手紙
──宛名のない手紙──
また会おう
さう云って、別れたね
果たして、君に届いたのやら
瑠璃色の空に星はない
こんなに深い闇の中で
止まっているのは罪だらうか
死にたいと願うのは不孝者だらうか
儚い願いは塵となり
豪雨によって流される
芽吹きの季節に
んーと小さな葉が出たら
採らずにそっと、守っておくれ
私がいつかそこに行くまで
大変な道のりだらうけれど
仕方ないと許してくれたら嬉しい
春が過ぎ、夏が来て
束の間の休息に
ぶつくさと色々こぼして
やがて私は
消えていくのだ
また会おう
幸せに
多分、もう振り返らない
届いたでせうか?