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再びの死闘

紅石の気がつくと部屋の天井を見ていた。その天井は見たことのある天井。そう、あの部屋だ

「ここは、って知ってるか、さすがに・・・」

もう白田たち御一行はお揃いだ。まだ枝野は来ていない。どうやってここにきたのかを疑問に思う紅石だが、次の瞬間、その問題が解けた。

ギギ、ギギギギ。と、ゆっくり扉が開いた。扉の奥は相変わらず暗闇一色である。その中から頭らしきものが出てきた。よく見ると枝野だ。だが、様子がおかしい。仰向けの状態で浮遊している

「なんだ?大紀ぃ、起きてるか~?」

疑問を投げかけても無視する枝野。

「無駄よ。今はある意味仮死状態。そこらへんに置かれたら確認してみたら?」

フワッ。その言葉が似合う置かれ方をした枝野にすぐ近づく紅石。脈をはかれば、ない。

「どういう、ことだ?」

「アナタ、来る前に眠気が来たでしょ?その眠気で眠らせ、仮死状態にしてこちらに送られる。送られ方は戦場に行く時と同じように近くの扉が開いて闇が包み、持ってこられる。方法は不明よ」

なるほど、という顔をする紅石。すると、枝野が目を覚ました

「ここは、あぁ知ってるか」

俺と同じこと言いやがった、と少し驚愕する紅石。どこまでも気が合う幼馴染だ

「みんな、もうスーツの着こなし方は教えたはずよ。後は、剣と銃。銃はトリガーを引くだけ。剣は『意思』を強くすればいいだけ。スーツも同じく。これで後は生き残るだけ」

その言葉を聞いた後に、ギギギギギッ、っと音を立てながら扉が開かれた。前と同じく目の前を闇が隠す。そして、恐る恐る目を開ける紅石。目の前にはとてつもない光景が広がっていた

「ここは・・・清水寺?」

が見える。京都らしきところに来た。その代わり空は黄色というシンプルな色だった

「えぇっと、今回の敵はぁ、レベル4『羅生帝門』よくわからん名前だが、特徴は門みたいなヤツだから、門撃ってりゃ死ぬな。その代わり数で押すパティーンだすな、コレェ」

そういやこの銃どんな威力なんだろ、と紅石は思った。確かに、前のイカではダメージになってなかったようだ。そのため、この銃がどんなものかわからない。枝野も同じようだ。

「見つかんねー。アレでも撃ってやるぜ」

飯田がショットガンを片手で構え、ドンッ、という音を立てながら撃ったようだ。やはり、あたったのかがわからない。その瞬間、扉に大きな穴が開いた。弾け飛ぶように穴が開いた。そこからはドス黒い液体が流れた。

「アイツだっ!アイツが敵だ!」

北上が叫ぶと同時に色々な門が動き始めた。軽く十匹入るだろう。紅石は、サッ、っとハンドガンを構え、トリガーを引いた。バシュゥッ、という音しか聞こえなかったが、紅石にはこの銃の特性を把握した。それは、『威力は高いが、当たった後、効果発揮までが遅い』ということである。つまり、早く撃てばいいというものではないのである。門が弾けた。ショットガンなら直径2~3mは弾けたが、ハンドガンは直径1mもなかった。だが、連射した紅石は全て当たり、一匹倒した

「よし!次だ!」

紅石の姿を見ていた枝野は、俺もやってやる、と思い戦いが始まった。あるものはショットガンを乱射し、あるものはハンドガンで敵を征する。さらにあるものは、剣を使い敵をどんどん屠っていく。まさにその光景は芸術的なものである。その中に一つ、他のものより圧倒的に大きい門が出てきた。さすがにアレにはみんながビビった。が、一人、飛び出すものがいた。紅石だ。その手には明らかに他のものの剣より長い剣を持っていた

「アイツ、また長くなってやがる」

誰もがそう思った。紅石はその剣を思いっ切り振った。轟ッッ、という音とともに振られる剣。その剣は巨大な門を一刀両断した。光とともに散っていく門の破片を眺めながら紅石たちは闇に包まれた。やはり、あの部屋に返された。みんなは紅石を見ていた。全員驚きの目で・・・。

「おい、雄貴。おまえすげぇな」

「そうでも無いよ。ただ、生きて帰りたかっただけだ」

生きるという執着心が彼を動かしたのか、あるいは・・・、と考える白田たち。扉には『今日のさいゆうしゅうせんしゅで賞~』の文字があり、下には紅石の名が書かれていた

「俺は・・・」

紅石は戸惑った。何を選べばいいのかを・・・。

「3を選びやがれ、クソ坊主」

「そうよ、3を選んで」

飯田や南原に押され紅石は3を選びそうになった時

「好きなものを選びなさい」

白田の声が耳に入った。その声で紅石は自分を取り戻した。そして、決断した

「2番。強く、してくれ」

その言葉はみんなの予想外だった。驚きの顔をするみんなを無視して扉が開く。やはりそこから、ボストンバッグが出てくる。紅石の近くに落ちた。紅石はバッグを開けた。そこにはロケットランチャー見たいなものが一つ、みんなが着ているスーツと感じが少し違うスーツが一つ、最後に紙が入っていた。その紙にはこう書いてあった。

『このス~ツは今着てやがりまするなス~ツの上に着ないとダメんず』

ふざけてるのか、と紅石は少しキレながらスーツを上から来た。着た後少し力を入れてみた紅石。やはり、違う感覚だった。下のスーツより3倍も力が増した感じがしている

「ど、どうだ?雄貴」

まださっきの選択に驚いている枝野。紅石は優しく、何かを楽しむような口調で返答をした

「このスーツを着ると、誰でも勝てる気がするよ。俺は、無敵だ」

グッ、っと拳を握った後、紅石は扉に向かう。白田とすれ違う時に白田は言った

「その力に溺れないで。耐久力もあるんだから」

「・・・わかってますよ」

と紅石は言い残し、扉を開けて出た。紅石が出たのは勿論、家のトイレだ。紅石はスーツの説明書の続きを読んだ。

『このス~ツを着ると、人や物の気配を察知しやすくなるのでゲス。さらに、前のス~ツよりも3倍以上のパワ~を出せるのだぁ~。   終わる』

やっぱふざけてやがる、と紅石はかなりキレたが、すぐに落ち着き、気配を察知することに集中した。台所に方に明理の気配があった。運がいいことに台所からトイレは死角になっているため音を立てずに紅石の部屋に行けば見つからない。早速紅石は動き出した。気配を察知しながらゆっくりと動く。何事もなく部屋の前に到着し、部屋に入り、着替え、明理に話かけた。

「姉ちゃんただいま~」

「雄貴おかえり~。ご飯できてるわよ」

もう、外は暗い。紅石が時計を見ると8時をさしていた。

「「いただきま~す」」

―――

風呂も入り、眠ろうと部屋に帰った紅石。

「メールがきてる」

メールを見ると、白田からだ。内容は『明日、朝から会いましょ。』と、それだけが書かれていた。

「・・・寝るか」

携帯を机に置き、紅石は寝床についた。

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