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第十四話 七つの光

どんなに暗い夜空でも、一つの星だけで世界を照らすことはできません。

けれど、幾つもの星が輝きを重ねるとき、夜は希望の光で満たされます。

光の継承者たちもまた、一人ではなく、互いに支え合うことで真の力を発揮します。

今、生命樹に秘められていた「七つの光」の預言が明らかになります。

 朝日が白峰神社の森を静かに照らしていた。

 昨夜まで吹き荒れていた冷たい風は止み、境内には穏やかな空気が流れている。

 しかし、さとしの心には新たな決意が芽生えていた。

 世界各地で目覚め始めた光の継承者たち。

 自分は、その仲間たちと出会わなければならない。

 老人は本殿の奥から、一本の古い巻物を取り出した。

 慎重に広げられた巻物には、円を描くように七つの黄金の紋章が刻まれている。

「これは生命樹に伝わる『七つの光』の預言です。」

 老人は静かに語り始めた。

「エルディアが最も栄えていた時代、生命樹は未来のために七つの光を世界へ託しました。」

 さとしは巻物へ目を向ける。

「七つの光……。」

「はい。」

「勇気を与える光。」

「命を癒やす光。」

「真実を見抜く光。」

「人々を導く光。」

「自然を守る光。」

「未来へ希望をつなぐ光。」

 老人は最後の紋章へ手を置いた。

「そして、すべての光を一つに結ぶ光。」

 その瞬間、七つの紋章が一斉に輝き始めた。

 同時に、さとしの胸の紋章も黄金色に光を放つ。

「最後の光は……私。」

 老人は静かにうなずいた。

「あなたは支配する者ではありません。」

「七つの光を結び、人々の心を一つにする存在です。」

 その言葉を聞いたさとしは、自分の使命の本当の意味を理解し始めた。

 光は誰かの上に立つためではない。

 互いを信じ、支え合うためにある。

 その時だった。

 《光の結晶》が強く輝き、世界地図が浮かび上がる。

 日本。

 アジア。

 ヨーロッパ。

 アフリカ。

 北アメリカ。

 南アメリカ。

 オセアニア。

 七つの場所で黄金色の光が脈打っていた。

「彼らが……。」

「七つの光です。」

 老人は答えた。

「まだ互いを知りません。」

「しかし運命は、やがて彼らを引き寄せます。」

 ルナリアは光の結晶を見つめながら、小さく微笑んだ。

「生命樹は今も、世界を見守っているのですね。」

 その瞬間だった。

 神社全体が激しく揺れた。

 空が黒く染まり、雷鳴が山々に響き渡る。

 巨大な黒い渦が空に現れた。

 その中心から、レイヴンがゆっくりと姿を現す。

「やはり預言は始まったか。」

 その声には焦りがにじんでいた。

「七つの光が集まれば、我らの計画は終わる。」

 レイヴンは右手を天へ掲げる。

 黒い稲妻が世界地図へ落ち、七つの光を包み込もうとした。

「させない!」

 さとしは胸の紋章へ手を当てる。

 黄金色の光が結晶へ流れ込み、七つの光を守る結界となった。

 ルナリアも生命樹への祈りを捧げる。

 二人の光は一つになり、黒い稲妻を押し返した。

 レイヴンは静かに笑う。

「今は退こう。」

「だが、『虚無の門』が開けば、お前たちに未来はない。」

 その言葉を残し、闇は空の彼方へ消えていった。

 静寂が戻る。

 しかし、その一言が全員の胸に重く残る。

「虚無の門……。」

 さとしはその言葉を繰り返した。

 老人の表情が曇る。

「その名を聞く日が、ついに来てしまいました。」

「それは宇宙を滅ぼす闇への入口です。」

「そして、その真実を知る者が一人だけいます。」

「ゼルグです。」

 さとしは大きく息を吸い、力強くうなずいた。

「ゼルグに会いに行きましょう。」

「すべての真実を知るために。」

 朝日が雲間から差し込み、七つの紋章を優しく照らした。

 新たな旅は、宇宙の真実へと続いていくのだった。

第十四話「七つの光」をお読みいただき、ありがとうございました。

生命樹に伝わる「七つの光」の預言が、ついにその姿を現しました。

光の継承者とは、特別な能力を持つ者ではなく、それぞれの場所で勇気や思いやり、希望を守り続ける人々です。

そして、さとしは七つの光を一つにつなぐ「結び手」としての使命を受け入れました。

一方、レイヴンの口から語られた「虚無の門」という不吉な言葉。

それは闇の艦隊が隠し続けてきた最大の秘密であり、宇宙そのものの運命を左右する存在です。

その真実を知る者は、ただ一人――ゼルグ。

次回、第十五話「ゼルグの真実」では、ゼルグがエルディア滅亡の真相と、「虚無の門」に隠された宇宙誕生以来の秘密を語ります。

物語はここから第四部「宇宙の真実」へと入り、さとしたちの運命はさらに大きく動き始めます。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

作品を気に入っていただけましたら、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、これからの執筆の励みになります。

皆さまの心に宿る光が、未来への希望となりますように。

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