↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/49

31話:そこでようやく気が付く

『フラワーショーの会場となる、一番大きな天幕の中は、とても巨大です。うっかりしていると、迷子になりかねません。悪役令嬢はそこに目をつけ、あなたをチームの輪から離れさせ、迷子にしてしまいます! でも安心して。あなたと彼の好感度が高ければ高い程、すぐに見つけてもらえます。その後はチームのみんなと合流するお昼まで、二人きりの甘い時間を過ごせますよ! ⇒続き読む』


 うーん。随分と子供っぽい嫌がらせだと思う。

 思うけれど、これを悪役令嬢はやってしまうのだ。


 そう、悪役令嬢であるエマは。


「イートン令息」


 まずはジャレッドに声をかけた。

 ジャレッドはあからさまに嫌そうな顔で私を見るが、シナリオの強制力のおかげで、無視はできない。


 強制力は私にも働いている。


 私もめげることなく、ジャレッドに話しかけていた。


「あそこで販売されているバタフライピーを使ったブレンドティーは、レディが絶対に喜ぶと思います。レモンを加えることで、青から紫に紅茶の色も変わるのです。プレゼントしてあげるといいと思いますよ」


 バタフライピーは、鮮やかな青紫の花が特徴で、蝶が羽を広げているような形をしていることから「バタフライ」と呼ばれている。そして私が示した展示では、そのバタフライピーの種や苗に加え、ハーブとブレンドした茶葉の販売が行われていた。


 ジャレッドはすぐにアナにプレゼントすることを思いついたのだろう。バタフライピーの展示コーナーへと向かった。これでジャレッドとアナを引き離すことに成功している。


 そこですかさずヴェルナーとセシリオにも「珍しい碧い紅茶の販売がありますよ」と伝えた。ジャレッドもそちらへ向かっているので、二人もその背中を追うように移動してくれる。


「ディアス男爵令嬢、あそこにあるキンギョソウ、珍しくないですか?」

「え、キンギョソウ? 何ですか、それは?」


 キンギョソウとは和名であり、この世界ではスナップドラゴンという呼び名で知られている、ありきたりの花だ。とにかく品種が多い。見た目が金魚のものから、ペンステモン咲きタイプまで、いろいろある。ペンステモン咲きは、普通に花が開花しているように見えるため、それがスナップドラゴンとは思えない。


 ということで本当はありふれた花なのに。


 あたかも珍しい花が展示されていると思わせ、アナをバタフライピーの展示から最も遠い場所へ向かわせる。そして私は後ろからアナを追っているフリをして、人混みに紛れるのだ。そこから私はバタフライピーの展示へ向かう。


 こうしてシナリオの強制力による、アナへの嫌がらせが完了するはずだった。


 だがしかし!


 ここで私はUターンし、アナの元へ戻り、彼女をバタフライピーの展示へ連れて行くつもりだった。つまり一旦はシナリオの流れに沿って行動。そこからリカバリーするつもりだった。


 ところが!


 人が多い!

 その混雑ぶりは、まるで前世で言うなら、万博会場みたいだ。


 アナが向かったキンギョソウの展示エリアへ、なかなか向かうことができない!


 なんとか人混みをかきわけ、辿り着くと……。


 あ、あれ!?

 アナの姿がない。

 既にアナは迷子になっている!?


 懸命にアナを探すが、その姿は見つからない。


 というか。


 そこでようやく気が付く。

 アナは迷子になっていると思うが、私も迷子になっていないですかー!?


 なっている気がする!


 ここは男性陣がいるバタフライピーの展示エリアへ行こう。


 そう思うが……。


 あ、あれ……。バタフライピーの展示エリアってどこ!?


 あまりにも動き回り過ぎて、自分がどこにいるか分からなくなってしまった。


 案内板を見つけよう!


 案内板を探すために動き回り、ようやく見つけることができたが……。


 前世のような、丁寧な案内板を期待してはいけなかった。

 この案内板ではざっくり過ぎて、よく分からない!


 焦ることでレストルームに行きたくなり、ひとまず行列に並び、スッキリすることに。


 スッキリして落ち着いたが。

 迷子であることに変わりはない。


 どうしよう……。


 シナリオ通りに動いていれば、アナは迷子になっても、私まで迷子になることはなかった。今頃男性陣は、大いに困っていると思う。なにせ私とアナが同時に迷子になったのだから。


 ジャレッドはアナを探すと言って聞かないだろう。ヴェルナーとセシリオは策を練りたいだろうが、ジャレッドを宥めるのに一苦労していそうだ。それでも絶対、探してくれているはず。


 バタフライピーの展示に行けば、誰か一人、そこで待っている気がする。迷子の時、全員が全員探し回るより、ここに来るかもと思われる場所で待つことで、再会の確率が高まる気がした。


 うん、きっとそうだ。

 バタフライピーの展示エリアへ行こう!


 そう決意したまさにその時。


「キャンデル伯爵令嬢!」


 私の名を呼ぶ声が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページやタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●9/2発売●
バナークリックORタップで書報ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

●胸キュンな恋物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。