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マイナーに恋したい!  作者: 琥珀 美姫
物語の始まり
2/4

02

 歩道橋から落ちた私が目覚めた場所は、草原の真ん中だった。


「なに…これ」


ただの草原じゃないことは一目でわかった。早朝のように空は白みあたりは明るいのに、草原いっぱいに蛍のような光がふよふよと飛ん


でいた。でも蛍にはない赤や青の光をしているのもあった。それにどんなに目を凝らしても蛍の体が見えない。


「ここは命が集う場所」


背後から声がして振り向くと、そこには白い布を金で縁取った衣装をまとった少年…いや青年がいた。青年が私に目を合わすとニコリと


笑った。笑った青年の顔はとてもこの世のものとは思えないほど、キレイで儚いと思った。


「君には謝らなくてはいけない。君はまだ死ぬ定めではなかった」

「え?」


私と青年の間を風が吹き抜けた。光は風に流されて今は私たちのすぐそばには光は一つもなかった。


「もっと、人生を楽しんで欲しかった。もっと、愛を知ってほしかった。」


―愛?

その瞬間胸が締め付けられるように苦しくなり、私は立っていられなくなった。

青年は苦しそうな顔をしていたけれど、私は何も言うことが出来なかった。


「君の魂はそのまま、転生させよう…アイツなら。君を…」


愛してくれるはずだから


最後の言葉が聞こえないまま私はそのまま意識を失った。青年は優しく微笑んでいたと思う。


―お願いだから笑って


私じゃない誰かの声が聞こえた気がした。

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