名無しのアンブレラ
アンブレラ アンブレラ
あたりまえだとおもってた。
りくつなんてどうでもいいのだけれど。
がくぜんとしたおれのまえ。
とつぜんあらわれたのは、
うつつかまぼろしか。
アンブレラ アンブレラ
えらかったとおもう。
いなくなってもなかなかった。
きゅうなふほうだったけど。
ゆらゆらゆれるおれのずじょう。
うっとおしいのに、
にくめない。
アンブレラ アンブレラ
おれのこころのなか。
まだないているらしい。
えがおのにあう、
がーでにあがちったから。
アンブレラ アンブレラ
しずかにゆれる。
あたまのうえ。
わらったかおがすき。
せのびしていた。
なくなった。
ららばいもうたってやれない、
ばかなおれ。
アンブレラ アンブレラ
“だいじょうぶ”
“おれがいなくても?”
“ほらきたよ”
“やくめはおわったのか”
“ほんとうにないてたのは”
“おれだったのかな?”
あめがあがった
りくつなんてどうでもいいや。
がーでにあはくちをむすんで。
とうとうとじたのだ、
うっとうしいかさを。
アンブレラ アンブレラ
ありがとう。
えいきゅうに。
おまえが、しあわせならば。
“ありがとう”
あまぞらたかく!
まえ、まえ!
おれのあいした、
あかいかさ。