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踏み出す一歩

カチャッ、スススッ

(きょ、今日こそは・・・)

「雄貴ぃ~?起きてる~?」

そう言いながら明理は心拍数や呼吸などを調べ

(よし、完璧に寝ている!今日こそは貰っちゃうぅ~)

「雄貴、起きないと貞操をいただいちゃうぞ~。」

「うおぉぉぉぉ!今起きたぜ、姉ちゃん!」

「起きても襲う!」

「ぎゃぁぁぁぁ!止めろぉぉぉ!」

そんなこんなで朝が始まった・・・


朝ごはんを食べ、とりあえず二人は家を出た。紅石は学校へ。明理も大学へ。

登校中、紅石は枝野と会った

「あ、あれから大丈夫だったか、雄貴?」

「大丈夫じゃなかった。今日の朝、気づかない内に入ってこられた。寝てたけど嫌な予感がしてすぐに飛び起きたら姉ちゃんが隣に居てだな、また押さえつけられたが、そこで何とか抜け出してやったぜ」

「そ、そっか。でもさぁ、あんなにキレイな姉ちゃんだったらいいんじゃないの?」

そうだ、枝野の言うとおり紅石明理は胸はでかく、腰もくびれがあり、お尻もプリッっとしていて見たやつは決まって紅石にこういう「これなら貞操とられてもいいんじゃないのか?」と。だが、明理も初体験はまだなのである。なので、みんなそれを奪おうとするがどこで習ったのかわからない体術の制裁が下り、それ以降襲おうと思うものはいなくなった。

そんなことはどうでもいいが、と紅石は思っている。

―――昼休み―――

「そうだ、大紀。俺、今日告るわ」

「ぶふぅぅぅ」

「きたねぇぇぇぇ!牛乳吹いてんじゃねぇこの野郎!」

スーツを着ていたため普通に動いていればかかっていたが、スーツに助かった。それを知らない紅石。

「すまない雄貴。あまりに派手なカミングアウトだったからな」

「ま、放課後を見ときやがれ大紀!」

―――放課後―――

「場は整った。後は告るのみ・・・」

「行くんだ雄貴。玉砕して来い」

屋上に行く扉の前で話し合ってる二人。この扉を開けば屋上、そして、例の人が待ち受けている

紅石は目を閉じ、暗示を掛けた。「俺はこれまでこのときのためにイメージトレーニングという名の妄想を幾度となくしてきた。それが、今試される!」

カッっと目を開き、目の前の扉を開けた。目の前には例の人、谷口結衣がいる。

「待たせてすまないな、結衣」

「いいよ雄貴君。それより、どうしたの?」

「この夕日がいつもよりキレイに見える屋上に呼び出したのは・・・」

「呼び出したのは?」

「結衣、俺は・・・」

と言いながら近づいて行き

「俺は、結衣のことが、好きだ!」

ヒュゥゥゥゥと風が吹き抜けた

「雄貴君・・・」

「何?」

「私、は・・・」

ゴクリと紅石は生唾を飲み込んだ

「ゴメン雄貴君」

ヒュォォォォォと今度はさっきより少し強い風が吹いた。谷口は紅石の横を走り抜ける。横を通る時、かすかに涙を流していた気がした。

扉を開けて階段を下りていった。その直後に枝野がやってきた。倒れている紅石の隣まで

「なぁ、大紀」

「ん?」

「な~んで、風が吹き荒れてるんだろ?」

「・・・そんなこと、わかんねぇよ。それより、今から飯食いに行こうぜ」

「・・・そうだな。そうしよう」

―――

「姉ちゃんただいま~」

「おかえり雄貴!さ、私の胸に、ってどうしたの?」

「なんでもねぇよ」

明理の記憶が正しければ、紅石がこんな顔をしたのは初めてだった。

帰ってすぐに部屋に入った紅石。ベッドの上に仰向けの大の字で寝転んだ。

「はぁぁぁ」

『コンコン、入るわよ~?』

「いいよぉ」

明理が入ってきた。紅石のベッドに座り

「何かあったの?」

「重大なことがな」

「そう・・・」

明理も寝転がり紅石の横に来た。

「よくがんばったわね」

いつも紅石に何かあればこうするのであった。すると、紅石が涙を流し

「姉ちゃん、抱いていい?」

「えぇ、おいで」

ギュゥッっと紅石は明理を抱きしめ、眠りについた・・・

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