外に出てねー』
『はーい!』
ピョンッとシェラが飛び出した後ラグは≪固定≫しているユルシェラを亜空間の中に放り投げた
暴食の魔王戦
「申し訳ないがこの実をもっとくれないか?」
『わかっただ。すぐ生やすから待っててくんろ』
モスとイリアは森の奥の綺麗な水が湧き出る泉の畔にエグデヴァランを連れてきていた
そこに簡単なウッドテーブルと椅子を作り様々な食べられる植物を生やしてはエグデヴァランに振る舞っていた
『待っている間にこちらをどうぞ。〝パイナップル”と言う果物です。タツトの世界の果物なので食べたことない味かと』
「それは楽しみですね!いただきます!」
すでに軽く100種類の果物を食べているのにいまだ食べるスピードが衰えない
パクパクと輪切りにされたパイナップルを流し込んでいく
「パイナップル、おいしいですね。もうあと30個ほど追加をお願いしたいですね!」
『任せるだ!あ、頼まれていたヒュトパが実っただよ!出来立てをどうぞだ!』
ヒュトパ
綺麗な水のあるところでしか育たない実で発見されることが滅多にない幻の果物
売ればそれだけで城が建つほどの価値がある
ミカンに似た味をしていて、生でも食べられるし調理してもおいしい
ただ糖度がとても高くドラゴンでさえ一口で胸やけを起こすと言われている
そんな身をエグデヴァランはヒョイパクと食べていく
流石のモスとイリアも最初見た時は目を見開き驚いた
あのヒュトパをパクパクと飲み込むように食べていくエグデヴァランに少し恐怖を抱いたほどだった
今では感覚がマヒしたのかどれだけ甘かったり苦かったりしようがどんどん出していった
「果物にも飽きてきましたね。他には出せないのですか?」
『出せるだども調理できねぇだよ?オラ達料理スキル持ってねから』
「それならご安心を。私が持っていますので材料さえ出して下さったら料理しますよ」
『それならいろいろ生やすだ!』
果物、キノコ、小麦に豆、果てはサトウキビや胡椒までを生やしに生やした
エグデヴァランはそれらを使い自分の食べたいように調理していった
「どうぞ、あなた方もお食べください」
『だどもオラたちが食べたらあんたの分がなくなるだよ?』
「構いません。大勢で食べたほうが料理はおいしいですから」
『なら遠慮なくいただくだ!』
『とっても美味しそうです!』
「それでは」
「『『いただきます(だ)!』』」




