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強いのは僕ではなく僕の龍たちです  作者: 七面鳥の丸焼き
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想像と違いました

「それじゃあ今日も元気に行きますか!」

『うむ』

『うん!』

『はいっす!』


朝ご飯を食べ終えて出発する

レイの話によればもうすぐグレスタイン帝国帝都が見えるらしい

あぁ、とっても楽しみだよ!

異世界の工業とか超気になる!


『童のように目が輝いておるが何かあったか?』


ふぁ!?

まじか…顔に出ていたとは…

恥ずかしい…


「ごめん、楽しみで仕方なくって…」

『ハハハ!本当に童のようだな!』


レイが腹を抱えて笑う

うるせぇやい!


『だが、吾輩も人間がどのようなものを作っておるのか気にはなっている。吾輩も楽しみだ』


なんだ、レイも気になってんじゃん

いったいどんなものが作られてるのかなぁ…

あーもう早く着かないかな!


『あ、タツト!見えてきたよ!』

「お、ほんとだ!すげぇ!まさに工業都市だな!」


町には工場がたくさんあるらしくいくつもの煙突から煙が上がっている

いいねぇ、さすが異世界だ!





「え、武器がない!?」


町に入り俺たちは近くの武器屋に入った

しかし入ってすぐに目に入ったのは武器も何も乗っていない棚だった

なぜなのか店主に聞くと


「武器というより鉱石を使うもの全般がないな。いつもなら近くの鉱山で取られた鉱石が流れてくるはずなんだがどうにも採掘しているところの洞穴にモンスターが住み着いたらしくて掘りに行けねぇらしい。うちだけじゃなくこの町の多くの店が痛手を受けていてな。ギルドに依頼を出したんだが相手が相手だけに誰も手を付けないらしい」


鉱山の洞穴にモンスターがねぇ

誰も手を付けないってどんなモンスターなんだ?


「いったいどんなモンスターなんですか?」

「聞いた話じゃロックリザードマンって話だ。あとロックリザードマンの上位種であるグランドリザードマンがいるって話だぜ」


ロックリザードマンとグランドリザードマン

名前からして土属性かな

ゲームだと雑魚キャラの類だけどこの世界ではそうでもないのか


『あいつらはなりそこないだがドラゴンの仲間だからな。人間では鱗に傷をつけるので精いっぱいだろうな』

「おぉ。驚いた。知性のあるモンスターをテイムしているとは…確かに腕に自信のあるやつでも1人出は傷をつけるのが精いっぱいだ。魔法や数で押せば何とかなるだろうがこの状態が続いちまってて出せる報酬の量が少ないため十分な人数が集まらんらしい…」


魔法は効くのか…

てことは物理防御が高くて魔法防御が低いと…


「俺達が行きましょうか?」

「おぬしらが言ってくれるのか?だが…おぬしの攻撃が効くとは思えんが…そちらのおチビさん共も見た感じドラゴンだとは思うが…」


まあレイたちのこと知らない人からしたらそうだろうな

ぶっちゃけレイたちがやれば防御力とか関係ない

物理でもぶち抜ける

俺はとどめをちまちま刺すだけだし

あ、でも1体だけはガチでやってみた…ごめん、やらないからそんなに睨むなレイ

てかなんでわかるし


『貴様はすぐに顔に出るからな。何を考えているか手に取るようにわかる』


ひえ…子供かよ

治さないとな

まあとりあえず依頼をやりに鉱山に行きますか


「ちょっと待った。もし鉱石を見つけたら取れるだけ取ってきてくれないか?もちろん逃げるのに邪魔なら捨ててくれて構わない。できそうなら頼みたい」

「それはどんな鉱石でもいいんですか?俺たち鉱石なんてわかりませんよ?」

「そうだな。どんな鉱石でもいい。ギルドのほうには俺が言っておいてやる、頼んだぜ」


店を出て町の入り口で鉱山の場所を聞いた

意外と近かったので走っていった

たまには運動しないとね





「ロックリザードマンってあれ?」

『そうだが?』


俺の想像していたのと違う…

俺が想像していたのは二足歩行で歩くスラッとしたトカゲさんだ

だが今目の前にいるのは体中が岩に覆われてごつごつしている

背中には翼はないものの見た感じはドラゴンそのもの

そしてなんといっても馬鹿でかい

3メートルは優に超えている

こりゃ並の人間では太刀打ちできませんわ

前言撤回

俺はとどめ刺しを頑張ります


『では行ってくる。ラグ、ルエ、タツトを頼むぞ?』

『任せてよ!』

『頑張るっす!』


その答えを聞くとレイはロックリザードマンに向かっていった

あれ?今回は魔法を使わないの?

レイはぐんぐんロックリザードマンに近づき


『一発で死んでくれるなよ?』


そんな不吉なことを言い思いっきりロックリザードマンの腹をぶん殴った

あの小さな体のどこからあんな力が出てくるのか

レイが放ったパンチがロックリザードマンの腹に食い込む

ロックリザードマンもこんなに威力があるとは思ってなかったのか油断して防御する様子もなかったためクリーンヒットした

腹を殴られたロックリザードマンは5メートルほど後ろに飛んでいき地面にあおむけに倒れ伏した

レイが確認し安全と分かってから俺も殴られたロックリザードを見る

白目をむき気絶している

腹もレイのこぶしの形にへこんでいる

口から血が出ているところを見ると内蔵もやられているかもしれない

いったいどんな威力で殴ったんだよ…


『まだまだいるからさっさととどめを刺して次に行くぞ』

「了解」≪黒球≫


俺の力で剣で切っても傷1つつかないのはわかっているからな

…まぁ魔法でも全然傷つかなかったけど

とどめが刺せたころには魔力はもうなかった


「はぁ…はぁ…硬すぎる……いや、俺が…弱いんだな…」

『これではもう無理だな。あとは吾輩が倒してくるからタツトはここで待っていろ』


お言葉に甘えるよ

やっぱ魔力枯渇はきついな

レベルは上がったけど全回復とか甘いことはないからね


「ラグも行ってきて。レイが倒したロックリザードマンと落ちている鉱石の回収を頼みたいんだ」

『でもそれだとタツトが…』

「俺はルエがいるから大丈夫。何かあればルエに頼んで空に逃げるから」

『タツトはおいらが命に代えても守るっす!』


この子も過保護だなぁ…

ありがたいけどね

そう言うとラグはレイの後を追っていった

俺はルエに大きくなってもらいいつでも逃げられるようにルエの背中に乗った





『とりあえず頭らしき奴以外は倒してきたぞ』

『倒した奴は全員回収したし落ちてた鉱石も何個か拾ったよ!』

「ありがとう!でもなんでボスは残したの?」

『貴様がとどめを刺すためだ。MPは回復しただろう?』


ステータスを確認すると確かに回復していた

これでまた魔法が打てる

さっきの疲労感ももうないに等しい


『さっさと行くぞ。こっちだ』


レイがずんずんと進んでいく

その顔は早く戦いたいというようにきらきらと目が輝いていた

…お前も人のこと言えねぇじゃねぇか

後を追っていくと人が掘ったであろう洞窟についた

武器屋のおっちゃんが言っていたのってここのことか


『ここだ……おっと、噂をすればだな、お出ましだぞ』


レイがそういうとズシンズシンと地響きがする

それだけで今までのロックリザードマンよりもかなり大きいとわかる

音が大きくなっていきついにそいつが姿を現した


「でか…」


現れたのはロックリザードマンの2倍ほどの大きさのモンスターだった

たぶんこいつがグランドリザードマンなのだろう

見た目がロックリザードマンと少し違う

頭や体にとげが生えており背中には小さくボロボロな翼がついている


『ぎゃおおおおおおおおおおおおおお!』


グランドリザードマンが叫ぶと周りに落ちている岩が浮かび上がりこちらに向かって飛んでくる


『そんな攻撃が当たるとでも思っているのか?』


レイは最低限の動きで避けてグランドリザードマンとの距離を縮めていく

小さい体のおかげで避けるのは楽なようだ


『ぎゃううううううううううん!』


グランドリザードマンはさらに岩の数を増やしさらに腕やしっぽでも攻撃する

しかしレイは何の苦にも思っていないのかすべて避けている

あのスピードでどうやって避けてんだよ


『では吾輩もやらせてもらおう』


そう言うとレイは腕を大きく振りかぶりグランドリザードマンの顔に向かって思い切り振り抜いた

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