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有栖
「今度の日曜日さ、一緒にプール行こうよ。」
先輩がリビングでソファに寝そべって、扇風機の風を浴びながら言う。
「プールですか?」
僕は、リビングであぐらをかいて、面白い番組はないかと、ザッピングしながら返す。
「そう。こう暑いとさ、なんかやる気なくなっちゃうし。」
「そういうのは彼氏とか友達とかと行ってくださいよ。」
「えー、いいじゃん別にー。行こうよー。」
「じゃあ、早く読書レポート書き上げてくださいよ、『卯月先輩』。」
それは僕なりの愛の告白だったことを、先輩はきっと知らない。