表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
届けたい音  作者: 夜の桜
4/8

間奏

響と奏が出会ってから、二日後……




「響って、なんで音楽やってんだ?」


太一と昼食を食べていた、響に太一が聞く。


「んぁ……特に意味はねぇよ…」


ラーメンを啜りながら、響は素っ気なく答える。


「そうかぁ?お前のキーボードって、すげぇけどたまにすげぇ寂しい音させてるからよ〜」


(さすがに太一は気付くか…でも…)


響は内心で驚き、感心しつつも、


「そう聞こえただけだ!意味なんかねぇよ!それより、今週末のライヴに向けて、どうなんだよ?」


誤魔化す様に話を切り替える。


「おー!もちろん、みんな良い感じで仕上がってきてるぜ!お前も絶対見に来い!そして、うちの【W・W】に入れ!」


太一が楽しそうに、切り替わった話題に食い付く。


「見には行ってやるが、入らねぇよ!」


響はきっぱりと加入を拒否する。


「ちっ!そこは、勢いで「はい!」って、言っておけよ!」


太一が舌打ちして、ラーメンのスープをすする。


(そういえば、奏さんは楽器持ってなかったな…)


ふと、響は数日前に出会った奏の事を思い出していた。




(響さんのキーボード…上手かったけど、どこか寂しそうに聞こえたな……)


奏は響のキーボードの音を思い出し、そんなことを考えていた。


「何を考えているのかな?」


ケーキを頬張りながら、美里はボーッとしている奏に聞く。


「ん…何でもない。それより、美里〜!頬張りながら、喋るの行儀悪いよ!」


奏は頭を切り替え、めっと美里をつつく。


「む…ゴクン……だって、奏がどっか遠くを見てたから〜」


美里が言い分けする。


「だってじゃないの!もう!ちょっと、考え事をしてただけ」


「まさか…男!?奏はあたしを見捨てるのね!」


「ちょっと〜!なんで、そうなるのよ!」


「むむ…その必死の様子…もしかして、ホントに……!」


「ち・が・い・ま・す!…ただ、ちょっと気になる音があっただけだよ!」


奏がむくれて、ケーキを頬張る。


「へぇ…奏が気になる音があるって珍しいね〜!どんな音?」


美里が再び、ケーキを食べながら、訊ねる。


「ん〜…ちょっと、寂しい音………それより、次のケーキ取りに行こ!」


それだけ告げて、奏は話を逸らした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ