prologue
みなさん初めまして。天川流です。
まったくの素人ですすみません。
何かと不具合があるかと思います。下手だと思いますので、ご指導ご鞭撻お願いいたします。
「ハァハァ・・・」
夜の街の人混みを押しのけながら俺は走り続ける。
「おいっ!早く探し出せっ!!絶対に逃がすなよっ!!」
街の喧騒の中に埋もれた男の怒声、ぶつかった女性の悲鳴、文句を叫ぶ若者の声。それらから逃げるように俺は走り続ける。
何故こんなことになった?
何度目かの疑問が俺の思考をよぎる。が、そんなことは分かり切っている。
嵌められたのだ。
では誰に?
そんなの俺が知りたい。
思いながらも足は止めない。止めようものなら首を落とされてあの世行きだろう。こんなところで死ぬわけにはいかない。
『そこを右に曲がって!』
頭に女性の声が響く。いつもは落ち着いた声音なのだが今は焦りが滲み出ている。その声に従ってビルの角を右に曲がる。その先に微かに見えるユラユラ揺らめく光の柱を確認して内心で安堵する。
「一葉っ!!あれか!?」
『聞いてる暇があるなら足を動かしなさい!!』
そう言いながらも彼女の声が先ほどよりも少しばかりホッとしているように思えるのは気のせいではあるまい。ならば―――。
「あれがゲートっ!!」
走る速度が自然と速まる。
『セキュリティーにかからないようにしたからそのまま正面から入って』
「いいのかよ!?問題になるぞ!?」
『いいわよ。理事長だもの』
「思いっきり職権乱用じゃねーか!!」
ついついツッコミを入れてしまった。けどまぁ後で礼言わねーとな。
「―――っ!!!」
思考に余裕が出てきたとき、背中に多数の殺気を感じた。本能に従って真横に飛ぶ。
ドブゥワァァ!!
俺が居た場所に突如火柱が上がる。
あ、あぶねー。あのままだったら丸焦げ・・・・・いや、あれぐらいなら大丈夫か。
「しっっっっつこいんだよ!!!!!」
叫び、敵の姿を確認しようともせずに光の柱へと突っ走る。
(あと200・・・・・150・・)
心の中で呟きながら走る。その間も敵の攻撃は止まない。それを全て交わしながら目測で数える。
(100・・・・・50・・・・)
「おいっ!!誰か止めろっ
!!」
もうゲートがはっきりと見える位置まで近づき、後ろから焦りの声が聞こえてくる。
(30・・・15・・・5っ!!!)
五メートルを切った時点で俺は地面を蹴って飛び込む。
「転移っ!学園都市スフィアっ!!」
叫ぶと俺の体は白い光に包まれる。怒声や罵倒が後ろから聞こえてくるが、もう手出しできないはずだ。
今度こそ安堵のため息を吐く。光の量は徐々に増していき、俺はその場から消えた。