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流星:ホシノアメ

 サクサクと進んで行く素足。

 私の足。


 時々、ガラスの破片や貝殻が牙を剥く。

 痛くないよ、大丈夫。


 なんて。


 自分のお腹に手を当てる。

 “いきるおと”が、聞こえてくる。


 この子は、どんな子になるんだろう。

 この子は、どんな子を好きになるんだろう。


 なんて。


 あぁ、今は、私とあなたしかこの場にはいないの。

 たまに当たる静かな塩水の手が、とても気持ちいい。


 まだ私が、涼しい色のセーラー服を着ていた頃を思い出す。

 全てに縛られ、あの人に手を伸ばせないと悟っていた。


 なんて・・・・・・。


 「笑っちゃうなぁ、ねぇ、あなた」


 私は、後ろに感じた気配に振り向いた。

 すると、その人は近づいて来て、私の頭に帽子を乗せる。


 「潮風は身体に障る。歌うのか?」

 「いえ、もう十分。この海に、私はもういない」


 なんて。


 抱き寄せられて、あなたの目の届かないところから、宇宙ーそらーを見る。

 私が感じた温もりに、この子も安心したみたい。


 「海は宇宙だわ。ほら見て、あなた・・・・・・」


 地球の上に降り注ぐ、アマタなる星屑、宇宙の欠片。

 すると、彼は私と彼を包むかのようにまっさら色の傘をさす。


 私はまた、お腹に手を当てる。



 ねぇ、あなたは今、とてつもなく小さな存在。

 けれど、あなたはきっと、優しい子。


 小さくても、優しいあなたは、誰を大切にして生きていくのかな。


 

 なんて。




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