オークさんはおーくをかたらない
童話祭で一番ひどい童話を目指して書いてみました。綺麗な童話を求めておられる方は回れ右して他の作者様の綺麗なお話を求められることをお勧めいたします。
ご了承の方は、拙き騙りに暫しのお時間おつきあいくださいませ。
どこかの世界のどこかの国の片隅でオーク鬼さんたちが住んでいました。どこぞのなろう作家さんたちが定番に毒されていか臭い野蛮な種族として描かれておりますけど彼らはのんびりとした生き方をしておるのです。
そんなオーク鬼さんなのですけど生きていくのは大変なのであります。どこぞの空想小説家たちがオーク鬼さんたちは食べるとうんまいなんて妄言を垂れ流したからなのです。それに乗っかるなろう作家さんたちの食生活が少々心配であります。
「おら達食われるのはどうかと思うんだが。」
「食物連鎖でいえば何かに食われるのは仕方ないと思うんだべだが、人族の爆食だと皆食べられて終わりだべよ。」
「他種族を食べるのは良くある事だべ。でも、節制というものがあるべきだと思うだべよ。」
「人族にそれを求めるのは酷だべ。奴らはイナゴと一緒で食い尽くすだけ食い尽くして滅んで逝った物を顧みることないのはだめだべ。」
「んだんだ。」
「おら、たべられるならばオーク菜ちゃんに食べられたいべ。」
「おではオーク美ちゃんだべ。食べられるならばわけのわからねぇ人間どもよりも愛する者の糧になりたいべ。」
「んだんだ。少なくとも”くっころ”だけには食われたくないべな。」
「んだ、おら的には脂ぎった親父に食われるのも勘弁だべ。」
どこかの小説では生きて生きて生き抜いたオーク鬼は最後の肉になるのが正しい在り方だという事を綴っていたりするのでありますが同じ食べられるならば大事な人たちに食べてもらいたいと思うのはオーク鬼たちの自然な感情なのであります。
「なぁ、お前らなんかいか臭い意味で食べられることを願ってるべ?」
「雄ならばあたりまえだべ。そういうお前はそんなこと考えていないなんておそろしいべ。近づかないでくんろ。」
「おめさ、おでのうしろにいるなや。」
「まてまてまてまて!なしてそなる!おめらのきたねぇしりこにおらがでかねっこつきたてるいみさあるべか?むしろおいらがつきたて………って、じょうだんだべからにげねでくんろ。」
「ちかづくでね!」
「なんたらおっとろしいことかんげぇてるべ!おめおらさそばいねでくれ!そんねおっとろしい変態はドワーフ小人だけで十分だんべ!」
バカなことを言ったばかりに村八分にされそうなオーク鬼さんその一、その二とその三は逃げ腰になりながら戦いの構えをしています。かわいいあの子(オーク鬼視点)ならばともかく、何が悲しくて雄を掘ったり掘られたり………掘って掘ってまた掘って、なんていうのは穴倉にいるドワーフ小人に任せればいいのです。奴らは掘ることと変態技術を開発披露することと飲むことしか頭にない変態種族なのです。
結局、食われるというのはどうしたらよいのかというのは考えも尽きませんでした。
そんなある日獣を狩るための罠に女騎士がかかっていました。擦り傷とかありましたけどほぼ無傷な女騎士を
「こんな”くっころ”食ったら腹壊すべな。」
と罠から外して逃がすのです。罠から外したら女騎士が剣を振りかぶって襲い掛かってきました。
「この獣め!大方この私を逃がしてからいたぶるつもりだろう!たとえ、この身が囚われとなって(なろう削除)や(自主規制)な目にあおうともこの女騎士くじけるものか!さぁさぁ剣のさびになれ!この厭らしい怪物め!」
「なんで罠から外しただけでこんなにけなされるんだべ?うわっ!危ないべ!剣を誰かに向けちゃいけねぇっておっとうとかおっかあから習わなかったべ?」
「うるさいうるさい!剣は人に向けちゃいけないと習ったが怪物である貴様等ならば問題ないだろう!私にも慈悲がある大人しくしていれば苦しまずに済むぞ!このおぞましいヒトモドキ、下半身でしか物事を考えられない悪鬼め!大人しく剣のさびになりやがれ!それとも戦いの間でないと昂ぶらないのか?この変態が私が傷ついて弱ったところで…………」
「いやいやいやいや、そったら気持ち悪いんことさ娘さんが言うんじゃないだべよ!おらだってあいて選ぶ権利くらい、うわっ!本当に剣で切りかかってきたべ。こったら振り回したら危ないべよ!第一、人間相手にそったら事したらおらが変態さんだべ!むすめさ常識で考えるべな。」
どっちがまともなのか良く判りません。剣を振り回し逃げていく女騎士とよけつつ逃げるオーク鬼さん、どっちが悪役なのか良く判りません。オーク鬼さんは散々逃げ回った挙句何とか女騎士を巻くことに成功したのでした。
「そもそも、おら達オーク鬼をなして人屑どもは狩るんだべ?」
とあるオーク鬼さんが疑問をもちました。
「おら達、別に人間どもに関係なく生きてるしべ?むしろむこから突っかかってくるべ。」
「食肉としてと言うのもいるんだべ。人屑ってのはどんだけ悪食なんだべ?」
「最近、女戦士が多く来るべよ。『くっ、ころせ。』という鳴き声がうるさくてかなわねぇべ。」
「んだ、んだ。どうしたもんだべかな。」
「最近だとうちのかみさが『ええこにしてねと”くっころ”がおめのこと食べちまうぞ!』と子供脅しかけているべよ。」
「おらとこもにたよなもんだ。『らめぇ』とか叫びあげているのなんか意味あるだべか?」
「人間族の生態は良くわからね。」
「なんかわらしこにあしげな声だべ。」
むしろわからないほうがよいかと思います。純朴なオーク鬼さんたちに及びもつかない世界なのです。そもそもそんなジャンルの本を持ち込んだ異世界人が悪いのです。
「なんと悪いのは異世界人だべか!」
オーク鬼さん地の文を読むのはやめてください。
そんなオーク鬼さんたちの前に勇者が現れた。
「汚らわしいオーク鬼め!女騎士を罠にはめて甚振るなど…………うらやま………けしからん!」
なんか先日女騎士がイノシシ用の罠にかかったのを根に持っているようだ。
「このあんちゃん、うらやまとかいってたべよ。」
「身動き取れなくしてから………なんて、結構えげつない趣味しているんだべな。」
「おーい、童子ら遠ざけるべよ。あのきくるいむすめさと同じで変態さだべ。」
「おいっ!オーク鬼ども!俺が変態だと!どこをどう見て変態だと言うんだ!お前等こそ女騎士を(なろう削除)やら(検閲削除)な事をするつもりだったんだろう!それに俺は紳士だ!たとえ変態だっとしても変態という名の紳士だ!」
「にんげんのあんちゃんよぉ、そったらおっとろし事言うでないべ。おらたちが人間の娘っ子抱くなんておらさがすくいげのねぇ、げてものぐいみたいでねぇべ。にんげんのまなっこでめんけぇのはわかるけんど、おらたちにもぺっぺするあいてってのをえらばしてほしいべ。」
「えっ!オーク鬼って女とみれば誰それ構わず…………」
「あんちゃん、それ悪い本の見すぎだべ。人族みてぇに穴こさ見つけては何でも突っ込みたがることはしねぇべ。それにおらたちにそんなことされているのを考えてむらっと来てるんでねぇか?」
「そ、そんなことは………ちょっと………」
「…………なぁ、おらたちとんでもねの相手さしてねか?」
「かかわるんもうつりそで嫌だべ。」
「んだ、あんちゃんすまねけど肝さに悪いからどっかいってくんろ。」
「おい!穴さえあれば何でもなんて、おれだって選ぶは!」
「そったらコト言って犬でも猫でも大丈夫だったりするんだべ。」
「そりゃ、犬耳も猫耳も狸耳もいけるけどよぉ!かわいい子限定だ!」
「節操ねぇべ。」
「そのうち刺されるべな。」
「けもなーだべ。はじめてみるべ、異種族でも平気なんてなんともすざましな変態さな。」
「んだ、娘っ子うしろさ下げるべ。見境ないべ。こげなのナイスボートされるがよいべ。」
「んだんだ!」
「って、何でお前等がそんな言葉知っているんだ!」
「遊びに来ていた転生者(魔族)が教えてくれたべな。そう言えば、あんときの娘っ子、普通にヒト耳だったべ。もしかして、ケモミミでねからたたねとか?」
「おめさ、そったらおっとろしことあるわけ…………あにさどした?」
「………………」
「おら、当てちまったべ?あんちゃん、うそだといってけろ!どしてだまるさ!ねぇねぇ……」
「あの”くっころ”さ、このあんちゃんに相手にされねからいじけてこっちに来たなんて事ねぇべよな。」
「…………」
「なぁ、あんちゃん。もしかして違ってたら悪いんだべが、おめさ等の痴話げんかのとばっちりこっち食らわしてねぇだか?」
「あはははははははっ……………」
「笑ってごまかすでね!」
どこばきどこすこ!
笑ってごまかす勇者にオーク鬼さんたちの怒りが炸裂する。勇者は戦闘不能となった。
「これどすべ?」
「人の町さ捨てにいくべ。」
「人間どもはちゃんと身内を躾けてほしいべさ。」
「あれ?あそこにいるのは”くっころ”でねぇか?」
「そだべなぁ………このあんちゃん押し付けるべ。」
「んだんだ、おーいねぇちゃんやー!」
オーク鬼さん達は女騎士を呼び止めるとぐったりとしている勇者を掲げると
「おのれ!けからわしい怪物め!私が無事に逃げ出したから代わりの勇者に手を掛けやがったか!この見境のない腰ふり豚共が!」
「ちょちょっと待つだべよ!この変態のあんちゃんを叩きのめしたのは認めっけんど、なんでこげな色狂ぇの変態さを勇者にしているんだべ?犬でも猫でもイけるけど丸耳に笹穂耳はダメって、どすればこげなの寄越すんだべ?童らの目に見しちゃいけねぇべ。」
「んだんだ、ねーちゃんこげな変態さでも大好きだったんだべ。辛かったべなぁ、獣耳でねとたたねなんて娘っ子として見てもらえねで処女のままで年増さなってしまたなんて………」
「つれぇ、もんだべな。いくら愛らし娘っ子さであっても賞味期限ってもんがあるべな………このあんちゃんあげっから、既成事実作ってものにするがいいべよ。」
勇者を蹂躙した後で残骸を渡して後始末されると言うか自分が相手にされなかった怒りに女騎士は剣を抜き放って
「くっ!ころすころすころすころすころすころす!」
「うわぁ!得物振り回すたぁぶっそな!」
「きちげぇだ!きちげぇだ!こん娘っ子”女騎士”じゃなくて”狂戦士”じゃないべか?おっとっ!あぶねぇべ!」
「いきなりなにするべな!こげな扱いされる謂れないべな!」
「くっ!ころすころすころすころすころすころすころすころすころころころころ!!」
「こわれてしまったべ。”くっころ”相手じゃたちはしないってどんだけ特殊な変態さだべ。」
「んにゃ、寧ろ、これにたつのはそれこそ勇者だべ。」
「だけど、ここに寝てんのが勇者だべ。うおっと!」
狂乱して剣を振るう女騎士、その合間に会話しながら回避行動をするオーク鬼さん達………実は余裕?
「魔王軍の戦馬鹿な将軍さの訓練より楽だべ。」
「それよりも浮気ばれた魔王さがお妃さから逃げるときに捨石さされた時よりらくだべ。」
「「んだんだ!」」
「そいえば、魔王さどうしてるべ?」
「お妃さに伸されてから強制的に執務室と寝室の往復だけという缶詰生活だべや。あの騒動さ側近さブチキレてなぁ……おっと、危ないべな。お妃さも嫉妬深いの無ければいい人なんだべなぁ………」
「浮気しようとしてたんだべ?おっと、よっと、ねーちゃんフラフラだべよ。あんとき魔王城城壁とか壊れていたべ、直しているドワーフ小人たち泣いてたべ。呑んでたら仕事さならねって、側近さ酒取り上げてたし、あれはねぇべよ。酒飲ますななんて死ねと言っているようなもんだべ。」
「ころすころすころすころすころすころすころすころすころころころころ!!」
「ねーちゃんも少しは落ち着くべよ。そげな不憫さ見てたら哀れだべ、機能があればちゃんと立つ薬草あるから………」
「くっっころ?」
「壊れてないで人の言葉思い出すべ。その薬草使って既成事実作るべ、ややこ仕込めばにげられねぇべ。」
「でも、人族一夫多妻とか色々あるべ?その辺はどうするべ?」
「くっころ?」
「古妖精の大爺様居たんべ、頼んで悪い変態さ矯めてもらうべ。こげな変態野放しにして近所の狼っ子やらウサギっ子の娘さん達に不憫かけるなんて駄目だべ。」
「んだんだ、くっころくっころ言ってないで正気さ戻るべ。勇者さはおめにあげるから、おとなしく街にお帰りだべ。」
「ううっ!オーク鬼にまで憐れまれるとは…………くっ!殺せ!」
女騎士さんはくっころくっころ言ってないで人の話を聞きましょう。あれ?オーク鬼さんは人だっけ?後オーク鬼さは雑談ついでに結構重要情報周りに吹聴しない。
地の文がツッコミ入れるのはどうかと思うのですが、正気を取り戻した女騎士さんと簀巻き状態の勇者さんを連れてオーク鬼さんは近所の古妖精の大爺様の所に行きました。
古妖精の大爺のいる樹の所まで行くとオーク鬼さんは
「大爺さいるべ?」
「うっさいなぁ、どうした?オーク鬼の若衆達が何の風の吹き回しで来ているんだ?」
「最近女騎士さがおらの郷さ襲ってきているんだべが、愛しの勇者さがけったいな好み持ってて見向きもされねぇべから腹いせに暴れて困っているんだべよ。んでな、勇者さ捕まえたから女騎士さの方向くよう薬草とか分けてほしいんだべよ。あと、精力剤。女騎士さの胎に勇者さの種仕込んどけば逃げられねぇべ。」
「オーク鬼よ、胎とか種とか少し言葉選べよ。そこの御嬢さん顔赤くしてるじゃないか。初めまして魅力的の御嬢さん、私はこの森に根付いている古妖精の大爺と呼ばれている者だ。短い付き合いになるとは思うが話を聞くとしよう。」
「えっと、大爺様?どう見ても私と同等かそれより年下にしか………それに私が魅力的だなんて……………」
「大爺様は大爺様だべ、おらたちよりずっと年寄りだべよ。」
「見てくれだけで見るのよ善くない癖だべ。」
「人は見た目が9割なんて言われるべがおらたちだって悪い見た目でないべ。娘っ子たちが群がるくらいにいけてるべ。(注:オーク鬼基準です)」
「オーク鬼ども黙れ!お前等の潰れた面はどうでもいいんだ、お嬢さんあんたは十分魅力的だ。命の輝きがあって豊穣を体からあふれ出ている。あんたを魅力的と言わないで誰を魅力あふれていると言うんだ?」
「えっ!えっ!えっ!」
「大爺さ年甲斐もなく口説いているべ。」
「えっ!こんな美形に私……」
「美形だなんて嬉しい事言ってくれるねぇ………」
「なんかおらたち場違いだべ。」
「まちがいないべ」
「飯でも食って取り敢えず待ってるべ。」
「もがもが、ぺっ!どうして俺にもひとつくれ。って言うかどうして古妖精の大爺なのにガキの姿なんだ?どう見ても爺と思えねぇが。それに口説いてねぇか?」
「あんちゃん、余裕だな。矯められる寸前だというのに暴れたり逃げたりしねぇんだったら腕の縄さ外すけんどどす?」
「そんじょそこらの薬なんぞで俺がどうにかなるわけねぇだろ、おめぇ等も悪じゃないっぽいから身を守る以外で暴れたりしないぞ。」
がさごぞがさごそ………
勇者は縄を解かれた。オーク鬼さんたちの持っている携帯食を分け合いながら大爺様と女騎士さんのやり取りをみていた。
「もぐもぐ、これはうまいな。」
普通に適応している勇者、先の大言は嘘ではないようである。
「だべ、これうちのかかの作ったもんだ。ここらのオークの中では一番の料理上手だべ。」
「ほうほう、まずは胃袋からつかまれて…………家の中では銭袋を………」
「銭袋というのはわからねが胃袋はつかまれてるべ。愛という名の頸木によって血袋(心臓)もつかまれてるべ。」
「なんかオーク鬼にのろけられるというのも不思議な気分だ。ここで夜は玉袋まで………」
「あんちゃん、それは下品だべ。」
「下ネタはよくないべ。」
「子袋に玉袋ってのは定番ネタだけんどもこげなとこでいうもんじゃね。」
「それよりもさ、なんか自称大爺様女騎士口説いてないか?」
「おっ!手に口づけなんて気障臭いことしてるべ。」
「そういや、大爺様胸の膨らんでる娘がすきだべ。そのせいで一族さ追い出されたとかいう話聞いた覚えあるべ。」
「大爺様の好みよりもオーク鬼たちの情報の豊富さのほうが驚きだね。何気に魔王軍とかの内情を知っているし…………」
「今魔王様が療養中だべ、今は軍役にはついてねがそこそこの待遇でやとわれてたべ、おらが中隊長待遇だべ。」
「おら、近衛士官候補とされてたべ、狭苦しい城よりもここがよかんべが。」
「おら下っ端だったべな。魔王子様のお側役の一人だったべ、ガキのお守りなんて………」
「普通に士官、高級侍官待遇かよ!むしろなんで今こんな僻地にいるんだよ!」
大爺様が女騎士を口説いている頃(傍観者視点)に勇者の突込みが森に響き渡る。
「帰郷休暇だべ。」
「たまには故郷に戻って英気を養っておけと言われたべ。魔王様はおらたちのことをわかってくれてるべ。」
「おらたちが守りたいものを再確認しろと妃様に諭されたべ。」
「異世界から飛ばされてから休暇らしい休暇ないのに比べて…………猫耳娘とかって亜人待遇だから魔王軍に所属しているし…………俺鞍替えしたいけど口利きして…………」
「流石にそれはおらたちに言われてもこまるべ。」
「なんか不憫だべ、ちゃんと休んでおかねと体さ壊して意味ないべ。人族の王様さそこまで気が回らないんだべか?」
「とりあえず食うべ。なんならばうち着て畑さ耕すか?」
「俺、畑仕事したことなくて………」
「…………おっと、大爺様、おとしちまっただ…………女騎士さ満更でもなかったけんどチョロすぎないべか?」
「脳筋だべチョロインの素質にあふれているんだべ。」
「それよりもあの大爺様、人族よりも魔王軍よりだよな………」
「そうだべ一族から追い出される前は魔王軍の外交担ってたべな。なんでも人のお妃さ口説いて………」
「おら聞いたのはお姫様口説いてだべよ。」
「異世界人の巫女さと巻き込まれた娘っこさ同時に口説いていたとか聞いてたべ。」
「俺さ魔王の配下に女性陣が魅了されて国が傾いたとかって歴史聞いていたけど、まさかね………」
「そこは考えちゃいけないべな。おめさ寝取られてるべ?って言うか人族の男さ甲斐性ねぇから見限られてねぇか?」
「うん、異世界からの勇者と言うだけでまとわりついてくるのが多いから一人くらい減った方が楽だな。大爺様都連れて行きたいな。そうすれば丸耳も笹穂耳も………」
「おめさ、一度ナイスボートされた方が良いべ。」
「んだんだ。」
ちょろく落された女騎士さんの事もあり、勇者は女騎士と大爺様を連れて都に帰った。
「なんかつかれたべ。」
「んだな。二度と戻ってきてほしくないべ。」
「人族の社会ってあんな濃い物ばかりそろっているんだべか?」
違います。
「帰郷休暇ってどれだけ残っているべ?」
「二月程あったべ。帰りものかんげぇたら一月くらいだべ。短いんだべ。」
「カカアとガキの顔見たから家コさ建て増ししておくべ。次帰るころには又ヤヤコ増えてるべ。」
「おめ、計算あっているべか?」
オーク鬼たちは知らなかった。古妖精の大爺が都に行って人族の女王を口説き落として王配となり魔王と講和を結んだことを。
後に原隊復帰したら件の勇者が友好の使者として赴いており、世話になったなと礼を言われ魔王軍中から一目置かれる羽目になったり、勇者にケモ耳娘紹介してくれと言われて困ったりすることを。
古妖精の大爺は人族の中にいて人族との友好に勤しみ、勇者は魔王軍に合って人外種族の面々と親交を深める。どういう友好だか親交だかはオーク鬼たちは知りたくもなかったのです。様々な種族が友好を結び、世界はまた一つ芳醇になるのです。
後々になって切欠となったオーク鬼さん達に歴史家やら物好きたちは当時の話を聞くのですが、オーク鬼さん達は首を横に振っておーくを語らないのでした。
つい、かっとなって綴ってしまった。特に反省はしていない。




