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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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お城に招待されました

「こちらに昨日のスタンピードをメザリヤ殿と共に止めた青年がいると伺ったのだが?」


朝ご飯を食べていたら犬獣人の騎士っぽい人が宿を訪ねてきた

俺を探してるみたい?


「ならあいつだぜ。ほら、あそこでチビドラゴンを5匹連れてるやつだ」


話を聞いて居た冒険者の男が俺を指差して教えた

騎士の人がこっちに来るんだけど


「初めまして、私はフィヨルド国獣王ハング様の直属の騎士、クアリアス・レオルと申します。此度のスタンピードを止めていただいたメザリヤ殿とあなたをお連れしろとの命を受け参りました。どうぞ、こちらへ」

「あの…まだご飯の途中なので待っててもらっても?」

「かしこまりました。では外でお待ちしておりますのでお声をかけください」


そう言うとクアリアスさん?レオルさん?は外に行ってしまった

中で待てばいいのに

とりあえずすぐに食べ終わらないと…





「お待たせしました!」

「こちらへ、城へは竜車で参ります」


お、すげぇ!

馬じゃなくて竜が引くんだ!

馬よりも早いんだそうだ


「「「ご主人様。行ってらっしゃいませ!」」」


え?ポポロたちは行かないの?


「城には奴隷を連れてはいけないのです。ご了承ください」


奴隷はだめ…か

納得はいかないけど…仕方ない


「…わかりました。ポポロ、ケオ、テオ、ちょっと行って来る。お金を渡しておくから少し待ってて?」


それぞれに金貨3枚を渡して竜車に乗る


「やぁ、坊や。昨日ぶりだね」

「おはよう、おばちゃん!ごめんなさい、朝ご飯食べてたら遅くなっちゃった」

「あたしは平気さ!さ、こっちに座りな。城までならこの竜車で大体5時間くらいだよ!」

「詳しいですね?」

「これでも元Sランク冒険者だったんだ。あの城になら何回か行ったことがあるんだよ!」


Sランクだと王様からの依頼とかもあるのか…

俄然なりたくなくなったんだけど…


「そんなことよりも水色のおチビさん。名前は?」

『おいらっすか?おいらルエって言うっす!タツトに付けてもらったんすよ!』

「ルエか。洞窟内であたしのこと何回か助けてくれたろ?ありがとう、とても助かったよ」

『そ、それほどでもないっすよ///』


おい、嬉しいのはわかるが尻尾を振るな

狭いからビシビシと当たって痛い


「ピンクのおチビさんも他の奴らを助けてくれてありがとうね」

『私はアロだ。タツトの命に従ったまでだ』


とか言いつつ尻尾はゆらゆら揺れている

かわいい奴め


「白色の可愛いおチビさんは怪我した奴らを外に運んでくれていたねぇ。おかげで死んだ奴はいなかったよ。ありがとう」

『えへへ///』


あれだけ暴れてる中でよく見ているな…

恐れ入った…


「黒のおチビさんは強い奴から倒してくれてたんだろ?おかげで楽に終わらせることができたよ。ありがとう」

『あの程度準備運動にもならん』

「はっはっは!さすがドラゴンだ!あたしがもう少し若ければ手合わせを願いたかったよ!」

『手加減せんぞ?』


あほか!

おばちゃんが死ぬわ!


「そうでなきゃ楽しくないさ!」


おばちゃん!?

相手龍皇ですよ!?

レベル5桁のバケモノですよ!?


『…貴様ほどの手練れならば吾輩との差がわかるであろう?死にたいのか?』

「死にたくはないさ。だが全力でない勝負は楽しくないからねぇ!」


あぁ、バトルジャンキーというよりも戦闘民族なのね

この世界血の気多くない?気のせい?


「タツト殿?でよろしいですか?タツト殿は冒険者でございますよね?カードを見せていただいても?」

「あ、はい。どうぞ」

「失礼します。…こ、こちらに書かれているのは本当の事ですか?」

「えっと…なんて書かれているのか読めないんで何とも言えないのですが…」

「簡単に言わせていただきますとこちらには「タツト・イブキ殿はリヒテンバッグ王国が召喚した勇者である」と書かれています。そして「従魔は龍皇である」とも」


そんなことが書いてあるのか

簡単にってことは内容をいくらか変えているだろうけど

間違ってるところはないな


「本当の事ですよ。俺は勇者ですし、レイたちはみんな龍皇です」

「し、失礼いたしました!」


俺が勇者と知るや否や馬車内にいる騎士の人たちは土下座してきた

何事ですか!?


「え、えっと?」

「勇者様とは露しらず失礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした!どうか、どうかお許しください!」


俺別に怒ってないし、そもそも失礼な態度取られた?って感じなんだけど?

とりあえず許した方がいいよね?


「えっと、怒ってないんで頭を上げてください」

「あ、ありがとうございます!」


えぇー…涙流すほど喜ばれたんだけど…

どういうこと?


「はぁ…坊やはリヒテンバッグが召喚した勇者だ。他国の勇者に失礼な態度をとるってことはその国に失礼なことをしたってことになるんだよ。下手すりゃ戦争もんだ」


マジかよ…

そりゃなくほど喜ぶわ

これ俺も迂闊なことできないな


『タツトはしたいことをすればいい。かかる火の粉は全て払うぞ』


火の粉かかっちゃダメなんだってば!






「お待たせいたしました!こちらがフィヨルド国セルラント樹城です!」


ようやくお城に着いた

近くで見ると本当にでかい

レイたちが元に戻って肩車してちょうどくらい

あー、よく見ると城と樹が合体しているようだ

ラ〇ュタかよ


「こちらへどうぞ」


犬の騎士さんについてお城に入っていく

お城とか何回来ても慣れないわー…


「ハング様、巨斧のメザリヤと勇者タツト様をお連れしました!」

「ん、はいr……申し訳ないがクアリアスのみ入ってくれ!」


獣王もまさか勇者が来るとは思ってなかったんだろうな~

中から「おい!勇者だなんて聞いてないぞ!」とか聞こえるんだけど大丈夫だろうか?

しばらくして扉が開き中に誘導された


「さっきは失礼した。ドラゴンを連れた青年としか伝わってなかったものでな。俺は獣王ハング・ドゥ・フィヨルド28世だ。巨斧のメザリヤ殿、勇者タツト殿。スタンピードを鎮圧してくれたこと深く感謝する。これは礼のつもりだったのだが…勇者殿に渡すにはあまりにも少ない。何かほかに望むものはないか?」


金貨に腕輪に指輪になんか巻物

これだけでも十分多いんですけど

あ、あの顔は何か言わないとだめなやつだ

絶対に何か渡さないと引かないやつだ

…あ!


「あの、物じゃなくてもいいですか?」

「俺に用意できるものなら何でもいいぞ!」


今何でもって言ったな?

…よし、3回目にしてやっとこのネタが言えた


「獣王様を触りたいです!」

「…俺?」


すっごいポカーンてされた

当たり前か

こんな願い言うの俺くらいなもんだもんな!


「貴様!いくら勇者と言えど限度というものを考えよ!一国の王に触れるなど!」

「ヘウリム、よい」

「ハング様!?しかし!」

「俺がいいと言っている」


おぉ、獣王様が一言で大臣ぽい人を黙らせた

俺のせいで怒られてごめんね


『ほう?これほどの威圧を使うか』


え、威圧?

使われてんの?

そう言えば怒られてない騎士の人やほかの人たちの顔まで真っ青になってる

おばちゃんも変な汗かいてるし相当なの出てる?


「…俺の威圧を受けて平然としていられるとは。さすが勇者だ。さぁ、心おきなく触るがいい」


まぁ、レイたちの威圧も平気ですしね

ではお言葉に甘えて


「し、失礼します」

「おう」


そっ…

モフッ


「!?」


凄いモフモフ!

ポポロたちとはまた違う手触り!

ゴワゴワしてるんだけど毛の一本一本は柔らかくてさらさらしている!

そしてほのかに香るはちみつの匂い!

いい匂い~…


「ぐああぁぁぁ…。ぐぅぅ…。な、なんだこの手つきは…!俺の触ってほしいところを完ぺきに撫でてくる…!も、もう耐えられん///にゃはぁぁぁぁ!///」


ほれほれ~


「にゃぁぁぁ!///」


もいっちょ~


「はにゃぁ~ん///」

「は、ハング様?」

「…ッ!?ゆ、勇者殿!そこまでにしてくれ!話が終わらん!」


おっと、つい熱が入ってしまった

気持ちいいんだから仕方ないよね

そして獣王様可愛かったですし


「ありがとうございました!」

「お、おう。ま、また触りたければ来てもいいぞ。忙しくなければ…触らしてやる」


うへへ、獣王様が堕ちたぜ


「獣王様があんなになってしまうなんて…(ごくり)」

「お、俺もやってもらいてぇ…(ごくり)」


周りの騎士さんも獣王様のあの様子を見て気になるみたいだ

おっと、これはモフパラ来るんじゃないですか?

また来た時に撫でさせてもらおう!

今日はポポロたちを待たせてるからね


「おほん。メザリヤ殿と勇者殿への礼は以上だ。帰りの竜車の準備が整い次第丁重にお送りしろ」

「あ、帰りは大丈夫です!ラグ、宿までお願い。おばちゃんも一緒にどうぞ!」

「それじゃ、お言葉に甘えようかね」

「獣王様、失礼します!また来ますね!」

「おう!勇者殿が来た際すぐに俺の元に連れてくるように言っておくから門から来てくれ」

「はい!」

「それじゃ帰るよー!」≪転移≫!


目の前が一瞬で宿屋の前に変わる

メザリヤさんは自分の宿屋に戻っていき俺もポポロたちの待つ部屋に帰った

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