帰ってきました
「ただいま戻りました!」
「おぉ!カケル殿、タツト殿!ご無事で何よりです!して、ダンジョンの方は?」
「辰人君とレイさんたちのおかげで鎮静できました。フェゴキメラやフォルングワイバーンが出てきたときは死んだと思いましたよ」
フェゴキメラとの戦いは結構善戦してなかった?
アロの支援が行く前から結構ダメージ与えてたよね?
「なんと…Sランク冒険者でも無理なわけです。犠牲者無く…?レイ様はどうなされたのですか?」
「魔法の代償で気を失っているだけです。そのうち起きると思うので気になさらなくて大丈夫ですよ」
「そうですか。ではご飯はレイ様が目を覚ましてからにいたしましょう。先にお風呂に入られては?」
そう言われて汗やら埃やらでドロドロになっていることに気付いた
うわ、気持ちわる!
この状態でごはんとか絶対無理!
「お言葉に甘えさせていただきます」
「それでは案内させましょう」
グンニルさんが手をパンッと叩くと扉からメイドさんが入って来た
こんな漫画みたいなこと本当にやるんだ…
「さっぱり~!」
ダンジョン後の風呂は格別だな!
疲労もすべて抜けていく~…
おっと、あまりの気持ちよさにレイを湯船に落とすところだった
『…うむ?ここ…は?』
お風呂の気持ちよさのおかげか俺が落としかけたからかレイが目を覚ました
ただ起きてすぐだからかボーっとしている
「あ、起きた。おはよ。気分はどう?」
『ん、大丈夫だ。少しだるいが問題ない』
「ならもうしばらくこうしてようか?」
『頼む』
レイが体を預けてくるのをしっかりと抱きとめる
うは!つるつるの鱗が超気持ちいい!
『レイだけずるーい!』
『そうっすよ!』
『…zZZ』
『はぁ…仕方ない』
『『気持ちい―!』』
ラグとルエが抗議してくる
明日から交代でやると約束をしてとりあえず宥めた
その後30分くらい使った後でお風呂を出た
服を着て出ると案内してくれたメイドさんが出てくるのが遅いから逆上せているのではないかと心配してあわあわしていた
とりあえず謝っておいた
人の家では長湯はやめよう
メイドさんに連れられて先ほどと別の部屋に案内された
入ると料理がたくさん並んでいる部屋だった
すっげ、鳥丸々一羽焼いたのある!
俺たちが入ると椅子に座っていたグンニルさんが座るよう促してくれた
「お風呂ありがとうございました!とっても気持ちよかったです!」
「それはよかったです!レイ様も目を覚まされたようで安心いたしました」
『うむ、心配をかけた』
「では食事にするとしましょう。どうぞ、お代わりもあるので言いつけ下さい」
「ありがとうございます。いただきます!」
「いただきます」
『いただく』
『いただきます!』
『いただきますっす!』
『…いただきます』
『いただこう』
『『いっただっきまーす!』』
パクッ
・・・
「うま!?」
何この鶏肉!?
肉がホロホロで超柔らかくてしっとり!
チャーハンみたいな奴はご飯がパラパラしてて本場の物っぽい
そしてうまい!
レイたちも一心不乱に食べている
…レイの口周りが悲惨なことになっている
「レイ、こっち向いて」
『んむ、すまん』
「お口に合ったようでよかったです。まだまだありますので食べたいだけどうぞ」
俺はもうそろそろお腹がいいかな
翔さんも食べ終わってるし残りはレイたちに任せよう
「このたびはダンジョンを踏破していただきありがとうございました!これはお礼の品です」
お金の入った袋と桜色の石のついた首飾りを渡された
レイたちの瞳のように綺麗な石だ
「その石は守り石と言って持つ者の防御力を上げてくれる石です。タツト殿の事はお聞きしているのでそちらを選ばせていただきました。そしてこちらがレイ様たちに送るものです」
そう言って取り出したのは透き通った紫色の石のついた腕輪
あの石も何か効果があるのかな?
「こちらは魔力石と言って持つ者の魔力を回復するスピードを上げる石です。少しでもお役に立てばいいのですが…」
確かに魔法をたくさん使うレイたちにはちょうどいいかもしれない
俺はMP量が少ないからあってもなくても一緒だしね
『ありがたく使わせてもらおう』
そう言ってレイたちは腕輪に腕を通す
疾風の腕輪と同じようにレイたちの小さな腕に大きさが変わっていった
マジ便利だなあの魔法
「すぐにグレスタインに戻られますか?」
「そうですね。家で心配してくれてる子たちもいますし帰ります」
「そうですか。またお越しください!喜んで歓迎いたします!」
「また一緒に冒険しましょうね!」
「はい!また!」
翔さんとグンニルさんに手を振りラグの転移で我が家に帰る
リビングではポポロたちがソファーで昼寝をしていた
起こしたら悪いよね
静かに部屋を出て俺たちも自室で寝ることにした
「帰ってきたのなら起こしてくださいよー!」
「ぐっすり寝てたから悪いなと思って」
「ぐっすり寝てたらダメなんですよ!」
あれからぐっすり寝た俺たちは日が暮れて涼しくなって起きたポポロたちに起こされた
まだ子供なんだからお昼寝は大事ですよ?
掃除もしっかりしてくれてたしね
「次からは起こしてくださいね?」
「了解」
『それじゃ晩御飯にしよっか!作ってる間にお風呂行ってきたら?』
んー、ちょっと寒くなってきたし入ろっかな?
「そうする。ポポロたちも一緒に入る?」
「僕はラグ様と一緒にご飯を作るので申し訳ありませんが…」
「俺入りたいです!」
「僕も」
「わかった。それじゃあポポロ、ラグの手伝い頑張ってね」
そう言って俺たちは本日2度目のお風呂に入った
何度入っても飽きないわ~…
ご飯はとてもおいしかったです




