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届けたい音  作者: 夜の桜
6/8

再会

外にも関わらず、多数の人が集まり、その場所は普段は見せない賑わいを見せている。


野外ライヴの会場となっている、運動公園は実際に演奏するグループ達、目当てのグループを聞きに来た観客達で溢れかえっていた。




「こんな、でかいステージだったのか…」


予想してなかった現状に響は、周りの喧騒に呑まれていた。


響は入り口で貰った、パンフレットを見ながら、【ワールド・ウインド】が何時にやるかをチェックする。


「……二時からか…」


今は11時…


ステージでは、違うグループが演奏しているのが見える。


早めに昼食を食べようと、屋台に並び始めている人々もいる。


「先に昼飯食っておくか…」


響はそう決め、お好み焼きの屋台に並ぶ。


そこで、見たことある女子を見つけた。




「美里はどこだろ?」


響と同じく、運動公園の喧騒に呑まれて、一緒に来た美里とはぐれた奏が周りを見渡す。


トゥルル…


奏の携帯が鳴る。


「もしもし!美里、今どこ?」


「ステージの目の前〜!あっ!直樹さ〜ん!」


携帯越しに演奏と声援が聞こえ、美里の声が掻き消される。


「…お昼…買って……で…待ってて…」


それだけが聞こえ、携帯が切れる。


「む〜…美里のバカ……とりあえず、お昼ご飯買お…」


美里に呆れて、奏はお好み焼きの屋台に向かう。


「ちょ…奏……さん?」


少し前に聞いたことがある声に奏が周りを見る。


そして、すぐに声の主を見つける。


「あっ…響さん!」


「まさか、こんなところで会うとは思わなかった…一人?」


響が驚きつつ、訊ねる。


「いえ、連れと一緒だったんですけど、はぐれてしまって…」


奏がはぁ…とため息をつく。


「そうか…とりあえず、昼飯だけ確保しちゃおう!お好み焼きでいい?」


響は屋台の列に並びながら、聞くが、


「あっ…わたしも一緒に並びます!友達の分も買わないとなので…」


奏も一緒に列に加わる。




十分後、二人はお好み焼きを食べるために少し喧騒から離れたベンチにいた。


「奏さんは楽器って、何を弾くの?」


お好み焼きをつまみながら、響が聞く。


「わたしは楽器は弾かないです。代わりに歌を歌います」


奏の答えに響が納得する。


(あの時、何も持ってなかったのはそういうことか…)


「あと…奏って、呼び捨てでいいですよ……年も同じですし…」


列に並んでいるときに、簡単にした自己紹介でお互い同い年だと分かったのだった。


「ん…じゃあ、奏も敬語禁止な!同い年だし!」


響が早くも、奏を呼び捨てにし、笑顔で告げた。


「む〜…敬語は癖なんですけど……そう言われたら、しょうがないな〜」


奏もぎこちなくも、敬語を外す。


そして、二人は他愛のない話、音楽を始めたきっかけについて、話し始めた。


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