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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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憤怒の魔王アヴォルガ

本日3話目です


『見えたぞ』


ごめん、見てる余裕ないっす

捕まってるのと口から出さないようにするので精一杯です

行きに1週間ほどかかった道のりがわずか20分ですよ?

耐えた俺を誰か褒めて


『魔王はっけーん!…あれ?でも町の外にいる?』

「…とりあえず…王様の、所に…」

『了解した』


お城の前の広場に着地してもらう

それだけで町はパニックです

前門の魔王に後門のドラゴン

うん、パニックになりますね

申し訳ない


「見たことのあるドラゴンだと思えばやはりタツト殿でしたか!」


おやお城の門番のおっちゃん!


「お久しぶりです。魔王が出たと聞いたんで飛んできました」

「その件は伺っています。ここは私がやっておきますのでタツト殿は城へ。王は謁見の間でお待ちです!」

「すみません。お願いします!」


おっちゃんに街の騒ぎを任せて俺たちはお城に向かった

謁見の間ってあの広いところだよね?








「タツトです!召集を受けて戻ってきました!」

「おぉ、来たか!挨拶はすまないが後にさせてくれ。町の外に魔王がいるのは知っているな?」


ラグが教えてくれたからね

でも町の近くにいるのになんで攻撃してこないんだろう?


「あ奴の狙いがおぬしだからだそうだ。タツトよ、頼む」


まぁ、そのために来たんですけどもね

ここまで他力本願なのもどうかと

俺が言えたことじゃないけど


「レイ、やってくれる?」

『吾輩はタツトの頼みなら何でもやるぞ?』


ん?今なんで持って…

なんてネタをやってる暇ないんですね

クソぅ…2回もこのネタができないだなんて…


「わかりました。では魔王の所に行ってきます」

「すまぬ。其方に神の加護があらんことを」


え、なにそのフラグになりそうなセリフ






「ドラゴンを連れた男…貴様が勇者か!よくもカウウェルとボーリアを!」


え、魔王ってこの犬さん?

確かに傲慢や色欲の魔王みたいな薄紫色の肌に特徴的な目、そして角も生えてるけど

獣人の魔王もいるんだね

てかあの2人カウウェルとボーリアって名前だったんだね


「俺は憤怒のアヴォルガ!貴様に撃たれた同胞の仇、取らせてもらう!」


ご丁寧に名乗ってくれたよ

これ俺も名乗った方がいい系?


『吾輩は邪龍皇レイダム。傲慢と色欲の魔王を屠ったのは吾輩だ』

「貴様が…貴様がボーリアを!!!許さねぇ!」≪火焔≫!


アヴォルガがレイに向かって火の玉を無数に飛ばす

色が白いからあれってかなり高温なんじゃ…?


≪闇渦≫


レイの指先にスーパーボールサイズの黒い渦が発生する

レイがその渦を前に飛ばすと渦が巨大になった

その渦は飛んできた火の玉を全て吸い込んでいく

あれってブラックホール?

え、邪魔法ってブラックホールも作れるの!?


「クソが!」≪煙焔≫!


アヴォルガの手から煙が噴き出る

その煙はまるで生きているかのように動きレイに襲い掛かった


『効かん』


レイは元の姿に戻ると翼で風を起こし煙を掻き消してしまった

おいおい、魔法だよ?

いくら煙って言っても魔法だよ?

そんな簡単に消せちゃダメでしょ


『奴らと同じ場所に送ってやる』≪常闇≫


レイがアヴォルガに向けて手を伸ばす

すると一瞬にしてアヴォルガを包む真っ黒なドームができた

てっきり手からなんか出るんだと思った


「クソ!クソ!クソ!なんだよこれ!壊れねぇ!」


中から声がするんですが特にダメージ受けてない?

これどう言う魔法?


『…あまり使いたくない魔法だ』

「それってどういう…」

「カウウェル!?ボーリア!?お前らあいつらにやられたはずじゃ!?」


傲慢と色欲の名前!

中で一体何が!?


「…そうか、わかった。俺もそっちに行くよ…」


本当に中で何が!?

あ、黒いドームが消えてきた

黒いドームが消えるとアヴォルガが倒れていた


『…終わったか』


終わったって…え、死んでるの!?

なんで!?


『≪常闇≫は入った者の死んでしまった愛する者、親しい者が出てきて死へと誘う邪魔法の奥義の1つだ』


何それ怖い

奥義にしては地味だけど内容的には超強い

なんで使いたくないんだ?


『…この魔法がどれだけ辛いか理解したからだ』

「…そっか」


レイをやさしく抱きしめて頭を撫でる

聞くべきじゃなかったな

アヴォルガの死体はアロに頼んで火精霊の力で燃やしてもらった

多分だけど色欲のボーリアと恋仲だったんだよね

向こうで会えることを願う





「タツトよ、よくぞ魔王を倒しこの町を救ってくれた!礼を言う」

「はい」

「なんだ、素っ気ないのぅ。まあいい、褒美なのだが何がいい?何でもとはいかないができる範囲で渡そう」


ならあのお願いかなえてもらおう


「家。でかい風呂のある家が欲しいです」


湯屋に行っても入る人数多くなったから狭いし何より高い

公衆浴場は奴隷も従魔もダメって何なんですか?

アホナンデスカ?


「ふむ…、家はいいのだがでかい風呂か。龍皇様はどんどん増えていくのだろう?ならばかなりの大きさが必要だな。作った方が早いだろう、作るのはこの町でいいのか?」

「あ、できればグレスタイン帝国帝都がいいです」

「他国か…、一応聞いてみよう。他にはないか?」


家さえ手に入ればもういいかな


「あとはもういいです」

「そうか。だが家だけなのもあれだ、金貨500枚もつけよう。本当に助かった。感謝する」


あーはいはい

もういいんで返してください


魔王3人目討伐完了

さて、帝都に帰るか

お風呂に入りたいし

どうしよう…

タツトがどんどんリヒテンバッグ王のことを嫌いになっていく…

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