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届けたい音  作者: 夜の桜
1/8

〜〜♪〜♪


スタジオにキーボードの音が鳴り響く。


響く音はギターのみで、歌はおろか、他のドラム、ベース、ギターの音すら混じらない。


時に高音、時に低音と波打つ音は嵐のように激しく音を響かせていた。


ー♪


弾き手の区切りがついたのか、音が止まり、スタジオ内に静寂がおとずれ……


パチパチパチ…


はしなかった。


拍手のした方向には、丸眼鏡をかけた、天パの男が笑みを浮かべて、拍手していた。


「相変わらず、良い音出してるな!」


男は笑みのまま、キーボードの前に立つ、茶色に染めた短髪をワックスでツンツンに立てた男に声をかけた。


声をかけられた男は無言のまま、近くにあった椅子に座る。


「……また、誘いに来たのか?」


少しの沈黙の後、男は天パの男に呆れたように聞いた。


天パの男は頭をかきながら、乾いた笑みを浮かべ、


「だってよ〜…ひびきの音が入れば、オレたちは絶対最強だってリーダーが言うからさ〜!」


軽いノリで答えた。


「そのリーダーはお前だろ…太一たいち…」


そう呼ばれた、天パの男…太一は笑いながら、


「予想通りのつっこみだな!さすがは響!」


意味もなく、響を誉める。


「誉めたって、俺は入らないぞ…」


響は冷静にはっきりと告げる。


「なかなか強情な奴だな…まぁ、それは最初からか!とりあえず、これだけ渡しとくわ!」


太一はポケットから、何かのチケットを響に渡す。


「…【ワールド・ウインド】野外ライヴ?」


チケットを見て、神崎が怪訝な顔をする。


「来週の日曜に市立の運動公園でやる!気が向いたら、来てくれ!」


太一はそれだけ告げて、スタジオから出ていった。




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