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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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リューンはやばいと知りました

「昨日は楽しめたようですね」


お城の応接間に入ると竜王様がそう話しかけて来た

楽しかった半面大変でした…


「とても楽しかったです!レイたちも珍しくはしゃいでいましたよ」

『うぅむ…記憶にないのだが…』


思い出さない方がいいんじゃないかな?

俺は覚えているけどな!

ヴァスも思い出しているのかニヤニヤとレイを見ている


「それは何よりです!」

『…それで、僕たちを呼んだ本当の理由を教えてもらえるかな?』

『ただ話したいってだけじゃないっすよね?』


ラグとルエがモンスターと戦うときの顔をして竜王様に話しかける

他のみんなもラグたちと同じようにまるで尋問するかのような雰囲気を出す


「…流石は龍皇様方です。単刀直入に申し上げます。どうか我が国リューンに移住していただけないでしょうか?」

「理由をお聞きしても?」

「我が国は龍皇様を崇拝しております。その龍皇様が他国に籍を置くなどあってはならぬこと。たとえ自由の象徴のドラゴンであったとしても我が国リューンにおられるのが道理なのです!いえ、それが当然なのです!」


…何が道理なんだろうか?

俺には何が当然なのかわからない

あ、レイたちもわかってないっぽいわ


「龍皇とは神に一番近い生物と言われている!そしてわれら竜人は龍に一番近い種族!我らは龍皇を神として崇め、いづれは人間どもから神として崇められる存在なのです!しかし龍皇様方は我ら竜人の下ではなく下位の人間の下にいるではないか!我らがこんなにも崇めているのに!なぜ!我らの所ではなく!人間のところに現れるのか!人間のところに住んでいるのか!龍皇は我ら竜人の下におられるべき存在なのだ!」


そう言う竜王様から黒い靄が溢れてくる

よく見てみると竜王様だけではなく近くにいた執事さん、扉の隙間からも入り込んできているため扉前の兵士さんからも出ている

一体何が起こっている!?


「ヨコセ、ヨコセ、リュウオウヲヨコセエエエエエエエエエエエエエエ!」

『タツト、一度ここから離れたほうがいい!ラグ!』

『あいさー!』≪転移≫!


ここは…リューンに向かう途中の2回目の休憩ポイントか

レイとラグのとっさの判断のおかげで俺は竜王様の突進を回避できた

いったい竜王様たちに何が起こったんだろう…

とてもあんなこと言うような人には見えなかったんだけどな…


『奴らの魔力とは違う魔力を感じた』

『うむ、それも同一のものがあの町全体にあった』

「それって町の人全員あんな感じになってるってこと!?」


マジかよ!

町行っただけで襲われるとかホラーでしかない!


『おそらく魔王の仕業だとは思うのだが…』

『あんなに同じ魔力があったらさすがの僕でも見つけられないよ…』


ラグの索敵で見つからないとかすごいな

それだけ強敵ってことか


『ふっふっふ―!ようやくおいらの出番のようっすね!』

「…多分そうなんだろうけどそのポーズ何?」


やっと出番がきたとはしゃぐルエは某アニメのようなポーズを取っていた

効果音のズギュゥゥゥウウウン!という文字まで見えるぞ


『…これでいいか?』

『ありがとうっす、アロ!』


アロが精霊魔法で出してたのかよ!

クオリティーすっげぇ高かったぞ!

てかアロも何やってんの!

そんなノリに乗らなくていいよ!


「はぁ…で、どうやって探すの?」

『今回は水晶占いっす!』


そう言ってルエは何もないところから水晶玉を取り出した


「それどこから出した!?」

『これっすか?星魔法っすよ。占い専門の星詠の宗派は占いの道具を魔法で作れるっす!さて、では行っすよ!』


星詠の宗派ってすげぇ―!という前にルエの持つ水晶玉が淡く光りだした


『星よ、我星龍皇ルルエライラが問う。リューンに潜む魔王の姿を映し出せ』


ルエってそんな喋り方もできるのか

悔しいかなかっこいいと思ってしまった

とか考えていたら水晶玉に何か移り始めた

これは…


「さっき俺たちがいたお城じゃん!」


え、魔王ここにいたの?

それでラグの索敵にヒットしないとかマジですごいな


『城だけではわからん。もっと詳しくわからんのか?』

『うーん、今の星の位置だとこれ以上は…ふんぬぬぬぬ!』


ルエが力を籠めるとお城の内部の映像に切り替わった

ここは…寝室?

そして部屋にいる人ってもしかして


「女王様?」

『それ以外に人はおらん。そして見た限りでは魔法に侵されていないようだ。おそらく黒だろう』


マジかー

女王様が魔王なのかー

しかも竜人の魔王なのかー

…うん、正直どうでもいい


『それじゃ一番近い廊下に転移するよー!』≪転移≫!


さっさと招待明かしてもらってボコろう

そして帰ろう

家でポポロたちが待ってる






「ここだn『『神妙にお縄につけ―!』』ちょ!?」


ギナとリゴの2人が勢いよく扉を蹴破る

扉は嬢様の横を抜けて窓を突き破り外まで飛んで行った

おいおい、まだ本当に魔王かどうかもわからないんだぞ?

…まぁ、十中八九魔王だろうけど


「き、貴様らは誰じゃ!?」

「一応勇者をやっているタツトだ!」

『一応は余計なんじゃないかな?』


魔王と戦うのって思にレイだから俺勇者って名乗って言いのか悩んだ末の返答がこれである

俺勇者らしいことしてないし


「あぁ、龍の勇者様ですね。して、妾に何の御用でしょうか?扉を蹴破ってこられたのですからそれなりの御用がおありなのですよね?」

『ふん、貴様の正体はわかっておるのだ。下手な小芝居など打っておらず本性を現せ!』


レイは嬢様にビッ!と指を突き付けてそう言った


「…レイ、本当に魔王なの?間違ってたら…」

『先ほどギナとリゴが扉を蹴破ったであろう?あやつは飛んでくる扉を避けたのだ。後ろを向いている状態での不意打ちにもかかわらずな。普通の女子ならばまともに食らっているであろうはずの攻撃を避けた。それも女王という身分の奴がだ』


確かに普通の女王がそんな動きできるとは思えない

ましてやギナたちが蹴った威力は相当なものでかなりのスピードだった

たとえ鍛えている人だったとしても避けれたかどうかの代物だ


「…妾が避けたという証拠は?窓辺に立っていたところを見たのか?」


いくらレイたちの龍眼が有能だからって透視はできないよな?


『あぁ、見ていた。記録映像もあるぞ?ルエ!』

『了解っす!』


レイに呼ばれたルエはさっきの水晶玉を取り出した

そこには先ほどの女王様が映し出されている

あ!


『タツトも気づいたようだな。そうだ、これには貴様が窓の前に立っている姿がしっかりと映っているのだ!そしてこの後』


レイがそう言い終わると同時に水晶端から扉が飛んできて女王様がぶれたように避けるところが映し出された

これってさっきの!


「…貴様等が映像を偽装した可能性も否定できませんわよ?」

『星詠の宗派の星魔法は嘘を付いたら二度と魔法が使えなくなるっす』


凄いペナルティーだな…

気をつけないと…


『証拠としては十分だと思うのだが?』

「…えぇ、そうね。まさかそんな方法で見破られるとは思ってなかったわ」


女王の体から黒い靄が溢れだし女王を包み込んでいく

そして現れたのは修道服に身を包んだ薄紫色の鱗、6本の黒光りしている角、そして魔王特有の眼をした竜人が姿を現した


「私は嫉妬の魔王ユルシェラ。冥土の土産に覚えて下さいな」

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