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その背中を押さない、  作者: MilkLover
そして彼と彼女は……
5/5

有栖

「今度の日曜日さ、一緒にプール行こうよ。」

 先輩がリビングでソファに寝そべって、扇風機の風を浴びながら言う。

「プールですか?」

 僕は、リビングであぐらをかいて、面白い番組はないかと、ザッピングしながら返す。

「そう。こう暑いとさ、なんかやる気なくなっちゃうし。」

「そういうのは彼氏とか友達とかと行ってくださいよ。」

「えー、いいじゃん別にー。行こうよー。」

「じゃあ、早く読書レポート書き上げてくださいよ、『卯月先輩』。」

 それは僕なりの愛の告白だったことを、先輩はきっと知らない。

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