闘技大会に出ました(3)
いつもより長めです
[さぁ、17回戦目に行きましょう!]
[進行早くないですか!?]
[そうっすよ!始めてからまだ4時間とちょっとしか経ってないっすよ!?]
[それは仕方のないこと、タツト選手とルノアー選手の試合後は皆さん怒涛の勢いで決着をつけてましたからね。いやー笑えますね!皆さん騎士団入ってくれないかな?ハハハ]
[クアリアスさんが死んだ目をしている!メディーック!]
[さて、17回戦の組み合わせはこれだ。タツト対レフィア]
[ヴァスのスルースキルには感服するっす…]
[トリッキーな戦い方をするタツトと精霊を使い大ダメージを狙うレフィア。いったいどんな戦いになるのか]
精霊使いか…
そういやアロ以外の精霊使いって初めてだな
楽しみです!
[両者用意はいいか?戦闘開始だ!]
「≪火の精霊:劫火≫!]
レフィアさんが火の精霊に頼み魔法を発動する
ちょっと待て!あんなでかい炎見たことないぞ!
「え、ちょ!?ここまでとか聞いてない!?待って待って!≪水の精霊:豪雨≫!」
慌てて周りに浮いていた水の精霊に頼み鎮火魔法を放つ
ちなみに鎮火魔法とは俺がそう呼んでいるだけである
本来はただ雨を降らせるくらいなのだが魔力を込めすぎるとバケツをひっくり返したような量が降る
なので火事とかがあった時にしか使わせないようにしている
ただの雨で家が流されるとかシャレにならん
そして今回俺は焦っていたため魔力を込めすぎた
その結果、闘技場上空を暗雲が犇めき局地的大雨が襲う
「痛い痛い!?何よこの量!頭おかしいんじゃないの!?≪火の精霊:旱≫≪光の精霊:光砲≫!」
これだけの量が空高くから降ってきたらそりゃ痛いだろうね
俺は風の精霊に頼んで頭上に風の膜を張ってもらってるから平気だけど
それにしても戦い方というか精霊の扱いがうまいな
火の精霊の力で雨を止ませてなおかつ光の精霊の力を強めた
今の状態では闇の精霊の力では防げない
…しかし如何せん
「眩しい!≪水の精霊:水鏡≫!そしてお返しの≪電気の精霊:感電≫!」
光砲を水鏡で上に反射する
そしてその陰で電気の精霊で攻撃をする
電気の精霊である蛇さんがにょろにょろとレフィアさんに近づく
光砲を撃つのに集中しているためか、光砲の眩しさで周りが見えてないためかレフィアさんは電気の精霊に気が付かない
そして電気の精霊がレフィアさんの足に巻きついた
が、しかしレフィアさんは意にも介さず次の攻撃に移った
「≪火の精霊:火車≫!」
火の精霊がぐるぐると回転をして突っ込んでくる
なぜ電気の精霊の攻撃が効かないんだ?
いや、それよりも今はこの攻撃をなんとかしないと
もう一度豪雨…だめだ、これ以上ここをびしゃびしゃにできない
ならば
「火には火だ。≪火の精霊:火車≫!」
こちらも同じ技で応戦する
今回はちゃんと魔力を調整した
しかしそれでも俺の込めた魔力のほうが強いらしくレフィアさんの放った火車を掻き消してレフィアさんにめがけて突っ込んでいった
「あ…ぐ…」
避けようとして体をそらせたが脇腹に直撃し舞台端まで転がっていった
う、動かないけど生きてるよね?
レフェリーが確認し気絶しているだけと判明
よかった…
俺は最初の位置に戻り礼をしてから舞台を降りた
[レフィア、戦闘不能。タツトの勝利だ]
[いや~いい勝負だったね!まさか精霊魔法の応酬とは思ってなかったよ!]
[ほんとっすよ。タツトのことだからまた何か企んでるんじゃないかって思ってたんすけどね。勘が外れちゃったっす]
[それは星龍皇として大丈夫なの?]
いや、やろうとはしてたんだよ?
ただ最初に予想してなかった攻撃が来たからその予定が吹っ飛んだんだよね
つ、次の試合ではちゃんとやるからね!
[それでは25回戦目。組み合わせはこれだ。ヒュロウス対タツト]
[龍人族のヒュロウスは大きな斧を振り回して相手を薙ぎ払って勝ち残った実力を持つよー!対してタツトは普通の魔法や精霊魔法を使って敵を下したよ!次は何をやるのかわからないっていう感じだね!]
[…あれ?タツト剣を装備してるっすよ?今回は持ち前の機動力を生かして接近戦なんすかね?]
はい、今回は接近戦です
しかし相手のヒュロウスさん、龍人族か…
苦い思い出しかないんだよなぁ…
[両者用意はいいか?試合開始だ!]
「龍の勇者様には悪いがそんな剣じゃ俺にはかてねぇぜ!<クラック>!]
ヒュロウスさんが地面に向かって大斧を叩き付けると地面が大きく裂けた
俺はそれをひょいっと横に跳んで躱す
「それじゃあ前の試合でできなかった魔法をやりますか≪分身の術≫!」
魔法を発動すると俺の体が2人、4人、8人とネズミ算式に増えていく
そう、忍び魔法の≪分身の術≫である
NAR○TOに出てくる影分身みたいにすべてに実体がある
消えても記憶の共有はしないけど
計16人の俺でヒュロウスさんを囲みくるくる周りをまわる
「どれが俺かわかるまい!」
「でやぁっ!」
「うぉっ!?なんで!?」
迷い一つない動きでヒュロウスさんは俺に向かってきて斧を振り抜いてきたのでバックステップでギリギリ避けた
なんでわかったし!?
てか今の避けなかったら胴体真っ二つだったよ!
「ふはは!なんとなくだ!」
勘かよっ!?
龍人の勘…恐るべし
あと脳筋恐るべし…
しかしどうする?計画としてはあたふたしているところに攻撃を仕掛ける予定だったのに一瞬にして崩壊してしまったぞ
これはもうガチバトルをするしかない?
「お?来ないのか?ならこっちから行くぞ!ぅおらっ!」
ヒュロウスさんが斧で連撃をしてくる
俺はそれを剣で逸らしたり最小限の動きで避けて捌き続ける
やばっ…剣が欠けてきた…
これもうすぐ折れるぞ
キンッ
高い音と共に俺の剣が半ばからぽっきりと折れてしまった
せっかくフィフに急遽打ってもらった鉄の剣が…
「武器が壊れちまったな。俺には魔法みたいなちゃちなもんは効かんがまだ続けるか?」
「…もちろん。それに、俺の武器が一つなんて誰が言いました?」
俺はヒュロウスさん目掛けて走る
その最中コノハを手袋から今さっきまで使っていた鉄の剣にの姿に変化させた
そしてさっきのお返しとばかりにヒュロウスさんに切りかかる
「お!いい動きするじゃねぇか!こりゃまだまだ楽しめそうだぜ!」
「俺は早く終わらせたいですけどね!」
ヒュロウスさんは大斧をまるで小枝を振るかのように動かし俺の攻撃を捌く
コノハで攻撃しているのに全然効いてねぇ!なにこの化け物!?
龍人族ってみんなこうなの!?
「ハハハ!効かん、効かんぞぉ!」
「くっ…攻めきれない。何かないか…」
『…剣術スキルを使えばよいのではござらぬか?』
・・・
それだ!
「<スラッシュ>!」
スキルを使うと剣に伝わる力が上がったような気がした
そのまま剣を振りぬく
「ぬおっ!?」
ヒュロウスさんは俺の剣を斧の腹で受け止めた
くっそ、これも防がれるのかよ!
なら次はもうちょい強いの!
「<スマッシュ>!」
今度は斧にめがけて剣を叩き付ける
「ぐぅっ…!」
ピシ
これでも駄目か!
ならば!
「<兜割り>!」
「ぐぉおおおっ!」
ピシピシ
バキンッ
突如斧に罅が入り粉々に砕けてしまった
どうやらコノハでのスキル3連発は受け止めきれなかったようだ
反発する力が急に無くなったため軌道が逸れて俺の攻撃は空を切った
「…はっはっは!まさか俺のバーゲストが壊されるとは思ってなかった!俺の負けだ!俺は斧を振るしかできないからな!」
[ヒュロウスが降参を宣言。タツトの勝利だ]
[剣が折れてからの逆転勝利、これは僕も予想してなかったよ!]
[ヒュロウスが拳でも戦えたらまた結果が違ったかもしれないっすね!次に来たいっす!]
「いい試合をありがとよ!またやろうぜ!」
「あはは、勘弁してください!」
攻撃力1万を超えてる俺の攻撃を受けて平気な人とまた戦うとか嫌です!
できれば二度とやりたくありません
…フリじゃないからね?
レフィアがなぜ電気精霊の攻撃が効かなかったかというと試合が始まる前から土精霊の堅土を展開していたからです
すっごいいまさらですが、これ駄目ですね
主人公が弱くないのでタグ詐欺してますね
すいませんこの話を書いている最中に気づきました
一応最後まで書きますがそのあと消すかもしれません
予めご了承ください