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告別
先輩と出会った日から、姉さんが死んだ日から一週間が経った。今日は、姉さんの告別式だ。
姉さんのクラスメイトが制服で告別式に参加しているのが見えた。特に姉さんと接点が無かったのか、不機嫌そうな顔の女子や、姉さんがよほど好きだったのか、声をあげて泣き、教師に注意されている男子。何とも言えぬ微妙な表情の生徒たち。その中には、ありす先輩の姿もあった。その時僕は、初めて先輩が姉さんと同じクラスだと知った。
先輩は、静かに笑っていた。周りの大人たちはあまりそれを快く思ってはいないだろう。でも、少なくとも、棺桶の中の姉さんは、そのことを嬉しく思っているだろう。
でも僕は、笑っていることができなかった。『つらい時ほど笑っていなくちゃ』、そう思っても、頭に浮かぶのはあの日の先輩の優しい声だった。
『いいんだよ、つらい時くらい、泣いてもいいんだよ。』
僕は泣いた。
先輩は笑った。
それは僕らが強くなったからだろう。
僕らが互いに、助けられたからだろう。