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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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嫉妬の魔王ユルシェラ

※グロ表現が含まれます


「私は嫉妬の魔王ユルシェラ。冥土の土産に覚えて下さいな」


本当に魔王だった

よかった

これで違うって言われたらまずかったもん


「本物の女王様をどこにやった!」

「地下に放っているわよ?鍵を掛けて誰も近寄らないように言ってあるからまだ生きているかわからないけどね」


おいおいおい!

下手したら餓死してるぞ!


「ラグ!」

『わかった!レイ、こっちは任せるよ!』

『任せろ』


ラグは扉から出ると地下へ向かって飛んで行った

生きていることを願いつつ魔王に意識を戻す

どうやら待っててくれたみたいだ


「終わったかしら?」

「待っててくれるなんてお優しいんですね?」

「これから死にゆく人たちが頑張っているんですもの。それくらいは見逃すわ」


よほど自分の力に自信があるみたいだ


「それじゃぁ、始めましょうか」

『『これでもくらえー!』』


魔王が宣言すると同時にギナとリゴが突っ込んでいく

あいつらはまた考えなしに突っ込んでいきやがって…

魔王はギナとリゴの攻撃を難なく躱しつつ指を2回パチンと鳴らした

するとギナとリゴは攻撃の手をやめて互いに向き合い


『ずっと言おうと思ってたんだけど、お前弟の癖にお兄ちゃんになでなでしてもらう回数多くてずるいんだよ!』

『兄ちゃんだって昨日お兄ちゃんにぎゅーってされてたじゃん!兄ちゃんの方がずるいよ!』


喧嘩を始めた

お前ら戦闘中だぞ!


「あら、さすが龍皇ね。私の≪嫉妬≫を受けて口喧嘩だけで済むなんて思っていなかったわ。それにしても…面白い内容ね。もっと魔法をかけたらどうなるのかしらね?」

『させるとでも?』≪風の精霊


魔王がギナたちに魔法をかける前にアロが魔王に向けて魔法を放とうとしていた

魔王はそのアロを見ると不敵に笑い

指をパチンと鳴らした


威風≫『…どういうことだ?何故力を貸さない?』


アロの魔法は放たれなかった

それどころかアロは何もないところを向き話している

どうやら精霊が力を貸してくれないようだ


「うふふ。もっと精霊さんに接してあげていたら私の≪嫉妬≫に飲まれることなかったのにね?それじゃぁ、みんな仲良く嫉妬に狂いなさい」


女王が指を鳴らす

それと同時に俺と魔王以外の全員がだらんと脱力した


「あら、かなり強く放ったのにあなたは効かないのね。さすが勇者ということかしら?」


俺は何ともない

これはなんとなくわかってた

いつもそうだから

でもレイたちが全員かかってしまったのはまずい

いくら勇者と言っても俺では魔王に勝てない

どうするどうするどうするどうする


『大体レイはずるいんすよ!いっつもタツトにべったりくっついて!おいらもタツトに抱かれて寝たいっす!』

『そうだ。レイだけ卑怯』

『兄である我を差し置いてタツトの愛を受けるなど…』

『吾輩は最初にタツトに召喚されたのだ!当たり前であろう?吾輩からしたら何かあれば撫でてもらえる貴様らの方がずるいと思うのだ!』


とうとうレイたちも喧嘩を始めてしまった

本格的にやばい…


「無防備よ?」

「なっ!?」


なちゅう速さだよ!

動き出したと思ったらもう目の前にいるぞ!

これ俺じゃ絶対に勝てない!


「魔神様復活のためにもおとなしく死んでね?」


魔王の手が俺を貫こうとしたその時


『やらせないよ!』≪遮絶≫!


魔王の手は見えない壁に弾き飛ばされた

その勢いのまま魔王は俺から離れ距離を置く


「あら、もう戻ってきちゃったのね。残念だわ、せっかくあと少しで勇者を殺せたのに」

『確かに今のは危なかったけどもうさせないよ?タツト、大丈夫?怪我してない?』

「ラグのおかげで傷1つついてないよ」


まさに間一髪ってところだったけどね


『それならよかった!…それで?レイたちはなんで敵の目の前で喧嘩してるの?』


ラグがいまだ口論しているレイたちを見て首を傾げる


「あいつの魔法のせい。あいつが指を鳴らすとああなった」

『なるほど。じゃぁ…』≪固定≫

「あら、びっくり。動けないわ」

『僕としては君の全ての時を止めたのに喋れるのにびっくりなんだけど?』


この魔法は確かスピリットタイガーに使った魔法だっけ

確かにあいつは喋ることもなかった

こいつがどれほど強いのか改めてわかる


「龍皇に褒められるだなんて光栄だわ」

『褒めた覚えないんだけどな。ま、いいや。それじゃぁさっさと死んでくれるかな?』≪囲い≫≪収縮≫

「あら、どんどん狭くなってきたわ。あらあらあら」


魔王の体がベキベキと不快な音を立て、体中から赤い液体を出しながらどんどん小さくなっていく

赤い液体は部屋に巻き散らかされることなく見えない壁にべっとりと張り付く

魔王は見えない壁に押しつぶされ10センチほどの赤い立方体になってしまった


≪圧縮≫


ラグがそう唱えると赤い立方体がさらに小さくなり3センチほどの大きさになって地面に落ちた


『君の敗因は僕が残っているのにタツトに攻撃しようとしたことだよ』


…これは本当にラグなのか!?

あの温厚でお酒を飲むと誰もいないとこを指差しながら笑い続けるあのラグと本当に同一竜!?

やることグロすぎでしょ!

声のトーンも一段と低かったし

正直魔王より魔王っぽかった


『タツトを一番愛しているのは…吾輩はいったい何を言おうとしているのだ!?』

『タツトの事一番好きなのは…これ以上は言えないっすー!!!』

『タツトは私の…なんでもない…』

『タツトの子は我が!…』


…どうやらみんな≪嫉妬≫が抜けたみたいだ

なんかいろいろと気になること言いかけてたけど聞いちゃ悪いよね


『リゴのバカ!』

『兄ちゃんのバカ!』


あっちは抜けてもなお喧嘩している

とりあえずギナを撫でたあとリゴにハグして仲直りしてもらった


「あ、そうだ!ラグ、女王様は!?」

『ギリギリの状態だけど生きてるよ!今は時を止めて亜空間に寝かせてる!』


良かった

でもすぐに治療しないと…


「ルエ、エリクサー作れる?」

『今日は満月じゃないから無理っす!』


そっか、エリクサーを作るには満月水がいるんだっけ…

…そう言えば、召喚(龍)の選べるスキルの中に医者があったな


「回復魔法が得意な龍ってわかる?」

『それなら聖龍が一番だ』

「オーケー、なら早くやっちゃおう!」


ラグの時間と目って確か制限時間あったはずだしね

俺は急いで召喚(龍)起動した

今回はラグにがんばっていただきました

レイの次に多く出ているのに見せ場があまりないな~と思って書いてみたのですがいかがでしたでしょうか?

空間魔法で敵を倒すの難しいですね…

どうやって攻撃させようかかなり迷いました

もっとグロくない方法も思いついてはいたのですが、普段優しい人が怒ると怖いよね感を出すためにあえてこちらにさせていただきました


多分ラグはこれからもサポートメインになると思います

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